訓み方の不思議
昨日、今日と、福島県は浜通りの双葉郡に住むハンガイさんというお客様から、立て続けに3回も電話を受けました。で、このハンガイさん、漢字では「半谷」と書くとの由。私の感覚ではこの字ならば「ハンヤ」または「ハンタニ」と訓むのがポピュラーなので、珍しい苗字だな、と思いました。でも振り返ってみると、福島県には「谷」と書いて「ガイ」と訓む人名や地名が、割合普遍的に見られます。私の学生時代の同級生には福島市出身の「大谷(オオガイ)」さんがいたし、二本松市には「亀谷(カメガイ)」という地名があります。とすると、「谷」を「ガイ」と訓むのは、福島県に特有のいわば方言的な使い方だと思ってしまいます。が、全国的にも通用する「谷=ガイ」の用法は、実はない訳でもありません。例えば…「熊谷」これなんかは、十中八九の人が「クマガイ」あるいは「クマガヤ」と訓むでしょう。却って「クマタニ」「クマヤ」なんて訓んでしまうと違和感を感じてしまうほどです。漢字の訓みかたに対する感覚ってのも、結構いい加減なものがありますよね。