いわき市は観光地なのか?
福島県を代表する観光地と訊かれれば大方の人が磐梯山、猪苗代湖、若松、喜多方、大内宿などを擁する会津地方を連想されると思いますが、実は、観光客数だけを見ると、いわき市の方が多かったりします。平成19年の福島県観光客入込状況を見ると、福島県内における各市町村別のランキングは、下記の通りになっているんですね。1位 いわき市 11,022,796人2位 福島市 6,469,396人3位 会津若松市 3,940,734人4位 郡山市 3,577,490人5位 北塩原村 2,688,237人6位 猪苗代町 2,675,446人7位 二本松市 2,663,266人8位 会津美里町 2,049,391人9位 喜多方市 1,808,306人10位 下郷町 1,806,467人次点 相馬市 1,685,896人いわき市が2位の福島市(これも意外でしたが)、3位の会津若松市を大きく引き離してトップに立っています。恐らくこのデータを基にしているのでしょうが、「いわき市は福島県内一の観光地」と自慢したがるいわき市民もいたりします。でも、データの詳細を見ると、いわき市の数字はどうにもインチキ臭い。と言うのも、各スポットごとの観光客入込数を見ると、こんな感じになるからなんです。1位 いわき・ら・ら・ミュウ 2,388,800人2位 スパリゾートハワイアンズ 1,990,225人3位 夏まつり 1,133,000人4位 アクアマリンふくしま 988,257人5位 夏井川渓谷 771,583人6位 ゴルフ場 589,526人7位 いわき湯本温泉 557,349人8位 磐城海岸 344,606人9位 薄磯・豊間海水浴場 292,168人10位 勿来・小名浜海水浴場 286,133人次点 勿来の関 214,552人まずトップがら・ら・ミュウ。こんなにも訪れる人が多いのかと驚かされますが、入込数の具体的な計算方法が何を根拠にしているのかが一切不明。可能性が高いのはレジ通過者数でしょうが、同所は土産物屋やレストラン、魚市場など実に多くのテナントがあるため、レジ通過者数で計測した場合、同一人物がダブルカウントされる可能性が高いんです。また、4位のアクアマリンふくしまとら・ら・ミュウとはいわき小名浜みなとオアシスという同じ施設の構成スポットであり、ここでもダブルカウントの可能性が生じます。同様の事例は猪苗代町の野口英世記念館と世界のガラス館(国道49号線を挟んで向かい合わせ)などいくつか見られますが、若松が鶴ヶ城などを分離せず「若松市街」として一括してカウントしていることを考えると比較対象のためには三崎公園も含めた「小名浜市街」でなければ整合性の面で問題が生じるし、いわきの水増し感が目立ってしまう次第。2位のスパリゾートハワイアンズの数字は有料入場者数と推察されるので異論はないですが、3位の夏まつり、6位のゴルフ場ってのも、よくわかりません。いわきの夏祭りってそんなにお客さんが来てたっけ? と疑問に思って調べてみたら7月下旬から8月下旬にかけて開催された8つの祭りの入込数ををトータルした数字だった次第(参考)これもちょっと卑怯臭いんじゃないかなぁ? 例えば同一人物がいわき港まつりといわきおどりを両方訪れたケースでも二人とカウントされる訳ですからね。ついでに言えば、これらのお祭りで他地域から来たお客さんって、どのぐらいいるのでしょう? 他地域向けのキャンペーンを積極的にやっているようには見えないし、恐らく相馬野馬追や会津まつりより少ないんじゃないでしょうか。あと、ゴルフ場もひどい。大半の地域ではゴルフ場まで観光客数に含めていないから、これも水増しと言わざるを得ません。こんな感じで粗探ししてみると、いわき市の観光客入込数の実勢は、発表されている数字の半分ぐらいしか価値がないと考えます。それでも数字面では県内の市町村ではNo1にはなるでしょうが、それは人口がそうであるのと同じく単に面積が広いが故の話であり、決して自慢できる類のものではないと断言していいですね。和風テーストのとろとろのスパイシーカレーがツルッツル!シッコシコ!のそばにからみつくいわきのカレーそば通が密かに楽しんでいた極上の逸品。特製和風カレー