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カテゴリ:映画
CSザ・シネマで放送の「ウィッカーマン」'73を録画視聴。今や伝説のカルトムーヴィーで、クリストファー・リーが自身の最高傑作と語る1作。最近劇場公開もされたけど見逃していた。これは面白かったね、救いのない話ではあるけど(以下、ネタバレあり)。
西スコットランドの離島での少女失踪事件。村人たちは、なぜか少女の存在を認めない。敬虔なクリスチャンの警官エドワード・ウッドワードは、それでも頑なに捜査を続けるが、島で見かける奇妙な光景の数々に戸惑う。トラッド的な唄と踊りに満ちた島だが、どこか不気味。原始宗教を信仰しペニス信仰を学校で教える。夜はアオカン当たり前、クリスチャンからしたら野蛮で許し難い行為、習慣の数々。 でも、それはあくまでクリスチャンからの視点、原始宗教はそれはそれなりに信仰の対象ではある。ただ、島を牛耳るリーの祖先が民衆を操るためだったという意味合いもある。村の五月祭の開催で、いよいよ真相が判明する。予測は出来たけど、全ては生贄を呼び寄せるための仕掛け、その生贄とはウッドワード、その人。最後は、巨大な木製の像ウィッカーマンと共に焼かれる。神への祈りなど何の役にも立たない。壮絶なラスト。 全編、トラッドミュージカルといった調子で、恐ろしくも楽しい。村人たちの五月祭の扮装はランボーかフェリーニかといった異形の世界。リーも楽しげに飛び跳ねる。リーとしては自らの出自とも言えるホラー映画の新境地であったろうか。中世にはこんな世界が現実にあったのかもと思わせる光景が展開される。放送されたのは89分の尺だったけど、劇場公開版はディレクターズカットの99分版だったのかな。いずれにせよ、これはまた劇場でも観てみたい1作だ。サントラ盤のレコードもあるらしいけど、そそられるなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年03月18日 09時11分19秒
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