894503 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

コンドルの系譜 ~インカの魂の物語~

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

風とケーナ

風とケーナ

Free Space

温かい応援、いつも本当にありがとうございます♪
にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ
にほんブログ村(1日1回有効)

Comments

jun さん@ Re:コンドルの系譜 第十話(152) 遥かなる虹の民(10/23) New! 今日はヘルパーさんも訪問看護師さんも来…
紅子08@ Re:コンドルの系譜 第十話(152) 遥かなる虹の民(10/23) New! おはようございます! いつもありがとうご…
neko天使@ Re:コンドルの系譜 第十話(152) 遥かなる虹の民(10/23) New! こんばんは。 いつもお優しいコメントをあ…
kopanda06@ Re:コンドルの系譜 第十話(152) 遥かなる虹の民(10/23) New! こんばんは。 いつもありがとうございま…

Favorite Blog

母が近所のスーパー… New! 千菊丸2151さん

--< また橋です >--… New! いわどん0193さん

もっと鍛える‣…?(… New! セミ・コンフィさん

虎子の誇顧 3720 : … New! 涯 如水さん

今年は変!:売れち… New! エム坊さん

楽ちん New! maria...monicaさん

Category

Freepage List

これまでの主な登場人物


登場人物イメージイラスト


物 語 目 次


頂き物のイメージイラスト


これまでのストーリー


第一話 ビラコチャの神殿


第二話 邂逅(1)


第二話 邂逅(2)


第三話 反乱前夜(1)


第三話 反乱前夜(2)


第三話 反乱前夜(3)


第三話 反乱前夜(4)


第三話 反乱前夜(5)


第三話 反乱前夜(6)


第四話 皇帝光臨(1)


第四話 皇帝光臨(2)


第四話 皇帝光臨(3)


第四話 皇帝光臨(4)


第五話 サンガララの戦(1)


第五話 サンガララの戦(2)


第五話 サンガララの戦(3)


第五話 サンガララの戦(4)


第六話 牙城クスコ(1)


第六話 牙城クスコ(2)


第六話 牙城クスコ(3)


第六話 牙城クスコ(4)


第六話 牙城クスコ(5)


第六話 牙城クスコ(6)


第六話 牙城クスコ(7)


第六話 牙城クスコ(8)


第六話 牙城クスコ(9)


第六話 牙城クスコ(10)


第六話 牙城クスコ(11)


第六話 牙城クスコ(12)


第六話 牙城クスコ(13)


第七話 黄金の雷(1)


第七話 黄金の雷(2)


第七話 黄金の雷(3)


第七話 黄金の雷(4)


第七話 黄金の雷(5)


第七話 黄金の雷(6)


第七話 黄金の雷(7)


第七話 黄金の雷(8)


第七話 黄金の雷(9)


第七話 黄金の雷(10)


第七話 黄金の雷(11)


第七話 黄金の雷(12)


第七話 黄金の雷(13)


第七話 黄金の雷(14)


第八話 青年インカ(1)


第八話 青年インカ(2)


第八話 青年インカ(3)


第八話 青年インカ(4)


第八話 青年インカ(5)


第八話 青年インカ(6)


第八話 青年インカ(7)


第八話 青年インカ(8)


第八話 青年インカ(9)


第八話 青年インカ(10)


第八話 青年インカ(11)


第八話 青年インカ(12)


第八話 青年インカ(13)


第八話 青年インカ(14)


第八話 青年インカ(15)


第八話 青年インカ(16)


第八話 青年インカ(17)


第八話 青年インカ(18)


第八話 青年インカ(19)


第八話 青年インカ(20)


第八話 青年インカ(21)


第九話 碧海の彼方(1)


第九話 碧海の彼方(2)


第九話 碧海の彼方(3)


第九話 碧海の彼方(4)


第九話 碧海の彼方(5)


第九話 碧海の彼方(6)


第九話 碧海の彼方(7)


第九話 碧海の彼方(8)


第九話 碧海の彼方(9)


第九話 碧海の彼方(10)


第九話 碧海の彼方(11)


第九話 碧海の彼方(12)


Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

2006.10.24
XML

女性に扮したその姿で、顔を隠すようにうつむき加減になりながらランプの灯りの下を往くトゥパク・アマルの姿は、いかに夜闇に紛れようとしても、やはり、その優雅で美しい雰囲気や身のこなし、そして理屈を超えて漂うどうしようもない存在感が、いかようにも人目を惹きつけずにはおられなかった。

路往く人々は、スペイン人、インカ族を問わず、また老若男女を問わず、皆、そちらを振り向き、また、連れ立っている者たちは感嘆を漏らし合い、あるいは、何やら耳打ちし合いながら視線を投げてくる。

トゥパク・アマルは彼らの目を避けるように、いっそう、うつむき加減を強め、その歩みを速めた。

もちろん、常に周囲に鋭く警戒のアンテナを張りめぐらせながら。


インカ帝国の旧都であるこのクスコには、これまでの人生の中で、もう幾度にも渡って来訪しているトゥパク・アマルにとって、斥候によって報告された敵将フィゲロアの屋敷の場所を見つけることなど何の難儀もなかった。

もちろん、フィゲロアは本来は首府リマに拠点をもつため、このクスコの屋敷は今回の討伐隊に加わっている間の仮住まいであろうけれども。

かくして、ほどなく、トゥパク・アマルはその屋敷の前に姿を現した。


門前には、厳(いかめ)しい風貌の兵たちが、鋭い眼光を利かせながら警護に当たっており、さすがに戦時下らしいものものしい雰囲気である。

それら衛兵たちがインカ族の者たちであることに、彼は改めて皮相な感情を抱きつつ、静かな足取りで門前に向かう。

インカ族の衛兵たちが、女装のトゥパク・アマルを素早く取り囲んだ。

「おまえ、何者だ。

何用か?!」


厳しく訊問してくる兵たちに、トゥパク・アマルは無言で頭を下げた。

衛兵たちが不審そうに目配せする。

トゥパク・アマルはうつむき加減になったまま、ベールの隙間から美しい切れ長の目だけを覗かせ、その目元を細めて妖艶な微笑みを送る。

それから、優美な仕草でスッと己の指先を出すと、中心にいる一人の衛兵の手を取った。

思いもかけぬ夜間の「美女」の来訪に内心驚き、密かに心浮き立たせている衛兵たちは、その手を取られて警戒よりも、むしろ嬉しそうでさえある。


トゥパク・アマルは、僧衣の袖飾りの中にその手の全容を殆ど隠したまま、しかし、指先だけを微かに覗かせて衛兵の手を取っている。

そして、その衛兵の手の平に、滑らすようにしながら、もう一方の手の指先を慎重に乗せた。

実際、トゥパク・アマルの、そのしなやかな指先だけを見れば、十分に女性の手に見えた。

トゥパク・アマルは、じらすように一呼吸おくと、『わ・た・し・は』と、何やら文字を綴りはじめる。

もちろん、インカの公用語であるケチュア語には文字がないので、彼が綴る文字はスペイン語である。

 

◆◇◆はじめて、または、久々の読者様へ◆◇◆

現在のストーリーの流れ(概略)は、こちらをどうぞ。

ホームページ(本館)へは、下記のバナーよりどうぞ。

コンドルバナー 2(新)

ランキングに参加しています。お気に入り頂けたら、クリックして投票して頂けると励みになります。

ネットランキング バナー(月1回有効)     WN






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.10.24 19:07:22
コメント(4) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X