|
テーマ:映画館で観た映画(8351)
カテゴリ:洋画(た行)
原題: THIS IS ENGLAND 監督・脚本 : シェーン・メドウズ 出演 : トーマス・ターグーズ 、 スティーヴン・グレアム 、 ジョー・ハートリー 、 アンドリュー・シム 、 ヴィッキー・マクルーア 、 ジョセフ・ギルガン 鑑賞劇場 : シアターN渋谷 公式サイトはこちら。 <Story> サッチャー政権下の1983年、イギリス。 フォークランド紛争で父をなくしたいじめられっ子のショーン(トーマス・ターグーズ)は、ふとしたことからスキンヘッズの不良たちとつるむようになる。彼らと同じようなファッションに身を包み、仲間との生活を楽しんでいた。 しかしある日、彼らのリーダーだった男・コンボ(スティーヴン・グレアム)が刑務所から出所し、事態は一変する。 コンボは次第にネオナチ的思想に染まり始め…。 THIS IS ENGLAND - goo 映画 <感想> もともとイギリス好きなのでこれもかなり気になっていた1本。 久しぶりにシアターNで鑑賞。 もしかしてここでしか上映していないのかな? あまり話題になっていないのですが、ディープな感じがするので。 スクリーン上映前BGMがいきなり Dexy's Midnight Runners の"Come on Eileen"。 好きなんだよねこれ。 フォークランド紛争と言えば、ほぼ日本の正反対で起こっていて、しかも期間が3ヶ月間、日本は当事者ではなかったが故、詳細についてはそんなに記憶に残っていないのではないだろうか。 イギリス軍はこの戦闘で256名の死者を出している。 この紛争の時代を背景に少年の成長を描いている。 主人公のショーン。 彼はいじめられっ子、父親をフォークランド紛争で失って家庭的にも母親との間がどこかギクシャクしてて。 そんな時に出会った不良たちと行動を共にする。 ・・・って書くとありふれた不良モノかとも思えるんですが、この不良くんたちは誰かを困らせようとして法に触れることをしているのではなく、ただ単に自分たちの居場所が欲しかったり、自分たちの嗜好のままにつるんでいろいろしているだけ。
だけどそこに、彼らの元ボスだったコンボがやってきて事態が動く。コンボはイデオロギーに基づいて動く人物を募っていて、それに応じることは必然的に不良グループの崩壊を意味している。 人は自分の気持ちを一番わかってくれる人について行きたくなる。 ショーンは自分の存在を受け入れてくれた不良グループには居心地こそはよかったけど、でもコンボが語ったことが自分のトラウマに触れてしまって、その瞬間気持ちのベクトルが変わっちゃったんでしょうね。 自分から求めていったもの。 だけど結局そこに完全に自分が欲しがっていたものは存在しなくて、幻だったとわかった時のほろ苦さ。 ショーンはまた1つ少年から青年へと階段を登って行った訳です。 現実、自分たちと感覚が違いそうな人間を仲間にする、特に思春期ってそれは難しそうな気がします。 この映画のショーンと、不良仲間との年齢差はどう見ても5歳以上はあるんですよね。 中学入りたてと高校生って感じ。なので彼はみんなのマスコット的存在になっています。 マスコットだから入れてくれたのかもしれないけど。 だから恋愛の対象になっているのかなとも思うんですが、それでも彼が果敢にアタックしていくところは勇気あると思いますね。 自分は幼いって十分わかっていても精一杯した背伸び。 頑張ったんじゃないかな。 四半世紀前の話ではありますが、イギリスの若者たちの現実と本音を自然体でとらえているように思います。 日常的にも移民による職業進出、そして雇用の不安定という問題を抱えているだけに、移民や有色人種に対しての本音というものを浮き上がらせて、うまくリンクさせているところも、この映画に深みを与えていると感じました。
今日の評価 : ★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[洋画(た行)] カテゴリの最新記事
|