05年06月07日08時09分AM。
私は耐えていた。
車内で、本を熟読している。電車内で本がないと、そわそわして、落ち着きがなくなってしまう悪い癖がある。北朝鮮の満員バスでは、前の人の肩に本を置いて、皆読書に勤しんでます、なんて向こうのガイドさんが説明してくれた、なんていう本を読んだことがあるが、本当だろうか。私も、まあまあ、新刊の文庫本は買う方だとは思うが(月10冊ぐらいかなあ)、不思議なことに、今まで一度も自分が新刊を読んでいる時に、電車内の他人が自分と同じ本を読んでいる人を見たことがない。でも、もし見かけたら凄く恥ずかしい気持ちになっちゃうだろうな。昔自分が読んだ本でも、他人が読んでいるのを目撃しただけでも、結構、自分の裸を見られているようで恥ずかしいものだ。はあ。天使張りの溜め息。
05年06月07日08時09分PM。
私はそれほど耐えていた訳でない。
仕事が終わって憂鬱度が軽減されたからで、決して車内が空いていたからではない。おまけに、今日は、サッカーがあるとかで、私以外早々に会社を退散したので、私も、流行に乗り遅れまいと、急いで会社を退散したのであった。
車内で、本を熟読している。ふと顔を上げると、そうそう、何か最近下火ではあるけど、ところどころが切れたジーンズが流行っているようだ。あれをみるたびに私は思う。
「フッ、私が穴あきジーンズを履いていたのは、もう20年前だぜ、やっと流行が追いついてきたか。それにしても、売っている時から破れているのを見つけた時は、少しばかりひっくり返りそうになったけどな」などと気障に思ってしまう。
ジーンズは500回ぐらい履くと、どこか破れてくる。ジーンズの寿命は、自分が太った時か、おかんが「そんなボロボロのもの着て」といって捨てた時ぐらいなものだ。勿論、今はいくら私がマザコンといってもおかんの庇護の元から離れて10余年、後者の理由で寿命を終えることはなくなった。
そんなことを考えていると(実は、今、思い出して考えたんだけど)もう電車を降りる駅まで来てしまった。
はあ。失業中の天使張りの溜め息。