今日、夜中1時、部屋は暑いが外は風が強く吹いているようなので、近所を彷徨うことにした。適当に1時間歩いて、
クーロンまで。香港の九龍城砦といえば「あらゆる犯罪の巣窟」だとか「完全な無法地帯」だとか、日本でもいろいろな噂が流れていた場所だ。 もう今はただの公園であった。
「無法地帯」と呼ばれるところは世界中にたくさんあるが、たいていは「犯罪が多くて治安が悪く、法律がまるで有名無実と化しているような場所」という程度の意味。ところが九龍城砦は現実にどこの国の法律も適用されない一角だった。そんじょそこらの無法地帯とは格が違うのである。
なぜそんなことになったのか?香港はイギリスの植民地であったが、九龍城砦は香港の中にある中国領の飛び地だったのだ。中国領だから中国政府の役人がいるはずだが、イギリスは条約で中国側の役人派遣を拒むことができた。つまり九龍城砦はイギリス領ではないので英国の法律は適用されず、中国の役人も不在なので中国の法律も施行されなかったのである。
戦後、九龍城砦は建築法を無視したコンクリート・ジャングルに変わり、わずか3ヘクタールの敷地に3万人とも5万人ともいわれる住民が暮らす高層スラムと化した。こうして、法律が適用されず警官が入れないことをいいことに、城砦では麻薬や売春、賭博などあらゆる悪事が栄えた・・・・と日本でも香港でも信じられているが、そんなたいした場所ではなかったらしい。現実には医師法無視の無免許医や、食品衛生法無視の工場が栄えていたくらいであったようだ。実際普通の人も(会社員など)いっぱい住んでいた。ただその人達も自分の家のルート以外はよく分からなかったようである。
今はただの公園。
わ、4時になってもた・・・