ベトナムうどんを食った後である。
いろいろマジェステックホテルでプランを練るふりをする。
夜、早い時間には、正しい観光客らしく、サイゴン川に行く。バンコクのチャオプラヤー川に比べ流れはまどろっこしいが、同じようにあの青い水草が泥の川の上を滑っている。
鮫の形をした船がいいというので、それを船の上からみるために、違う船に乗り込む。しかし、鮫船は川下に進み始め、私の乗る船は川上に向けて出航したのであった。
勿論、こんな船に乗るのはおのぼりさんだけであるが、周りを見渡すと、ベトナム人ばかりであり、一組駐在員らしい日本人おじさん2人と西洋人取引先が乗っているに過ぎなかった。
サイゴンの夜景はまだまだ暗く、10分そこそこ走ると、もう夜景もなくなり、堪能しつくしてしまった。歌を歌うボリュームが腹にきて、不快な状態を我慢する。
1時間もたつと、ほとんどの乗船客が疲れきり、早く上陸しないものかとしている様子がうかがえるが、バンドや歌手達だけは、元気に歌い続ける。
勘定は船の上で行われたが、おしぼりがいくらだの、何かチャージがありと、大変鬱陶しい状態であったが、周りを見渡すと、ベトナム人家族の団体も、西洋人も、ボーイを呼び出し、説明を求めたり、消させたり、盛況な状態であった。
うろうろ我慢できずに歩いているのは子供と私だけであったが、私はベトナムビール555は、ミントとパクチーを餌にすでに5杯目に突入していたのであった。
やっと下船したあとは、フラフラとまた意味なく通りを巡り、一丁ここで、安いマッサージにひっかかってみるかという気分になり、順調に、チラシ配りのねねちゃんにひかっかり、暫く何箇所かチラシを比較検討し、一番安いコースで120分コースを目差すことにした。
フロントで、お金を払おうとすると、西洋人女性が、コースの内容と違う!と怒鳴って出てきて、減額させていたのだが、私は最低料金なので減額しようがないので、そのまま奥に入っていき、目が離れない所に貴重品を置き、パンツ1枚になるのであった。
しかし、何故か夜も遅く、最後の客だったためか、マッサージさんは、熱いオイリーな石を背中に滑らせるよく分からないがキモチイイコースを勝手に入れてくれたのであった。おそらく監視の店の人がもう終わりなのでいなくなったのを確認して、チップを大くするために、サービスしてくれたものであろうと、楽観的に解釈するのであった。そういえば、さっきの西洋人女性がストーンなんとかとかいってたっけ、と思い出しながら。
マッサージが修了し、マッサージガールに1ドルをチップとして払った。すると、マッサージガールは悲しい目をして、これでは少なすぎるよ、私たち店からはお金もらえず、チップだけが唯一の収入なのよ、とかいいつつ本当か嘘か分からないが、とにかく、3分程度の間、揉めた。結果的にチップは2ドル頂戴!ということを要求され、私は、うなり、よし分かった!といって3ドルのチップを弾んであげた太っ腹ぶりを発揮したのであった。
すっかりさっぱりしたかどうか分からないまま、マッサージとは何時間受けてもキモチイイが、何時間受けても一向に変わらないんだなあ。と思いながら、明日の揉み返しを気にしながらも、時は0時を過ぎてしまい、サイゴンの概ねの店は終了し、屋台でスルメを買い、ぶらぶらしていると、また例によって、バイクが何度も入れ替わり立ち代り寄ってきては、もう五月蝿く鬱陶しいのである。
男バイクは、例により、20ドルで女はどうだとしつこく付きまとい、女バイクはその人自身が売春婦であり、ホンダ120程度のバイクに着飾ったセクシールックが不釣合いで笑えるのである。運転男タンデムシート女バイクは、こいつはどうだのデリバリーバイクである。私が女をほれそいと買うような男に見えますか?
ベトナムタバコを1本記念に吸ってみようと、1本ばら売りの路上タバコ屋から1本買うと、すかさず、怪しい男は、ケッケケといいながら、私に近づいてきて、例によってコカインはどうだ、といった。私がいらないよというと、例によってすかさず、マリファナはどうだといってきた。今後の参考のために、10グラムいくらか聞いてみると、20ドルでどうだといってきたので、フーンといって歩き出すと、お決まりのパターンでディスカウントが始まるのであった。私がガンジャをほれそいと買うような男に見えますか?