放浪達人さんがかつてヤンキーで、今は不良だということは、昔から分かってはいたが、私はヤンキーでもないのに、中学校のとき、ギャラクシアンにはまった。
音楽も懐かしいといえよう。
ゲームが始まったら、1面目、動かさなくても、落ちてくる4つの宇宙船を打ち落とせるのをご存知だろうか。まあ、そんなことはどうでもよくて、私は、放浪さんのように、揚げ物が好きでもないのに、カツアゲとか、放浪さんのように返す気もないのに、金を強制的に借りたり、そういう邪悪な正攻法は、性格的にできなかったのであった。
代わりにできることといえば、ゲーム機のコインを入れるあたりを、思い切り蹴ることぐらいである。その特定のゲーム機は、蹴ると、機械がカツアゲされたのと勘違いして、プレイ1とか突然できるようになるのであり、たまには、プレイ58とかいって、58回もできるぐらいに立派に変身したりして、そうなったら、朝から晩までそのゲーム機を占領するという画期的な時間つぶしができた訳である。そのゲーム機は、コイン入れのところが、靴の跡がイッパイ残り、まるで運動場で雨の日にサッカーをした後のようなゲーム機と変貌していたのであった(ということを聞いたことがある)。
その他、代わりにできることといえば、5円玉に厚みに沿ってセロテープを7回半巻き、厚み分だけ残してカッターで切り取り、直径を100円に変身させるということぐらいである。強制的に金を借りるのは、犯罪ではあるが、こちらは、コイン偽造なので、罪的には中国で偽札を作る程度の庶民の知恵である。ゲーム機は結構、性格的にアバウトなところがあって、割と、中学生には甘く、好き好んで騙されてくれるのであった(ということを聞いたことがある)。
その他、代わりにできることといえば、ガス器具から取り出した点火装置で、カチッ、カチッといわせて、火花を出して、コイン入り口の鉄の部分に電圧を加え、機械を歪ませてびびらせて、プレイヤーが1になったりするのであった。放浪さんのように、中ーボーをびびかすより、厨房で使う文明の機器で、ゲーム機をびびかすんほうが、心が痛まないのであった。しかし、これは、ときどき、暴走して、機械が消えたり、発狂したりするのがまあ、難点といえば、難点であり、だいたい、古いガス器具を探すこと、そこから取り出すこと自体が困難といえば、困難であった(ということを聞いたことがある)。
その他、代わりにできることはといえば、賽銭を盗むぐらいであった。木の枝にガムをつけて、引っ張り出すだけという大変単純作業で、子供の知恵でも十分できる軽業であった。だいたい、ゲームセンターの近くに神社があったというのが、そもそもの間違いである。放浪さんのように、顔が見える相手から取るのではなく、私にお金を置いてくれた人からありがたく喜捨されるのであって、大変心苦しく、感謝感謝という事態でもあった。難点といえば、坊主が、最近見入り、売り上げが減ったことに気がついたのか、賽銭を入れる隙間を半分にしたので、棒が入らなくなったことぐらいだろうか。
その他、代わりにできることといえば、単純明快なのだが、親の財布から、お金を出世払いで借りるということぐらいであろうか。大変、真面目なので、当然、お札などは、拝借できるわけもなく、せいぜいコインだけだったところが、私の性格の良さを示しているといえよう(ということを聞いたことがある)。
その他、代わりにできることといえば、従兄弟の家にあった、竹でできた貯金箱で、一度入れると、竹を割ることしかできない、という手つくり貯金箱であるが、当然、お金を入れるところから、定規なので、竹を上向きにさせて、ほじくりだすという原始的方法もあった。しかし、時効だからいうのだけど、一度、そこからお札を取り出すことに成功、それも1万円だったことは、私だけの秘密にして、墓場まで持っていくつもりである(ということを聞いたことがある)。
そんな訳で、現在の生活においては、ゲームやパチンコや人生そのもの以外のギャンブルは興味が失せてしまい、おまけにお金に大変だらしないことが判明しているので、貯金0借金0という収支のバランスの良い生活をしている所存です。
おかげで、今はWIIとも、プレステとも縁のないアナログ的生活です。