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2006年03月10日
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カテゴリ:ベガルタ仙台
今期、我がベガルタ仙台は監督を筆頭にコーチングスタッフや外国人選手を軒並み入れ替え、去年までとはまったく違ったチームとしてシーズンに挑もうとしている。
シーズン前のキャンプにおいて、昨期と違う事が見ただけでよく分るのがシステム。4-3-2-1と言う今までの仙台では見たことの無いシステムだ。
所謂「ツリーシステム」と呼ばれるこのシステムは、どのような特徴があり、どのような戦術と組み合わされるのか、その辺を素人なりに考えてみた。

全体的な特徴
まずは、1トップである。
他の選手との連動なくして攻撃が成り立たない事は容易に想像できる。

2人のトレクァルティスタ(トップ下の選手)と3人のボランチ。5人の中盤の選手が居ると言う事は、中盤でのボール支配率を上げることに向いたシステムであろう。
ポゼッションフットボールを目指すと思われる。

ディフェンスは4バック。キャンプレポートを見る限り、SBが積極的に上がっている。
もともと4-3-2-1と言うシステムは守備的になりすぎる傾向があるシステムだが、SBの動きから慮ると攻撃的なチームを目指していると言うのは本当だろうと思われる。


攻撃のパターン
システムから考えられる攻撃パターンは3つ。

ポゼッションから前線の3人がショートパスとテクニックで中央から攻める「中央突破」。
これにはスピードとテクニックを持ち、戦術的に高度なレベルで連動したオフェンスの選手が必要。もちろんPA内での決定力を持ち強引に突破できる1トップも必須となる。
前線に張る3人の外国人。彼らの出来次第ではあるが、この攻撃がメインになるはずだ。

中盤でのボール奪取から、高速の「カウンター」。
1トップの選手の特徴によって2種類。
スピードに優れたFWの場合は、中盤の深い位置からのフリースペースへのパスに合わせ、裏に抜ける動き。この場合、2人のトレクァルティスタも同様にパスコースを増やすスペースメイキングの動きが必要となる。
ポストプレーに優れたFWの場合は、もちろんポストプレー。この場合、トレクァルティスタは1トップを追い越してゴールを狙うアタッカーとなる。

そして、SBのオーバーラップによる「サイドアタック」。
左右両サイドのSBのオーバーラップによるアーリークロスからの攻撃。また、カウンターの類型として、大きく前線に張り出したSBへのクロスと言うのも選択肢になる。
フィールド全体を大きく使ったサイドチェンジなども織り交ぜて、攻守のバランスをとる事が難しい攻撃ではあるが、個人的に一番好きなパターンではある。


守備のパターン
基本的な守備は、数的有利な中盤でのプレッシャーからボールを奪う事になるだろう。なぜなら、中盤を抜かれた場合、積極的に上がるSBと言う攻撃のパターンから、最悪2バックと言う状態になってしまうであろうことが予想されるからだ。(SBが上がらない場合は攻撃のパターンが限られ、1トップ周辺を固められると状況が打破できないと言う手詰まりの状態になる。)
よって、上策としては中盤でのボール奪取が選択される。
中盤の頭を越えるロングボールへの対応も必須となる。CBに長身で空中戦に強く、1対1に秀でた選手が必要になるのもこのためだ。

SBが上がった後のスペースをカバーするのは両サイドのボランチの役目だが、あくまでも変わりにディフェンスラインに入るのではなく、そこに抜かれないようにプレッシャーを掛ける事がメインの守備になると思う。

なんにしても、守備の要になるのはCBではなく実は3ボランチの真ん中、アンカーマンとなる選手だ。
平時は中盤のプレッシャーからのパスカットと前線への展開を担い、守備の最終局面では2人のCBとともにトライアングルを作って相手をつぶす。仙台が失点するかどうかはこのポジションの選手に掛かっているといっても過言ではない。


とにかく、このシステムは柔軟に監督の戦術を表現できる、汎用性の高いシステムである反面、高度な戦術理解力を選手に要求する
ここが今期のキモと言えるだろう。

たぶん。





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Last updated  2006年03月11日 00時41分34秒
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