忍者だもの: 忍法小説五番勝負 (新潮文庫) : 忍者ものはやっぱりいいね
・大好物の忍者ものアンソロジー、書いたのは池波正太郎, 柴田錬三郎,織田作之助, 平岩弓枝, 山田風太郎という豪華メンバー。といいつつ織田さん、平岩さんは初読みでした。それぞれに面白かった。しばらく読んでなかったけど忍者ものをまた読もうかなとちょっとだけ火がついた感じ。【中古】忍者だもの / 池波正太郎価格:229円(税込、送料無料) (2023/12/9時点)楽天で購入2023/12/9読了「鬼火」池波正太郎・本能寺の変をめぐって明智光秀のもとに仕えていた二人の忍者、一方は相手の片腕を切って密書を奪い秀吉から許されて人間となり成功、腕を切られて生き延びた忍者は鬼となって最後に復讐を果たすという何だか古典的ストーリーだけど、やはり味がある。喰ったのは獅子の肉か愛する若い女房の肉だったのか!?・もし歴史の陰に隠れたこの事件がなく、密書が毛利のもとに届いていたら歴史が変わっていたかもしれないと考えるとまたさらに面白い。「蜀山人」柴田錬三郎・傾奇者の「蜀山人」が実は鴉忍者の子で怪盗「自来也」だったという話だけど、盗みをせずに金持ちから奪い取るというルパン三世以上の怪盗、あり得ない話ではあるけど歴史読み物としてはかなり面白かった。さすが柴錬だと思った。「猿飛佐助」織田作之助・このアンソロジーの中で唯一つまらなかった作品。「くれぐれも笑いすぎに御注意を」と解説にあるけど、五七五調の台詞や駄洒落は全然面白くなかった。「赤絵獅子」平岩弓枝・一子相伝の赤絵の技術を受け継いだ小柳万作は実は捨て子で、実の父親は里で生活しながら有田焼の赤絵の技術を盗むためにスパイとして生きている忍者だった。・忍者ものというより人情もの、平岩さん初読みですけど良かった!「忍者服部半蔵」山田風太郎・山田風太郎ですからね。やはり山田風太郎の世界というのでしょうか、何となく嫌な印象も残るのだけど面白い。4代目服部半蔵のあまりにもの変わり身に驚いたというか清々しさを感じてしまった。