テーマ:社交ダンス(8651)
カテゴリ:ワンポイントレッスン
心地よい祝杯をあげた翌日、月曜日からもう次の試合に向けての戦いは始っています。2ヶ月ぶりにロンドンからキャロル先生がみえて、まずサンバのレッスンをお願いしました。
これまで何回かこのブログにも書かせていただきましたが、キャロル先生は元全英プロラテンのファイナリストで、今年のUK選手権ラテンチャンピオン、アンドレ&カタリーナのメインコーチだった方です。 私達がサンバを曲に合わせて踊ってみせると、腕組みしながら見ておられた先生がおっしゃいました。 「そこ、ダブルで。」 何がダブルか,ご説明しましょう。 サンバには特有のバウンスアクションというのがあります。1カウントに対して1回、ももを前に出す感覚で骨盤を動かす運動です。 競技でサンバを踊る場合、このボディリズムがはっきりと皆さんに見えないといけないので、「ももを前に出す」くらいじゃ足りなくて、腹筋・尻筋その他いろんな筋肉を総動員して誇張します。いわば、人間アンプと化す訳です。 あとで数えてみてびっくりしたんですけど、なんと1分間に100回もこのバウンスアクションをしてるんです。通常競技会では1分半で、走ったりスピンしたりでバウンスしない時もあるんで、簡単のために100回としても、皆さん、100回ですよ。 サンバ1曲踊るだけで、100回も腹筋してるんです。EMSなんかよりよっぽど腹筋鍛えられますよ。 お話戻って先生のおっしゃった「ダブル」ですが、この1カウントに1回の腹筋運動を2回やれということなんです。もちろん全部じゃないんですけど、そのうち「そこはトリプル」なんていわれちゃって、もう半分痙攣してるみたいでした。 「それじゃ,曲で踊ってみて。」 ルーチンを一通りブラッシュアップしていただいて、そのうち80%は私のパートなんですが、さっそく実践です。 サンバは移動距離の大きい踊りです。全力疾走しながら腹筋運動200回やれって言われてるようなもんです。 私は身体の奥から絞り出されたように汗をかき、息も絶え絶えでした。 「もう1曲。」 え~~。殺す気? でも曲がなると踊り始めちゃうんです。あ~、もうお腹動かない~。足重い~。早く終われ~。 踊り終わると、床にポタポタ汗がたれていきました。 「それじゃ,もう1曲。」 は? 今、なんかいいましたか? 私はハアハアゼエゼエしながら、先生を見ていいました。 「先生、もう、お腹動きません。(鬼~!!)」 「何ヶ月か前のあなた達は、今のようには踊れていなかったわ。随分進歩したと思いますよ。いつもどんな風に練習してるの?5種目2回ずつ踊って、『ああ、疲れた。今日もよく練習した。』なんていってるんじゃない?」 図星です。言い争ってて、もっと踊らない時もあるし...。 「苦しいと感じた時からが本当の練習よ。もうダメだと思ったところで,もう1回踊るの。そうやってだんだん苦しいと思うレベル(pain level)を上げていって初めて,競技会で5種目全力で踊っても爽やかな笑顔を観客に向けることが出来るの。」 先生のおっしゃる通りだと思いました。数年前C級戦で3種目踊るのにヒーヒーいっていた私達が、いつしかB級戦のスピードの中で4種目踊れるようになっていて、いま、A級戦の5種目でも踊りきれるまでになっています。 筋トレをする人が、次第に負荷を上げていくように、競技ダンサーも踊りきるだけのスタミナを身につけるために、こう言った練習が必要なのだとしたたる汗の中私は気付き、そしてもう1曲、腹筋200回のサンバに挑んだのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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