テーマ:社交ダンス(8651)
カテゴリ:映画のはなし
ロサンゼルスの空には、色鮮やかなドレスが映えますね。
渋滞の高速道路でドライバーたちが次々と車を降りて踊り出すオープニング。 第89回アカデミー賞で史上最多のノミネートを受けて監督賞、主演女優賞など6部門を受賞したミュージカル映画です。 日本でも話題になりましたのでご覧になった方も多いのではないかと思います。 冬のロサンゼルスで二人は出会います。 ミアはハリウッドのカフェでバイトをしながら女優を目指してオーディションを受けまくっていますが、鳴かず飛ばずの毎日。 店を訪れる大女優の余裕の態度に憧れています。 セブは古き良き時代のジャズが大好きなピアノ弾きで自分の店を持つのが夢です。 雇われピアニストとして働きながら、客の誰もがBGMに無関心なのをいいことに自分の好きな曲『ミアとセバスチャンのテーマ』を弾いてクビになります。 偶然通りかかってその曲に魅せられたミアでしたが、クビになってイラついていた彼は彼女を無視して外へ。 春に二人の恋が始まります。 パーティで偶然再会した二人はお互いに興味を持つんですね。 ミュージカル映画ですから歌と踊りは当然なんですが、いかにも踊りますよって感じで靴を履き替えるところがちょっと笑えました。 セブが夕暮れの海をバックに歌う『City of Stars』が素敵でした。 夏にはその『City of Stars』を二人で暮らすアパートでデュエットします。 この辺の曲の使い方が上手いですね。 オーディションに落ち続けるミアはセブのアドバイスで一人芝居をする決心をし、セブは昔の知り合いのバンドに誘われてちょっと方向性は違うけどライブ活動に参加しヒットを飛ばします。 お互いの夢に対して一歩踏み出した二人。 次第に共通の時間を持てなくなっていきます。 秋は別れの季節。 ついに大きなチャンスを掴んだミア、そしてツアーに明け暮れるセブ。 二人は愛し合っていながらそれぞれの夢の実現のために全力を投じるんですね。 いきなり5年後に飛びます。 カサブランカみたいだなあと思いながら、ググっと心掴まれましたね。 大女優となったミアが偶然セブの店を訪れるんです。 そして出会いのきっかけとなった曲『ミアとセバスチャンのテーマ』をセブが弾き始めます。 もしも二人が別れなかったらこの5年がどんな風になっていたかが走馬灯のように映し出されるんですよ。歌と踊りで。 そういう思い出ってみんな大なり小なりありますよね。 もしもあの時っていう人生の分岐点みたいなの。 本当にもうなんとも思ってなかったら、『やあやあ久しぶり』って挨拶して近況なんか聞いたりして別れると思います。 再会して何も言わずに別れるのは、まだ心の中に小さな愛の炎が残っていてそれを大切な思い出とするためかもしれません。 映画が大ヒットしたのはベンジ・パセック&ジャスティン・ポールのコンビによる音楽が素晴らしいとか衣装が綺麗とかいろんな理由があるでしょう。 でもいちばんの理由は、心の奥底の聖なる思い出の小箱をこの映画がほり起こすからじゃないでしょうか。 『ラ・ラ・ランド』(La La Land)は、2016年に公開されたアメリカ映画。脚本・監督は『セッション』のデミアン・チャゼル、主演はライアン・ゴズリングとエマ・ストーンです。 ライアン・ゴズリングはどっかで見たなあと考えていたんですが、ブレード・ランナーでしたね。ピアノも歌も上手なのでそっち系かと思ってSFアクション映画と結びつきませんでした。 『La La Land』は、ロサンゼルスの『LA』と引っ掛けた80年代くらいに流行った言葉だそうで、『現実離れしたおとぎ話』みたいな意味で使うようです。 ハリウッドはおとぎの国みたいなイメージありますよね。 二人がプラネタリウムで星空を泳ぐように踊るワルツが素敵です。 見てよかったなあと思える映画でした。 公式サイトはこちらです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018/08/23 12:00:37 PM
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