テーマ:社交ダンス(8677)
カテゴリ:映画のはなし
今から15年ほど前、ギリシャの財政赤字がニュースになっていました。
ギリシャ危機、そんなのあったっけなあという感じですね。 当時のギリシャは、労働者の4人に一人が公務員で、年金も優遇されていたことなどが影響して財政破綻を起こしかけていました。 IMFやEUが金融支援をする条件として、ギリシャに増税や年金・公務員改革などを求めたことで不況に陥ったんです。 今日ご紹介する映画の背景には、多分このギリシャ危機があったんじゃないかと思いました。 主人公は、アテネで高級紳士服店を父と共に営んできたニコスです。 開業以来36年、お得意様も次第に高齢化して去り、不況下で一日店番をしていても客は全く来ません。 銀行から店の差し押さえ通知が届き、父はショックを受けて倒れてしまいました。 なんとか収入を得たいニコスは、内気な性格ながら一念発起。 移動式の屋台でスーツを売ることを思いつきます。 しかし値段の高いオーダーメイドのスーツは、道端でも全く売れませんでした。 困り果てたニコスは、ある女性から声をかけられます。 『ウェディングドレスは作れる?』 紳士服が仕立てられる人ならドレスだって作れると思ったんでしょうね。 でも女性服のことは全くわからないニコス、隣に住む母娘オルガとヴィクトリアに協力を仰ぐんです。 普段着も作るようになり、婦人服の出張販売、そして一点もののオーダーメイドのウェディングドレスは評判になります。 ニコスとオルガは、それぞれが生きがいを感じてお互いを尊重していました。 このままハッピーエンドかと思ったんですが、そうは行きませんでしたね。 『テーラー 人生の仕立て屋』(原題:Tailor)は、2020年のギリシャ・ドイツ・ベルギー合作映画です。 監督はソニア・リザ・ケンターマン。 刺激はないんですが、ギリシャの日常が見られて面白かったです。 コロナで売り上げが減った飲食店の方々がキッチンカーで移動販売を始めたように、たくましく環境に適応して、人は生き抜いていくんだなと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/03/15 08:33:07 PM
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