テーマ:社交ダンス(8323)
カテゴリ:映画のはなし
元殺人犯と言うと、ちょっと近づき難いような危険なイメージを持ってしまいます。
人生のほとんどを刑務所で過ごして中年を迎え、出所して環境に馴染んでいくのがどれだけ大変なことか。 佐木隆三の長編小説『身分帳』を原作とした日本映画で、実在の人物をモデルにした作品だそうです。 旭川刑務所で刑期を終え出所した三上正夫(役所広司)は、身元引受人となる東京の弁護士夫妻に会いに行きます。 獄中では食べたことのない美味しい家庭料理を振る舞われ、これまで何度も繰り返してきた入出獄を今度こそ繰り返すまいと心に誓います。 しかし三上は短気な男でした。 ちょっとした理不尽にカッとなり、声を荒げ、手を出してしまいます。 仕事にもなかなかありつけず、車の免許も失効していて再試験も難航します。 そんな三上にテレビ出演の話が舞い込みました。 元殺人犯が社会復帰し、生き別れた母親と再会するドキュメンタリー番組です。 三上は母親を探してもらえるならと取材を受けることにしました。 取材を担当する津乃田は、身分帳と書かれた三上のノートを受け取ります。 彼の生い立ちや犯罪歴、受刑歴などが事細かに記されていて、それは津乃田の想像を超える壮絶な人生でした。 カタギになるのは本当に辛いことでした。 周囲からは特別な目を向けられ、教習所に通い続ける金もなく、生活保護を受けながらの職探し。 安アパートに一緒に暮らす住人とのトラブル。 ついに彼はそこから逃げ出し、古巣の兄弟分を頼ってしまいます。 しかしそこにも警察の手が伸びて…。 『すばらしき世界』は、2020年の日本映画です。 監督は西川美和、第56回シカゴ国際映画祭の観客賞を受賞しています。 主演の役所広司は、同映画祭のインターナショナルコンペティション部門でベストパフォーマンス賞を受賞しました。 素晴らしい物語で、お勧めできるとてもいい映画なんですが、見終わった後どっと疲れます。 主人公が背負っている人生の重さがのしかかってくるようでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/04/08 06:19:03 PM
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