カテゴリ:アート
ホテルオークラのアートコレクション展から、目前の大倉集古
館へ移動しました。展覧会のテーマから、さぞかし豪華絢爛、 黄金の世界にどっぷりと浸れるのかなと思い、わくわくしてい たのですが、意外に地味な印象しか残りませんでした。ホテル オークラで鮮やかな色彩に目が慣れてしまい、時代とともに退 色してしまった金色に物足りなく感じたのが、大きな理由です。 仏や神の世界を具現化しようとしたところから、金色を使った 表現が始まりました。ここにある国宝の普賢菩薩像、今はかす かに錐金の文様が残っています。退色したり、落剥した仏像を 見て、もう一度、できた当時そのままの姿=仏の世界の荘厳さ を追体験したいとも思いますし、時の流れを経た今のままでも 十分に美しく、かえってオリジナルのほうが違和感を覚えるの ではないかという相反した気持ちになります。 2階には、前期の目玉、国宝「古今和歌集」も展示されていま す。1階の「平家納経」(田中親美の複製)に比べて、赤や青な どの色とりどりの料紙に書かれたかな文字がやさしい雰囲気を かもし出しています(かといって、ほとんど読めないのですが)。 金箔押しの金屏風。当時は、ろうそくの明かりで照らされると さぞかし妖しく輝いたことでしょう。そんな異空間を体験した いと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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