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つまずく石も縁の端くれ

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2007年02月26日
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カテゴリ:読書
浮世絵鑑賞事典.jpg

手軽な文庫本の浮世絵ガイドブック。先日、近くの古書店で105
円で購入したが、現在は絶版らしい。浮世絵鑑賞に出かける時、
持ち運ぶのにちょうどよい。

あとがきを読んで驚いたことなのだが、この本のハードカバー
版が浮世絵研究者としての高橋克彦の30歳のデビュー作だっ
たのだ。写楽殺人事件で小説家としてデビューする6年前の作
品。4千部印刷して10年間で売れたのは2千部とのこと。その
作品が文庫版になるにあたっての、高橋の喜びようが手にとる
ように感じられる。

解説は、杉浦日向子。彼女はハードカバー版を所有していたと
いう因縁。彼女が江戸にどっぷりとはまったのは、江戸人の「人
間一生糞袋」というタンカに傾倒したためだそうだ。富も出世
も望まず、難しいことも考えず、ただ生きる。食べて糞して寝
て起きて、死ぬまで生きる。そんな生き方ができれば、現代に
生きる我々ももっと楽になれる。彼女は、こんな風に生きたの
であろうか。

さて、この本を読んでまたいろいろなことを学んだ。司馬江漢
や、山東京伝が浮世絵師だったことなどはじめて知った。高橋
は清長の「藤下を急ぐ女」や、豊国の「市川高麗蔵の佐々木巌流」
などを諸手をあげ、問答無用で絶賛している。これは、ぜひと
も実物を見たいものだと思った。





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最終更新日  2007年02月26日 17時14分31秒
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