カテゴリ:旅
昨年、秋に完成した宝物館「円融蔵」で、復元模写された往生
極楽院の舟底型の極彩色の天井画を見ることができるというこ とで、国宝阿弥陀三尊像を拝みに出かけた。 京都駅前に降りると、あちこちの寺院に行くためのバスを待つ 長蛇の列でごった返している。こんなにすごい京都駅前をはじ めて見た。さすが3連休の中日。観光案内所には本日の宿は満 室ですという張り紙が出ていた。 京都バスでちょうど1時間。鴨川沿いを北上するようになって、 バスはやっと、スムーズに走るようになった。 大原を訪ねたのは何十年ぶりだろうか。以前の記憶はまったく 残っていない。 三千院の御殿門をくぐり、客殿を抜け、往生極楽院に昇ると目 前に、阿弥陀三尊像が出迎えてくれる。いや、出迎えられては 困るのだ。 平等院の阿弥陀如来よりも優しげな表情。脇侍の観音菩薩、勢 至菩薩が、すぐに立ち上がれるようにやや前かがみの正座をし ている。正座のことを大和坐りというのだろう。観音菩薩が持 っているのが蓮台で、ここに死者を乗せて極楽浄土へ連れて行 くのだ。阿弥陀来迎図の絵画に描かれた光景を立体化したよう な、かなりリアリティ溢れた造形だ。 観音堂まで上り、再び往生極楽院の前を通ると、もう団体客で いっぱいで、下の広場まで人がごった返していた。間一髪であ った。 昨年の10月に完成した円融蔵。往生極楽院はこのように荘厳 されていたのかと、思わず感嘆した。頭上からは、天女の撒く 無数の散華が舞い落ちてくるようだ。これなら極楽浄土に行っ てみたいと思うだろう。 ここにあった鎌倉時代の不動明王像。本尊を被うような火炎光 背が見事な出来栄え。昨日の仏画を思い出した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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