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つまずく石も縁の端くれ

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2009年07月18日
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カテゴリ:読書

1Q84 book 1(4月ー6月)


1Q84 book 2(7月ー9月)

ミステリーファンとしては、常にどこかに伏線があり、
大どんでん返しがあるのではないかと、一字一句、細密に
読んでしまったのだが、やはり騙された。この物語には、
そもそも大どんでん返しなど無かったのだ。だからカタル
シスを感じる間もなく物語は終わる。

ファンタジーかと思いきや、カルトやDVや不毛なセックス
など、現代社会の病根もリアルに描かれ、かなりショックを
受ける場面も多々あった。

無論、青豆と天吾の恋愛小説ととらえれば、二人の結ばれ
ることのない純愛には泣けるし、ラストの天吾の切ない
思いに「希望」を感じることができる。

そもそも二つの月のある1Q84年とは何なのか?
リトルピープルとは何者か?
小松やあゆみや年上のガールフレンド、牛河などの脇役の
役割は何だったのか?
天吾の両親はいったい誰なのか?
ヒロイン青豆の顔はどうして崩れてしまうのか?

等々、疑問点が残り、未消化な部分は多いのだが、それでも、
物語全体を覆う、村上春樹独特の「膜」のようなものに、
快感を覚えながら、読み進めることができた。

長いことこの快感に浸っていたかったので、1日に青豆と
天吾の話をひとつずつとのんびり読んだのだが、ついに
読了してしまい、喪失感を感じている。





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最終更新日  2009年07月19日 00時16分48秒
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