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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2010年07月04日
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カテゴリ:映画
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原作が本屋大賞を取ったりしていて、かなり話題になっていたのは知っていたのだが、実はまだ未読で、あらあらどんな話なのかぐらいの知識しかなかった。

この映画の予告編を見たときには、学校が爆発するシーンがあり、キッチュなB級映画という先入観があったのだが、松たか子とか木村佳乃とか、オジサン好みの美人女優が出ているということもあり、また映画の方もさほど長くなく、飲み会までの時間つぶしにちょうどいいとお気楽な感じで劇場に入ったのであった。

監督も「嫌われ松子の一生」のケバケバしいコメディタッチの作品を撮った中島哲也で、そんな雰囲気の作品かなと思っていたのだが、のっけからお気楽モードは吹っ飛び、悪夢の世界に引きずり込まれてしまった。

とにかく、嫌われ松子・・・のようにケバケバしい映像とは真逆のえぐるような冷たい色調の画面に、スローのシーンが何回もアップされる。たとえば、牛乳パックが投げつけられるシーン。背中にぶつけられた牛乳パックから白いミルクが飛び散る。感情が逆なでさせられる。意図的にこういう嫌なショットが繰り返される。

物語は、子どもを殺された女教師の復讐譚である。いじめ、学級崩壊、規範意識のない子どもたち、ひきこもり、家庭内暴力など社会の病理現象もこれでもかというほど、きっちりと描きこまれている。ストーリーは極端ではあるのだが、それぞれの事象は、さもありなんと納得させられることばかり。

特にウェルテルと自分を呼ばせる脳天気な若い教師。観客はそのKYな行動に笑うと思うが、現実にこういう教師を間近に見ていたこともあり、笑うことができなかった。

松たか子のお嬢さんのイメージがなかなか抜けきらず、ゆがんだ表情など美しくない顔のアップがあったりして、そのギャップに悩んでしまった。ただ、ヒールには惜しいけれどももう一息という感想である。一方、家庭内暴力に苦しむ木村佳乃の母親役は上手かった。まぁ、松たか子に比べれば、簡単な役どころではあるから、比べてしまうのは酷かもしれない。

見終わった後も、チョークで黒板をひっかくあの耳障りな音が頭の中で残っているようだった。すごい映画だった。本屋に立ち寄り、湊かなえの文庫本を買って帰った。





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最終更新日  2010年07月04日 16時37分44秒
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