N郎♪音汰。(楽天ブログ)

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音楽についてうんちく

2006/08/26
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以前書いたように、8月のはじめに、とある本にはまってしまい、しばらく活字中毒状態だったのだが、あまりに活字に熱中してしまって、音楽を聴くことを忘れていた。

ネットで予約して図書館から借りてきたインストゥルメンタルの世界的傑作アルバムを携帯MP3再生機に入れ、久しぶりに歩きながら音楽を聴いた(久しぶりといっても実際は2週間ぶりぐらいなのだが)。しかしそのインストのアルバムを2曲と聴かないうちにムショウに日本語の歌詞が聴きたくなり、曲をスキップさせて日本語の歌を探した。

インストの曲が悪かったわけでは決してない。活字中毒の影響が少なからずあってか、脳は時間を費やす対価として「言葉」を求めていたのだ。

音楽の本質は歌詞とは別のところにあると思う。だが、それに加えて、歌詞の力というものももちろんある。人のメンタルは時々の状況により変化し、必ずしもいつも同じものを求めているとは限らない。ボサノバの名盤をムショウに聴きたくなるときもあれば、ハードロックを聴きたいときもあり、言葉に飢える時だってあるのだ。

ヘッドフォンを介した携帯MP3再生機からは、以前ブログで紹介したことのある古賀千春の「鐘の音」が流れていた。歩きながら、あらためてその歌・歌詞に惹きつけられている自分に気付く。もう何十回も聴いた歌詞となってしまったのだが、その歌詞から新たに連鎖して想起されたことが、ある確信を気付かせてくれ、このごろ抱いていた一つの疑問が解けて視界が開けたような気がした。

その疑問と確信が一体なんであったかは、いつかまた書くとして、あらためて「歌」というものの力に感嘆すると共に、「意志の力」というべきか、詞の中で歌われているアーティストとしてのそのひたむきさに深い共感を覚えた。

以前紹介したように、歌詞の内容はブルーな状況に直面しながら、自分自身を叱咤し、今こそが出発点という決意を言葉にしたものであり、オーソドックスなテーマであると思うのだが、そんなオーソドックスなテーマの名曲を挙げろと言われれば、どれだけの曲名を挙げることができるだろうか。

「意志の力」を問われるシーンは日常生活の中で、実は数多くあるような気がする。もしかしたら日常生活のほとんどの場で、「意志の力」は問われているのかもしれない。

”今、今、ここでがんばらずに、一体いつがんばるというの?”

古賀千春が歌のサビで問いかけている言葉を素直に受け入れ、その言葉を口ずさみながら「意志の力」で日常を打開することがあったっていいと思った。


それにしてもこのアーティストのボーカルの表現力にはあらためて感嘆させられる。ボーカルの命として、表現力というものが歴然として存在していることをあらためて知らしめてくれる。

・・・

「古賀千春」は現在、人生の大仕事のために活動を休止中なのだが、いつになってもいいので、また「古賀千春」としてそのボーカルを世に提示して欲しいと思う。絶対に世に出るボーカルだと思う・・・から。

●自ブログリンク:古賀千春 高円寺ALONE


●リンク:「古賀千春」ホームページ







Last updated  2006/08/29 01:15:55 AM
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2006/07/04


収録アルバム
Somewhere Deep In The Night/
SWING OUT SISTER


2001/05/23

UICE-1010


火曜日の明け方、仕事を終え、午前4時のベランダに座り、朝の風を受けながら聴こえてくる音楽に思わず足が動いた。無意識の中で期待していた音楽と思いがけずも出合えたその衝撃と興奮。
目に映る光景も・・・、たどれる記憶も・・・、最後の言葉さえも・・・・・

図書館にCDを返してきたが、返すついでに別のCDを借りてくる。何を借りようか、CDが並ぶラックで考え込んだ。昔だったら名前だけ知っている欧米のロックまたはポップアーティストのアルバムを借りるんだろうけど、今となっては正直ハズレを当ててまで聴く気にはなれない。セルジオ・メンデスとブラジル’66、スウィング・アウト・シスター・・・既知のアーティストに手がいく。それにグラミー賞オムニバスを1枚加えた。

スウィング・アウト・シスターのこのアルバムは意識したわけではなく、たまたまそこにあったから借りてきた。

1曲目から聴いて、これってアートだよなって思い、予想を越えてサウンドが前衛的に進化してることに感嘆。音楽的にはいい、そう感じながら5曲目突入・・・・。

「What Kind Of Fool Are You?」

パーカッションを加えたリズムセクションはマーヴィン・ゲイ「What's Goin'On」へのオマージュか。レビューには”マーヴィン・ゲイとカーペンターズのユニークな出会い”(ジェリー・クリマー)とも記載されている。

♪ How many times did I hear my friends tell me that I should have known better
♪ How many times did I listen to a word they said
♪ How could I know that there really wasn't someone else
♪ That you were loving instead ?

万物が共有する宇宙の時間と生命の神秘とをまるで挑発するかのように、ギターはサウンドの前衛さを増幅させ、ボーカルに絡んでゆく。シンセなのかギターなのか・・・どちらでもよい。

曲のコンセプトやアレンジは「LA LA (MEANS I LOVE YOU)」の延長上にあると思う。ドラマティックなメロディーラインと曲展開が、いくつものシーンの連続を想起させ、いい知れぬ感動がイマジネーションの深層から引きあげられてくるような気がする。
「LA LA」では流れ行く時間を感じさせてくれたように、この曲も、論理に支配される日常とは異なった感情の解放を促し、失われている何かを呼び覚ましてくれるような曲だ。

あえて悪く言ってしまうならアイデアの枯渇と発想の焼き直しともいえなくはない曲でもある。その一方で強烈なファーストインパクトは事実であって、感性を解放してくれる名曲であることも間違いない。


7月の早朝、街は慌しく動き始める。地下鉄のホームから階段を上がっていくとき、左足に重心がかかる。いつのことだか遠い記憶の中に置いてきた光景。オープニングのギターの音色とともに・・・・。


「What Kind Of Fool Are You?」

この曲、2006年7月の「N郎♪音汰。」テーマソングにしよう。覚えておいてね。


●スウィング・アウト・シスターサイト、視聴出来ます
(Bookmarks にも追加しておきました)


SOS 関連記事
●♪ 「 あなたにいてほしい Now You're Not Here 」
●♪ 「 LA LA ( MEANS I LOVE YOU ) 」









Last updated  2008/02/15 02:29:46 AM
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2006/07/01

”アントニオ・カルロス・ジョビン”
この名前を知っている人は日本ではどのぐらいの割合なんだろう?



20世紀最高の作曲家と評され、「イパネマの娘」の作曲をし、「ボサノヴァを創った男」と言われている超グレイトな人なんだけれど、果たしてどれだけの日本人がこの名前を知っていることか・・・。

ビートルズやベートーベンは誰でも知っていると思う。そのぐらい知名度があってもおかしくない人だって思う。知らなかったという人はこの名前、これを機会に覚えておいて損はない。かく言う俺も、この名前を意識したのはそんな昔のことではない(笑)。


N郎♪プロフィールでも”好きな音楽”にこの人の名前を挙げている。
ジョビンは好きだ。どう好きかというと、ジョビンの作曲した曲がとてもしっくりきて、いいって思えるからだ。純粋に彼の作り出した曲が好きだってことで、そんなふうに彼の曲を好きだっていう人が世界中にたくさんいたからこそ世界的にグレイトな作曲家になりえたんだろう。

彼の作り出したメロディやリズム、コード進行が、人種や国境を越えて、音楽を感じる人間のなかにある普遍的な感性に訴えかけるからこそ、そんな音楽としての本質の部分で優れているからこそだと思う。

このアルバムはインストゥルメンタルなんだけれど、まさに癒しというかリラクゼーションというか、夜にBGMとして聴くにしっくりくるようなサウンドだ。

ボサノバっていうと”夏の午後”のイメージって言う人が結構多い。けれど、季節は問わず、リラックスしたい時やトンガっているものを丸くしたい時なんか、最高にピッタリくる音楽だと思う。以前、セルジオ・メンデスとブラジル’66の話のところでも書いたけれど、ボサノバってとっても不思議な音楽で、人類の発明したスゴイ宝モノだと思う。今、このアルバムを聴きながらこの文章を書いているけれど、とてもいい気持ちだ。


簡単にアルバムの背景を紹介。

録音は1963年5月9日と10日にされている。その年の3月にはアストラッド・ジルベルトとジョアン・ジルベルトが歌う「イパネマの娘」が収録されたボサノバの超名盤「ゲッツ/ジルベルト」が誕生している。

プロデュースは「ゲッツ/ジルベルト」と同じクリード・テイラー。編曲はクラウス・オーガマン。ジョビンの作曲した曲に、彼自身のピアノとギターをかぶせて録音されている。

解説書によると、このアルバムは軽音楽史的に重要な意義を持っているとのことで、それまでブラジルには存在しなかった「オーケストレイションによる新しいボサ・ノヴァ表現法」を開発したことがその意義の一つだそうだ。当時としては、このアルバム、音楽的にも画期的なアルバムであったということのようだ。

それにしても1963年に録音したアルバムとは到底思えない。40年以上経っている今でも少しも古く感じない。古く感じないどころか、今、巷で流れている音楽よりもよっぽどオシャレでセンスにあふれ、先を行っているようにも感じてしまう。これは驚異としかいいようがない。

収録されている曲は、なじみのある名曲ばかり。多くの曲でボーカルが入っている版を聴いたことがある。

1. イパネマの娘/Garota De Ipanema
2. 平和な愛/Amor Em Paz
3. おいしい水/Agua de Beber
4. 夢見る人/Vivo Sonhando
5. ファヴェラ/Favela
6. お馬鹿さん/Insentanz
7. コルコヴァード/O Morro Nao Tem Vez
8. ワン・ノート・サンバ/Um Samba De Uma Nota So
9. メディテーション/Meditacao
10. ジャズ・サンバ/So Danco Samba
11. ノー・モア・ブルース/Chega De Saudade
12. デサフィナード/Desafinado

(英語曲目リスト)

1. The Girl From Ipanema
2. Once I Loved
3. Agua De Beber
4. Vivo Sohando (dreamer)
5. O Morro Nao Tem Vez
6. How Insensitive
7. Corcovado
8. Samba De Uma Nota So (one Note Samba)
9. Meditacao
10. So Danco Samba
11. Chega De Saudade
12. Desafinado


昼間の喧騒の中ではなく、夜にしっとりと流す。そんな状況で是非聴いて欲しいアルバムだ。リッチな気持ちになれる・・・よ。


アルバムの一部を試聴出来るサイト/JAZZ the BEST

アントニオ・カルロス・ジョビンについてより詳しく知りたい人は
アントニオ・カルロス・ジョビン - Wikipedia







Last updated  2006/07/02 02:27:52 AM
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2006/06/23

さて、最終回。

ハリケンジャーまでのすべての主題歌が収録されているこのCDを借りてきた最大の目的は、戦隊主題歌を全部聴いて、N郎♪ズベストランキングを作ることだった。ハリケンジャー以降についてはオーレンジャーからデカレンジャーまでの主題歌が収録されているCDを以前借りてきて聴いてるので知っていた。

だけど今回このCDを聴いているうちに、30年以上も続いている番組の主題歌を一つの尺度でランク付けすることに無理があることに気が付いた。曲を評価する尺度はいろいろあって、一つの尺度では評価しきれないのだ。

というわけで、ベストランキングを作成するのはやめにして、部門ごとにベストソングを決定する方式に変更!!

さあ~、アスカさん、いきますよ~(アバレンジャーの凌駕風)


■ベスト・コーラス賞

「救急戦隊ゴーゴーファイブ」 EVE
救急戦隊ゴーゴーファイブ(1999.2~2000.2)

この曲のコーラス、すばらしい~。何度聴いてもイイ~。
EVEは前年のギンガマンの主題歌でもコーラスで参加しているけれど、その時のギンガマンの作曲者佐藤俊彦さんのコメントから引用。

コーラスはタモリさんが以前やっていた『今夜は最高!』でいっしょに仕事をした、3人組みの女性ヴォーカル・EVEにお願いしました。希砂未さんに負けることなくソウルフルに歌えるのは、EVEしかいない!と。共にすばらしいヴォーカルでした!天才的に上手で、声もいい、ニュアンスも最高!こちらからお願いしたことをふくらませして、プラスαを出してくれる方々です。


そしてゴーゴーファイブの作曲者、渡辺宙明氏のご子息でもある、渡辺俊幸さんのコメントから。

コーラスは前作同様EVEにお願いすることになりまして、これはそうとう面白くできると思いましてね。編曲段階でブラスのパートをコーラスに変えたりして。
”ゴーファイブ”や”WAOO!”なんんて歌ってもらいました。


ふ~ん、ブラスパートをコーラスにしちゃったんだ~。それが成功したんだね。ホンと、このコーラスはいいよ。



■ベスト・ボーカル賞

「The Galactic Warriors Gingaman 」 希砂未竜
星獣戦隊ギンガマン(1998.2~1999.2)

いろいろ考えたけれど、これだろうね。英語版になってボーカルが炸裂したって感じ。上手いし、抜けてるし、ベストだろう。

サビの部分

♪Come on, kickin'n Gingaman
♪Ride on, ridin' Gingaman

のところで、2番、3番と重ねていくうちに ♪Ride on, ridin がもうハジけっちゃってハジけっちゃって、期待にこたえるボーカル、すばらしい!



■ベスト・ヒーローソング賞

「バトルフィーバーJ」
バトルフィーバーJ(1979.2~1980.1)

ヒーローソングに必要な要素をすべて備えたこれぞまさしくヒーローソングの決定版!
オープニングのフレーズは印象的でチョーカッコいい!!CMなんかで使えば今でもウケるんじゃないかな~?

歌の中では、バトルフランスからバトルジャパンまでのメンバー紹介がされていて、子供のころ見た人は今だに記憶に残っていると思う。

♪バトルフランス! (ウィ)
♪バトルコサック! (ダー)
♪バトルケニア! (ディオ)
♪ミスアメリッカ~  (イェイ)
♪バ~トル~ジャパ~ン~ (ゥア~~~~)
←満を持して絶叫


この戦隊お家芸作詞手法は、最近のデカレンジャーやマジレンジャーの主題歌でも活かされている。やっぱりレンジャーの主題歌はこれがなくっちゃ。

ベスト・ヒーローソング次点はこの曲
「大戦隊ゴーグルV」
大戦隊ゴーグルV(1982.2~1983.1)

これもノリノリで、

♪ゴーグルレッド!(パンパン) ゴーグルブラック!(パンパン) ブルー~イエロー~ピンク!  (パンパン)

みんなで大合唱したら超盛り上がるだろうね~。




そして、いよいよ最後は!

■ベスト・N郎♪賞

「ガオレンジャー吼えろ!!」
百獣戦隊ガオレンジャー(2001.2~2002.2)

「JIKU ~未来戦隊タイムレンジャー~」
未来戦隊タイムレンジャー(2000.2~2001.2)


この2曲、数ある戦隊主題歌の中でも、ハードロックもしくはメタルと呼べる部類に入る曲だと思う。ガオレンジャーをベストにしようかと思ったけれど、タイムレンジャーを次点扱いにするのもこころがひけて、2曲ともベストにした。

とにかくこの2曲は燃えるよ、速いしね。聴いてて足がのめりこんじゃう。

ハウスっぽくもあるガオレンジャーの聴きどころはここ!

♪ガオー~、飛び掛れ~、ガ~オー、喰らいつけ~~
この部分のストリング&コーラス、コード進行が絶品。

♪気高い~雄たけびを~あげろ~地球の命~守るために~
この部分のブラスセクションがちょっと複雑でおもしろい。

もちろん山形ユキオの、限界に挑戦するような超ワイルドなボーカルもいい。ウガォ~てね。作曲者は今のボウケンジャーの劇伴も担当している中川幸太郎。

タイムレンジャーもまたスゴイ。「スピードキング」のころのディープパープルみたいなシャッフルがあったり、プログレ的なオルガンやコーラスがあったりと、歌詞も半分英語だし、戦隊ソング史上もっとも歌いにくく難解だと言われるだけあるよ。これについて作曲者の亀山耕一郎さんのコメントを。

番組を見てくれる子供たちのことは、いつも頭に置いていました。でも子供が幼稚園や学校で習うような歌に、近づけようとは考えませんでした。僕にもちょうどそのくらいの年の子供がいるんですけど、変わったメロディが好きだし、かなり難しくても覚えるんですよね。だから変に気遣ってしまうと子供たちのイメージに負けてしまうかなって。その辺りの躊躇はありませんでした。とにかく興味を引いてもらえるように考えました。


相手が子供であっても侮ることはできないから音楽的に真剣勝負をしたってことだけど、亀山耕一郎にそんな野心を抱かせるぐらい戦隊ソングの歴史は深いってことでもあると思う。ガオレンジャーの曲があれだけテンションが高くなりえたのは、前年のタイムレンジャーが凄かったからなんじゃないかな。

タイムのボーカルの佐々木久美さんは女性ながら太く渋い声で実力派。佐々木久美さんの歌う2番の歌詞のなかでこの部分の歌詞がいい。

♪今を生きてゆくことが 果てしない~未来へと生き~ること~

あと、タイムもガオもメタルらしく、ギターソロが聴かせてくれる。ギタープレーヤーの名前がわからないのが残念。

忘れてはいけないのが、この2作品のエンディング。「ヒーリン’ユー」歌/Salia(ガオ)と「時の彼方へ」歌/NAT'S(タイム)これらも名曲だ。

N郎♪的独断と偏見でいうと、この2作品が戦隊シリーズの主題曲の頂点であったと思う。今回こんなに長く戦隊ソング特集を組んだのは、ぶっちゃけこの2曲がいかに熱い曲かって言うことを語りたいがためっていうのもあった(笑)。もう~この2曲大好き!


まぁ、そんなこんなの戦隊ソング特集だったけれど、やっぱり実際に曲を聴かないとおもしろくないよね?

ということで、とっておきのサイトを紹介しよう。以下のサイトでゴレンジャーからハリケンジャーまでの全主題歌が試聴できるゼ!!

スーパー戦隊シリーズ 30作記念 主題歌コレクション

ゴレンジャーもバトルフィーバーJもジェットマンもタイムレンジャーもガオレンジャーも、思う存分試聴して、戦隊ソングのおもしろさを堪能してちょうだい!!

(この話、おわり)







Last updated  2006/06/29 02:18:53 AM
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2006/06/22

(前回からの続き)

スーパー戦隊シリーズは今放送している『轟轟戦隊ボウケンジャー』が30作品目となり、歴史が長い分、本編で過去の作品のアイデアを再利用して使っているケースがよく見られる。音楽についても、過去の作品の影響を受けてるって思えるものがあって、その変遷の歴史がおもしろい。音楽的分析視点で、その中からいくつかをピックアップ。


■『恐竜戦隊ジュウレンジャー』 オーケストラサウンド・ガッチャンコ手法

今年の2月まで放送していた『魔法戦隊マジレンジャー』(2005.2~2006.2)のオープニングは、スピード感のあるロック調の曲なんだけど、前奏や間奏にオーケストラ演奏を大胆にドッキングさせて、曲のスケールアップを図っている。おなじく『爆竜戦隊アバレンジャー』(2003.2~2004.2)のエンディングも、フルコーラス版では♪アバアバアバアバアバレンジャー の歌に入る前に、全然曲調が違うオーケストラサウンドを配置している。アバレンジャーでの曲調の対比が一体何を意図しているのかちょっとわからなかったけれど、アルバムを聴いて『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のオープニングの影響なんだ~って思った。同じ恐竜モノだし。

『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(1992.2~1993.2)のオープニング曲では、歌の部分の曲調とは異なるオーケストラサウンドを前奏や間奏に配置しており、曲全体のスケール感が壮大なものとなっている。歌の部分との連携にも違和感はなく、その手法は成功していて、いい感じだ。曲は機械的なシンセのリフで始まり、オーケストラサウンドが続いて、ビシバシしたつなぎ小節がきた後、何か危険が迫ってくるような音響となるんだけれど、劇的に♪ジュウレンジャー、ジュウレンジャー伝説の戦士たちよ~ とテンポのよい歌が始まる。その展開が感動的で、アバレンジャーやマジレンジャーはそれがやりたかったんだろうな~と思った。


■『忍風戦隊ハリケンジャー』 決めの三段構え

ブックレットの中に『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002.2~2003.2)のオープニング曲について、作曲者・池毅さんのこんなコメントがある。

~だからどうなのか、この歌のサビ、三段構えになっているんです。”燃え上がれ正義のハリケーン”で終わってもいい。ですけど、その後にヒーロー名が来て。さらに”風にな~れ”。これでもかって(笑)。何度見栄を切っても、一つ一つがカッコよければカッコいいんだ!っていう、歌舞伎で感じた気持ちがあったんでしょうか(笑)


確かにこの三段構え、インパクトがあっておもしろい。これまた『魔法戦隊マジレンジャー』でも似た手法を使っていて、♪魔・法・戦・隊マジレンジャー~ の後に、♪旅立て~ というフレーズがきていて、最初聴いたときはおもしろいな~と思った。こちらは2段構えなんだけどね。ハリケンジャーを聴いて、ああそうか、マジレンジャーはハリケンジャーを参考にしたんだって気付いた。
このパターンはハリケンジャー以降よく使われるようになってアバレンジャーのオープニングや、今のボーケンジャーでもこのアイデアが取り込まれている。


■『忍者戦隊カクレンジャー』 90年代ダンスミュージック

戦隊初期のころの渡辺宙明さんの曲は70年代ディスコサウンド的色彩が強く、「見よ!!ゴレンジャー」や「大戦隊ゴーグルV」なんかはミラーボールが回ってそうな曲だけれど、90年代ダンスミュージック的な特徴を持っているのが『忍者戦隊カクレンジャー』(1994.2~1995.2)。作曲は都志見隆、編曲は山本健司。
エンディングではラップも取り込まれているし、オープニング、エンディングともなかなかノリがよい。オープニングの曲で特筆すべきなのが三味線ソロ。間奏と終奏で三味線ソロがあり、ノリのいいリズムセクションとあいまって、このCDの聴きどころでもある。最近テレビなんかでロックなドラムをバックに三味線ソロを弾いているのをよく見かけるけれど、カッチョいいよね~。カクレンジャーはそのハシリだったのか?


■『鳥人戦隊ジェットマン』 ストレートロックの系譜

戦隊ソングはディスコサウンド系ではじまったけれど、ストレートロックの系統も多い。最近の戦隊はこの系統の曲が主流を占め、ハウスっぽいハリケンジャー以降のオープニングはすべてこの系統と言っていいだろう。

このストレートロック系で忘れちゃいけないのが『鳥人戦隊ジェットマン』(1991.2~1992.2)。♪ジェットー、ジェットー、ジェットマーン、この言葉のフレーズ、一度聞いたらやみつきになりそうだ。日曜日(6/25)のボーケンジャーの終りで『鳥人戦隊ジェットマン』を紹介していたけど、思わず♪ジェットー、ジェットー、ジェットマーン って口ずさんでしまった。

同じくジェットマンといえばエンディングの『心はタマゴ』。作詞は荒木とよひさだけど、歌を歌った影山ヒロノブがブックレットの中でコメントしているように、時代に左右されない名曲かもしれない。

ジェットマンの作曲は2曲ともつのごうじ。前述したジュ-レンジャーのオープニングも作曲している。

(まだ続くのかって? 次回はいよいよ最終回だ!)







Last updated  2006/06/26 11:14:27 PM
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2006/06/21

(前回からの続き)

このスゴイ3枚組みCDの中で、一番感銘を受けた曲は希砂未竜の歌う「Naked Mind」。1998年2月から1年間放送されていた『星獣戦隊ギンガマン』のエンディング「はだしの心で」という曲の英語版となっていて、同じく希砂未竜が歌っている。

「希砂未竜」というとピンとこないと思うけど、「子門真人」と言えば多くの人がピンとくるんじゃないかな?
子門真人は「子門真人」という名前の他に、いろいろな名前を使って歌を歌っている。(詳しくは『ウィキペディア(Wikipedia)』を見てね)
日本語版の「はだしの心で」について、よく聴くと名曲なんじゃないかな~って思っていたけれど、それほど強いインパクトはなかった。

だけど、歌詞が英語になり、コーラスアレンジが大胆に加わった「Naked Mind」は曲のインパクトが劇的に増し、思わず聴き惚れてしまった。希砂未竜のボーカルも抜群によくなり、何よりもコーラスアレンジが素晴らしい~。サビの部分のホルンも引き立って印象的。

希砂未竜は日本語で歌うよりも、英語で歌ったほうが絶対にその実力を発揮できると思う。アメリカのカントリー歌手のような歌い方で、言葉のインパクトのつけ方が日本語より英語のほうが圧倒的にはまっている。

英語版の歌詞もなかなかだ。「はだしの心で」は、日本語の詞自体がもともといいんだけど、英語に訳され、言葉の数を埋めるために付け加えられた詞もよく、曲から想像できるイメージも膨んで、こんな感じだ。

「はだしの心で」 作詞/藤林聖子

太陽にまっすぐ 立ってみろよ
悲しい影が大きくなったら

大地にどっかり 寝ころんでみろよ
涙が急に大きくなったら

心ははだしのままがいい
駆け抜けてゆくんだ
~(後略)


「Naked Mind」 作詞/藤林聖子 英作詞/T.CRANE

Turn your face straight to the sun
when the shadow of sorrow's gonna cover
your precious happiness

Lay yourself down on the ground.
looking at the moon
before you feel like crying for the lonliness

Your naked mind ― I need you so
I want you to stay just the way you are,
so come with me ―
~(後略)

同じく希砂未竜の歌うギンガマンのオープニングについても英語の曲が収録されていて、こちらもかなりいい。「The Galactic Warriors Gingaman」というタイトルだけど、「Naked Mind」と同じく英語の詞がはまっていて、希砂未竜のボーカル全開で気持ちいい。英語版、傑作だと思う。

この2曲、クレジットは以下。

「The Galactic Warriors Gingaman」
作詞/藤林聖子 英作詞/T.CRANE 作曲/佐藤俊彦 編曲/佐藤俊彦
歌/希砂未竜 コーラスアレンジ、コーラス/GINGA MICKEY

「Naked Mind」
作詞/藤林聖子 英作詞/T.CRANE 作曲/出口雅生 編曲/亀山耕一郎
歌/希砂未竜 コーラスアレンジ、コーラス/GINGA MICKEY


アルバムにはギンガマンのほかに『救急戦隊ゴーゴーファイブ』や『未来戦隊タイムレンジャー』の英語版オープニング曲も収録されていて、日本語版と比較して聴くと面白いと思う。

ブックレットには、オープニングやエンディングでこれらの英詞曲や特別曲が使用された話数の一覧なども掲載されていて、記録集としての意味も高い。

(この話、まだ続く)








Last updated  2006/06/25 01:50:46 AM
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2006/06/20

火曜日はすっかり渋谷TSUTAYAでCDを借りてくる日となってしまったけど、スゴイCDを借りてきてしまった。

『スーパー戦隊シリーズ全主題歌集 Eternal 5 Colored Spirits 』
コロムビアレコード
2002年11月発売
COCX-32017

”こいつまた戦隊モノかよ~、しかも(1)って付いてるし”って、いい加減愛想つかされそうだけれど(笑)、ちょっとだけ読んでってね。

このCD、スゴイよ~。何がスゴイかっていうと、ゴレンジャーからハリケンジャーまでのオープニングとエンディングがフルコーラスで収録されていて、途中から変更になったエンディングや、タイムレンジャーの英語版などレアな曲も収録された3枚組みっていうのもスゴイんだけれど、何よりも、分厚いブックレットが付いていて、歌詞やクレジット以外になんと歴代の作曲者やアーティストのインタビューが掲載されているのがスゴイ!!!これ、読んでておもしろい~。

例えばゴレンジャーの代名詞ともなっている”バンバラバンバンバン”というフレーズについて、作曲者の渡辺宙明さんのこんな話が載っている。

宙明:『ゴレンジャー』は何と言っても、エンディングの”バンバラバンバンバン!”ですね。東映の平山亨プロデューサーから作品世界を伺って、作ったオープニングとエンディングのメロディーを、コロムビアの木村英俊ディレクターに伝えて、だいたい良いとなったんですが。「エンディングの頭に何かひとつインパクトのあるフレーズを付けたいんだ」と電話をいただいて。で、その電話ですぐに返事をしたのか、ちょっとおいてかけ直したのか・・・・とにかくそれぐらいすぐに「”バンバラバンバンバン!”って入れたらどう?」って。木村さんも「それそれ!」って(笑)
―― 元になる語感はあったんですか?
宙明:何もないですよ。即興で。調子のいい。
―― スキャット・・・・・ということですか。
宙明:そうそう。『グレートマジンガー』の主題歌で、ダッシュダッシュのあとに”ダンダンダダン!とつけたのが最初で。詩にはダッシュしか書いてないところをね。~

歌っていうのはアウトプットされた楽曲をざっと聴くことだけで完結してしまうことが多いと思うけれど、一つの楽曲が生まれるまで、そこにはいろいろな逸話やドラマがあるんだよね。作り手側の想いというか、こだわりというか、そんな話がたくさん載ってて興味が尽きない。

収録曲の話に入るけれど、ゴレンジャーのオープニングテーマ、久しぶりに聴いたよ。さすがに昭和レトロって感じだけど、WOWギターを弾く音にディレイがかかっていたり、ベンチャーズみたいなフレーズがあったりと、ギター渋いよね~。

この曲、ボーカルは佐々木功さんと堀江美都子さんがメイン。サビに入る手前で二人が順番に”ゴーッ!ゴッゴー!!”と叫ぶところがあり、その部分の堀江さんのボーカルがもう最高!!佐々木功さんに続いて、”ゴッゴー!!”と叫ぶんだけれど、力の入ったその叫び声がメチャクチャ素晴らしい。ベストパフォーマンスだと思う。

『見よ、ゴレンジャー』なんか70年代ディスコサウンドって感じでおもしろい~。ジャッカー電撃隊・バトルフィーバーJ・デンジマン・サンバルカン・ゴーグルVと渡辺宙明さんが作曲を担当してるんだけれど、前奏のフレーズなんかインパクトがあってカッチョイイよ。叫び声が入っていたりとか。

サンバルカンやゴーグルVの曲は、最初はマイナーコードから入るんだけれど、途中からメジャーコードに変化してサビに突入していくその曲展開がファンタスティック!!
これコード進行見てみたいな~。

(この話、つづく)


追伸)

ところで、佐々木功さんって一昨年放送していたデカレンジャーのエンディングを歌っていたけれど、考えてみれば元祖戦隊シンガーだったんだね。オフィシャルサイト、立ち寄っててみて下さい。コンサートやってます。

ささきいさお オフィシャルウェブサイト

アニソンの女王・ミッチーこと堀江美都子さんオフィシャルサイト







Last updated  2006/06/23 08:06:47 AM
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2006/06/14



ボサノバのCDって何聴いたらいい?

自分の聴いている音楽は限られたジャンルでしかなく、幅を広げようと一時期世界のスタンダードCDを集めたことがある。その中にはボサノバのオムニバスCDもあった。1曲目に入っていたのが、歌ありの「イパネマの娘」。初めて聴いたとき、男性ボーカルにはピンとこなかったが、女性ボーカルにはピンときた。その素人っぽい歌い方と、素朴だがほのかな色を感じる声に魅了され、これぞボサノバと思った。

その「イパネマの娘」、作曲はアントニオ・カルロス・ジョビン、サックスがスタン・ゲッツ、そしてボーカルがジョアン・ジルベルトとアストラッド。巨匠たちが一同に会した、まさに名曲中の名曲だ。CDの中でも「イパネマの娘」はピカイチに感じた。他にはセルジオメンデスとブラジル’66の「マシュケナダ」なとが入っていたが、いま一つボサノバっぽくないな~と思っていた。

その後、地元のCDショップへ行ってもロック・ポピュラーの圧倒的な数に比べてボサノバは数も限られていたし、CDはみんな「イパネマの娘」ばかりが収録されていたので、ボサノバ聴きたいな~と思いながらも、誰がどんなアルバムを出しているとか、どんな名曲があるのか、さっぱり見当がつかなかった。図書館などで借りてきて聴いたりもしたが、インストも多く、ボサノバを意識して購入したアルバムはしばらくはそのオムニバスCD1枚だけだった。

数年後、無性にボサノバを開拓したくなり、「イパネマの娘」以外の歌入り名曲はないのか~!!そう思って、新星堂でわけもわからずボサノバのオムニバスCDを買ってきた。2枚組の輸入版で、日本語はどこにも書いていなかったが、「イパネマの娘」が収録されていなかったことと、CDのジャケットがおしゃれで気に入ったので買ってきた。

そのCD、1枚目の1曲目に入っていたのが「ビーチ・サンバ」。

これまた不安定な素人っぽい女性ボーカルだったが、これ「イパネマの娘」と同じ人じゃない?そう思って嬉しくなり、この女性歌手に「イパネマの娘」以外の名曲があることをはじめて知った。

その曲名がタイトルとなっているアストラッド・ジルベルトのアルバムがここで紹介する『ビーチ・サンバ』

ボサノバでベストな3曲を選べと言われたら間違いなく「ビーチ・サンバ 」を選ぶが、やはりこのアルバムの中でも「ビーチ・サンバ 」が一番いいと思う。

アストラッドのボーカルには歌詞がなく、♪パーバダバーパダッパダーとひたすらスキャットしている。

歌詞はないが「愛」が全面に出てるって感じで、アストラッドのシャイな声とあいまって、最初は人前で聴くことがはばかられるように感じた。今となっては・・・この曲いいから聴いてみて!!・・・と、女性になら言える。けど、男性には・・・・やっぱり言えないかな~?人格を疑われそうな気がする(笑)。多分アストラッドのボーカルが艶っぽいからなのだが、一方でさらりとしているとも思う。

曲自体も超名曲だ。とくに間奏のブラスセクションが入るあたりの展開がいい。口笛に似た笛の音がまたよくて、アストラッドのボーカルにも絡んでくる。アレンジャーは誰だろうと思ってクレジットを見ると、ドン・セベスキー。この間奏を作りだしたのはドン・セベスキーか?

アマゾン・コムの日本のサイトを見ても誰もレビューを書いていなかったが、USのサイトを見たところ、結構レビューが書いてあった。ドン・セベスキーに触れているコメントもいくつかあり、やはりこのアルバムはドン・セベスキーのアレンジがポイントだなと思う。

クレジットを見るとドン・セベスキーのアレンジは2、4、7、8、9

アマゾン・コムのUSのサイト

「ビーチ・サンバ 」のほかに2曲目の「Misty Roses」などいい曲が結構あり、全体的に出来のいいアルバムだと思う。ただ、アストラッドのボーカルの下手さが出ててしまって、ちょっとな~って感じてしまう部分もあることはある。

「ビーチ・サンバ 」と同様にアストラッドがスキャットしているのは12曲目の「Nao Bate O Corocao」これもまた♪パダバダバダンパダーヤってうたっていた。

だけどやっぱりこのアルバム「ビーチ・サンバ」につきると思う。N郎♪おススメの素晴らしいボサノバポップスなんで、みなさん是非聴いてみてください。

楽天ダウンロードのサイトで視聴できます

ところで、例によって渋谷TSUTAYAでこのアルバム借りてきたんだけど、あそこって置いてある全てのCDを視聴できるようになっていて、飽きないよ~。カウンターに申し込むと会員証を預かって視聴機(携帯CDプレイヤー)を無料で貸し出してくれる。30分選び放題、聴き放題。なんか俺、TSUTAYAの回し者みたいだけれど(笑)、音楽好きには夢のようなシステムだよね。







Last updated  2006/06/16 11:15:07 PM
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2006/06/08

茶木みやこ「まぼろしの人」、『悪魔の調べ』と続いたからにはこのアルバムについて書かないわけにはいかない。


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角川映画「犬神家の一族」が公開された翌年の1977年、“金田一耕助ブーム”のさなかに作られた企画アルバムで、高田弘・成田由多可・羽田健太郎の三人が横溝正史の小説のイメージをそれぞれ独自に楽曲化したもの。アルバムには横溝正史本人のメッセージも記載されている。CD化に際して、金田一耕助のドラマや映画関連のうたモノが追加収録された。

<曲リスト>

1. 金田一耕助のテーマ (作・編曲 高田 弘)
2. 八つ墓村 (作・編曲 成田由多可)
3. 仮面舞踏会 (作・編曲 高田 弘)
4. 本陣殺人事件 (作・編曲 高田 弘)
5. 獄門島 (作・編曲 成田由多可)
6. 悪魔の手毬唄 (作・編曲 羽田健太郎)
7. 迷路荘の惨劇 (作・編曲 羽田健太郎)
8. 悪魔が来りて笛を吹く (作・編曲 羽田健太郎)
9. 三つ首塔 (作・編曲 羽田健太郎)
10. 犬神家の一族 (作・編曲 羽田健太郎)
11. 愛のバラード(唄 金子由香利/「犬神家の一族」より)
12. 仮面(唄 金子由香利/「犬神家の一族」より)
13. 愛の女王蜂(唄 塚田三喜夫/「女王蜂」より)
14. 少女夜曲(唄 塚田三喜夫)
15. まぼろしの人(唄 茶木みやこ/MBS「横溝正史シリーズ」主題歌)
16. あざみの如く棘あれば(唄 茶木みやこ/MBS「横溝正史シリーズ2」主題歌)
17. あなたは何を(唄 茶木みやこ/MBS「横溝正史シリーズ2」挿入歌)
18. 糸電話(唄 古谷一行/TBS「金田一耕助シリーズ」主題歌)
19. 見えない雨の降る街を(唄 古谷一行/TBS「金田一耕耕助シリーズ」主題歌)


1曲目から10曲目までが、このアルバムのために書き下ろされた曲で、すべてインストゥルメンタルだ。羽田健太郎の楽曲が一番多く、6曲目から10曲目までを担当している。11曲目からがボーナストラックで、茶木みやこが歌う「横溝正史シリーズ」の主題歌が最も注目されているのだが、金子由香利の「愛のバラード」(大野雄二の曲に歌が付いているもの)や塚田三喜夫「愛の女王蜂」など、70年代に発売されたレアな歌が収録されていることも見逃せない。

このアルバム、羽田健太郎の曲が好きだという評をよくみかけるが、俺が選ぶにベストな楽曲はズバリ成田由多可の「八つ墓村」だと思う。ファンキーでムチャクチャ格好いい。ブレイクの後のドラム(森谷順)のスネア&ハイハットの切れなんかもう最高。曲はファンキーなんだけど、女性スキャット(伊集加代子)や筑前琵琶(平山万佐子)がうまくコラボされていて、曲構成もおもしろい。
大林宣彦監督のパロディ映画『金田一耕助の冒険』で、「八つ墓村」を思わせるシーンでもBGMとして使用されていた。同じく成田由多可の「獄門島」もなかなか。

オープニングの高田 弘「金田一耕助のテーマ」もカッチョいい。いかにも探偵モノって感じのファンキーな曲で、ギター(水谷公生、金成良悟)のリフと女性コーラス(コーポレーションスリー)が気持ちよく、優れモノだと思う。「仮面舞踏会」は70年代ディスコサウンドって感じで、聴いていて思わず足が動いてしまう。「本陣殺人事件」も名曲だ。

高田弘や成田由多可の曲に比べてハネケンこと羽田健太郎の曲はぶっちゃけイマイチだと思う。高田や成田がアルバムのコンセプトに従って原作のイメージを見事に音楽化しているのに対し、ハネケンは単に自分がやりたいことをやっているって感じが否めない。特に「悪魔の手毬唄」について、なんでこれが「悪魔の手毬唄」なの???と首を傾げざるおえず、不満タラタラ。実際ハネケンはこのアルバムの曲を自分がBGMを担当した他のアニメなどで流用していたとのこと。(「スペースコブラ」など)
まぁ、ハネケン担当の楽曲が多かったから仕方なかったんだろうけれど、「悪魔の手毬唄」とか「悪魔が来たりて笛を吹く」とか、原作で音楽が重要な役割を果たしている作品については、正直ハネケンではなくて高田弘か成田由多可のどちらかに曲を担当してもらいたかった。

ハネケンをフォローしておくと、曲自体の質が低いわけではなく、横溝正史の世界とは別モノとして、単にハネケンファンが聴く分にはいいかもしれない。中でも聴き応えありなのは「犬神家の一族」。ピアノコンチェルトで、大野雄二の「愛のバラード」に対抗すべく美しい仕上がりだ。「悪魔の手毬唄」も横溝正史の「悪魔の手毬唄」とは無関係ですって言ってくれれば、ハネケン節満載のカッコイイ曲だと思う。

ついでにフォローしておくと、テレビアニメ「超時空要塞マクロス」でのハネケンの音楽は最高に素晴らしかったと思う。アバレンジャーもハネケン担当だが、まぁ、そこそこいい線をいっている(フォローになってないか(笑))。

これらオリジナル楽曲の演奏は”ミステリー金田一バンド”とクレジットされているが、参加メンバーがおもしろい。キーボードはすべてハネケン担当。E・ギターは浜田省吾の曲を80年代前半までアレンジしていた水谷公生が主に担当。ベースは武部秀明など、和洋さまざまな楽器の参加とあいまって、クレジットにもさまざまな名前が並ぶ。音楽アルバムとしてなかなか貴重なアルバムだと思う。

ボーナストラックの歌モノであるが、目玉である茶木みやこ「まぼろしの人」については以前書いたため割愛するが、同じ茶木みやこの「あざみの如く棘あれば」と「あなたは何を」もなかなかいいと思う(阿久悠いまいちって前に書いたけれど)。

※「あざみの如く棘あれば」について、阿久悠本人の文章↓
阿久悠「あんでぱんだん」あまり売れなかったが なぜか愛しい歌48


茶木みやこ以外に注目すべきは、金子由香利の「仮面」と塚田三喜夫の「愛の女王蜂」だろう。

金子由香利は収録されている「愛のバラード」でも歌を歌っているが、「愛のバラード」はインストゥルメンタルのほうがいいと思う。「仮面」については金子由香利の持ち味がよく出ており、歌の途中で詩の朗読が入るなど、なかなか味わい深い。映画で使用されたインストゥルメンタル版の「仮面」は「犬神家の一族」のサントラに収録されているが、金子由香利の歌あり版と比較して聴いてみると面白いかも。

塚田三喜夫の「愛の女王蜂」だが、昭和53年のカネボウのCM「口紅にミステリー」で使用された曲で(このCM、記憶にあります)、アレンジが超ゴージャズ。ハープの使い方など、聴くたびに感嘆させられる。編曲は若草恵。日本を代表する編曲家だが、この曲のアレンジも凄い。作曲は三木たかしとこれまた大御所だが、曲自体もダイナミックな展開を持ち、塚田三喜夫のボーカルもなかなかの実力で、これで詞がもっとふさわしい詞で、曲のタイトルが「愛の女王蜂」でなければ、日本歌謡史に残る傑作となりえたかもしれない。塚田三喜夫も今ごろは大御所の仲間入りを果たしていたことだろう。

いくら映画のキャンペーンの曲だからといってタイトルが「愛の女王蜂」はないと思う。もともとの曲名は「ミステリアス・クイーン」だったとのことで、名曲だけに、タイトルを変えた人のセンスのなさが悔やまれる。

●塚田三喜夫 公式サイト

●女王蜂のくちびる(ぐれたさんブログリンク。カネボウのCMソングについて書かれている。)


<自ブログ>
●関連記事一覧:金田一耕助についてうんちく 映画&音楽








Last updated  2006/06/08 08:52:38 PM
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2006/06/07

金田一耕助の映画音楽で忘れられない曲が2曲あった。遠い昔、兄貴がFMをエアチェックしたテープでよく流していた曲なのだが、そのテープがどうなったかのかはわからない。

一曲は東映映画「悪魔が来たりて笛を吹く」のテーマ曲だっていうのは知っていた。ずっと聴きたくて、2年ぐらい前、「悪魔が来たりて笛を吹く」のサントラCDが復刻版として販売されていのを知り、アマゾン・コムで購入して聴くことが出来た。
だがもう1曲のほうはどの映画の曲なのかずっとわからなかった。それまで観たことのなかった「病院坂の首縊りの家」の曲ではないかと思っていたが、映画「病院坂~」のビデオを借りてきて観た結果、「病院坂~」の曲ではないことを確認した。となると映画「獄門島」しかないじゃないか・・・そう思いながら「病院坂~」に続いて借りてきて観たのだが、果たしてそれは「獄門島」のテーマ曲であった。


映画になった金田一耕助シリーズの音楽は粒ぞろいだと思う。「愛のバラード」(「犬神家の一族」)や「黄金のフルート」(「悪魔が来たりて笛を吹く」)など、インパクトのある名曲からカネボウのCMソングで使用された”ミステリアスクイーン”「愛の女王蜂」など、忘れずに覚えていた。芥川也寸志「八つ墓村」のオーケストラサウンドにしても、なかなか聴き応えがあっていいと思う。

そんな70年代金田一耕助シリーズの映画テーマ曲を集めたアルバムが『悪魔の調べ』だ。コロンビアレコードから出されていて、「獄門島のテーマ」も収録されている。
このCDが欲しくて前からアマゾン・コムを調べていたのだが、もう取り扱っていないとのこと。楽天ショップにも掲載されているが、品切れで在庫なし状態だ。


楽天ブックスリンク

しばらくの間あきらめていたのだが、昨日ブログに書いた渋谷TSUTAYAで発見することが出来た。渋谷TSUTAYAには映画「獄門島」のサントラも置いてあったが、とりあえず『悪魔の調べ』を借りることにした。

『悪魔の調べ』の2曲目に「獄門島のテーマ」が収録されている。ビデオで映画を観た時は映画向けのショートバージョンということもあり、記憶の中のイメージを完全に再現することは出来なかった。だが、渋谷TSUTAYAのおかげでフルコーラスを聴くことが出来た。4半世紀ぶりぐらいで聴いたことになる。実に久しぶりにその曲を聴きながら、これだよこれ!、このメロディー!、このコーラス!!って嬉しくなり、はからずも涙があふれてきてしまった。

曲は冒頭、深いリバーヴのかかった女性スキャットが旋律を奏で、進んでいく(このスキャットが忘れられなかった)。途中ブレイクが入り、ドラムのおかずが入って今度は主旋律をストリングスが奏でる。そのストリングスが入ってくるところのうねりのインパクトも強い(この部分もまた忘れられなかった)。押さえ気味なリズムセクションは、今よく聴いてみるとJAZZ~フュージョン系で、ベースラインの動きが実はファンキーだったりする。

他の金田一耕助映画のテーマ曲はマイナーコード主体の哀愁感漂うものが多いけれど、この「獄門島のテーマ」はちょっと異色だ。映画の舞台と同じく、夏の海が似合いそうな明るめの癒し系サウンドで、シンプルだけどノスタルジックないい曲だと思う。
グラス片手に、夏の夕暮れ時の海でも眺めながら、いつまでも繰り返し聴いていたいような感じだ。

作曲は田辺信一。東宝の金田一耕助シリーズは「獄門島」から「病院坂~」まで作曲を担当している。

自分が好きなミュージシャンの第1位にジェフ・ベックを挙げるのは、その70年代の音楽がロックでありながら、JAZZ~フュージョン~ファンキー系のサウンドだっていうこともある。大野雄二や、「黄金のフルート」、そしてこの田辺信一の「獄門島のテーマ」が子供のころ脳裏に刷り込まれていたからこそ、後に聴いたジェフ・ベックの「スキャッターブレイン」や「ダイヤモンドダスト」に飛び上がったっていうものあるかもしれない。

田辺信一『獄門島のテーマ』はこちらで聴けます

追伸)
『悪魔の調べ』に収録されている『八つ墓村』『犬神家の一族』『本陣殺人事件』の楽曲は東宝レコードによるカバー演奏で、オリジナルとは微妙に異なります。オリジナルについてはそれぞれのサントラにてお楽しみ下さい。

●関連記事一覧:金田一耕助についてうんちく 映画&音楽







Last updated  2013/10/14 04:09:48 PM
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