アウトドアーでは炭火にデ~ンと前足をかざし、
愛用のナイフで削いで食べるのが好きである、カバブーな感じ。
家ではそれはできないこともあるけど、裁いた肉をフライパンで焼くのがいい。
味付けは、原則的に塩コショウだけ。
最近ではオリーブオイルとワインも使うことがある。
しかし、いくら好きとは言え、この食べ方では飽きもする。
かといって手のかかる調理は、似合わない食材という気もするのだ。
そこで今回試みたのが、新聞記事の切り抜きから、
どこぞのシェフがお奨めの「鹿のモモ肉のソテー」なるのも。
まずはカミサンの発案で事が運び、晩酌のツマミにお試しの一品が出された。
記事とはちょいと違うアレンジされたもの、といえる出来上がりだが、
目新しさも手伝ってなかなか良い。
調理の内容を試行錯誤すれば更に美味しくなりそうだ、
との見解で、これにハマッてみることにする。
翌日は、殆どを食べる自らが、気に入る出来栄えを求めて、
オムライスの時ぐらいしか持たないフライパンを持つ。
昨日のお試しは記事の指示に反し、ロースでやってみたけれど、
やはり肉の味が淡白なのでイマイチ。
今度は、ちゃんとモモ肉でやってみることにした。
(シェフのお奨めは、熟成させたモモ肉、、、でも、熟成って、どの程度?)
ロースなみの塊に裁いたモモ肉を1センチ程度の厚さに切る。
塩コショウをしてから、フライパンにオリーブオイルをやや多めに敷いて焼く。
強火で早めに返し、まずは両面を焼き色にしたあとは、
肉の組織の隙間から、肉汁が湧き出てくるまで待つ。
肉汁が前面から染み出たところで返して、再び同じ程度まで焼けば、
ほぼミディアムに仕上がる。
火が通れば鯨肉に似た香りが出るし味が下がり硬くなる。
赤みが多すぎると意外に風味が足りない。
余熱の通りを考慮して、経験的に加減することは言うまでもないけれど、
肉が焼けたところで皿に写す。
ここまでは、どうってことない、ただの焼肉で問題はこれから先である。
焼き汁の残ったフライパンに、ニンニク一粒をみじん切りにして炒め、
水かお湯を少し張り、たまねぎのみじん切り、レモン汁数滴、バターひと切れ、
醤油を少々たらして、塩コショウで味を整え、お好みで隠し味を施す。
後は好みの緩さに煮詰つまるまで炒め、ソースのできあがり。
皿に移してある肉にかけて、「絶対うまい」と思い込んで食べる。
ちなみに、私はシャバシャバの汁ダクにして、
肉の繊維に絡みやすくするのが好きである。
尚、ナイフとフォークで食しと、切ったときに出る肉汁がソースに溶け出す。
さらに切り口から直に味わう肉汁の旨みも見逃せない。
3日目は、ワインを加え、各工程の加減を変えてみる試みたけれど、
いいような、わるいような?、、、でも、旨いと感じて、幸せ~。