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June 27, 2006
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カテゴリ:WRC
いよいよ第5話へ突入します。この辺りからは若干マニアックになるかもしれませんが、なるべく簡潔に理解しやすく書くように努力しますのでお付き合いいただければと思います。

昨夜の第4話からの続きになりますが、復習のつもりで書きます。
まず、一定の曲率で曲がるような高速コーナーだと以前のIMPREZA、特にぺターがドライヴするIMPREZAの場合コーナリング・フォースが発生してからフロント外側、リアの外側に過重が移動してからは実にスムースに曲がっていて派手さも面白味も無く本当に速いのか?と疑問を抱いてしまうぐらい無駄の無い走りでした。
実は無駄の無い、派手さの無い走りが本当は一番速いのですが、これは誰にでも真似ができるわけではなく限られたごく一握りのドライヴァーだけが踏み込んでいける領域です。これは、ラリーだけに限らずオンロードと呼ばれるクローズド・コース(サーキット)でもそうです。むしろ、路面のミューが高いクローズド・コースの場合そのテクニックの差は顕著に走りや速さに現れるのでごまかしは利きません。

その点、ぺターはWRCのトップ・ドライヴァーの中では屈指のテクニックを備えていることは今更言うまでも無く、他のワークス・ドライヴァーがぺター以上のリザルトをコンスタントに残せていないことでもそれは証明できます。ぺターだからこの順位まで上げてこれるのです。

ではスバルやプロドライブはぺターのために何をしてあげられるのでしょうか?正直、今年の足回りは何をどうやっても良くはならないような気がします。僕自身あまり悲観的に考えたくはないのでこういった含みを残す言葉で綴っていますが、IMPREZA WRC 2006が見せる挙動を客観的に検証した上で本音を言うと改良程度で良くなる種類のものではないでしょう。
シャシーの前後バランスと足回りそのものを見直す必要があることは前回も言いましたが、この足回りをデザインしたのは聞くところによれば元F1のエンジニアで、WRCの実戦経験の無いエンジニアの手によるものらしいのです。これでは話にならないとばかりにこのエンジニアは解雇されたようですが新規に仕様変更のホモロゲを取得するにも簡単にはいきません。

昨年のIMPREZA WRC 2005も決してバランスが良いとは言えませんでしたがジャンプしたときの姿勢は今年よりはましでした。サスペンションもしかり・・・
コレからが僕が言おうとすることの核心部になります。
スバルが勝つためにはIMPREZA WRC 2005に一時的に戻す必要があります。最も状態が良かった昨年のラリー・ジャパン辺りの仕様に戻してそこから再度熟成させて行くほうが今のWRC 2006を改良するよりずっと効果的で希望が持てます。
長いこと参戦していれば失敗作の一つや二つは出てきます。失敗は仕方ない。しかし、いかに早くエンジニアがその失敗を認めて是正し、世界屈指の技術を持ったぺターに最高の仕事が出来るマシンを用意して上げられるかがポイントなのです。
ホモロゲーションやレギュレーションの問題もありますが逸早くクリアして戦闘力の高いマシンを用意するのがスバルとプロドライブの仕事です。

僕自身、モーター・スポーツをしていたのでこれだけは言っておきたいことがあります。ドライヴァーも我慢するときは我慢します。ぺターもそうでしょう。しかし、ラリーでいえばぺターはコパイであるフィル・ミルズの命も預かり、自身の命も懸けて(賭けてでありません)マシンを預かるのです。
ドライヴァーが命を懸けて乗ることはそれが仕事だからでは決してありません。仕事だからと割り切ることにプロ意識があるように見受けられがちですがそれは違います。
そんなレヴェルの低いプロは断じていません。
エンジニアやメカニックが頑張って大変な思いをしてマシンを仕上げてくれる。ドライヴァーはそんな「彼らを信頼しているからこそ」戦闘力の上がらない例え劣悪なマシンでもドライヴして今の自分自身に出来る最良の仕事が出来るように努力するんです。自身の命を懸けて・・
その原点ある信頼関係を今一度見直して欲しいと僕は思っています。
ドライヴァーが命を懸けているのだから、エンジニアも身体を張って欲しい。スバルが復活するにはそのエンジニアとメカニック、そしてドライヴァーの良い関係が復活することこそが最良の手段だと思うのです。

随分と偉そうな内容を書き綴ったこのコラムもこれで完結しました。長らくお付き合いいただいた皆様には感謝の気持ちで一杯です。
これからも僕の視点でのコラムを続けていこうと考えています。わざわざ、訪問いただいた皆様にお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。


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Last updated  June 28, 2006 03:46:06 AM
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