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カテゴリ:実践!企業価値評価
ファーストリテイリング(ユニクロ)の決算・財務分析 1日1分!企業分析 本日の日経注目企業の分析
■注目した記事(6/25 1面) 海外販売、国内を逆転へ 生活関連企業 ユニクロ アジアに年100店 ユニ・チャーム 投資の軸足移す ■記事への素朴な疑問 生活関連の大手企業が海外事業を拡大しているようです。 ファーストリテイリング(以下、ファストリ)は、 ユニクロ事業で年100店のアジア出店を続け、 2013年に売上の内外比率がほぼ同じになる見込みです。 「低価格・高品質」を武器に、3年以内にアジア進出するようです。 ・タイ ・マレーシア ・ベトナム ・インドネシア ・フィリピン 来春はロシア、3年以内にオーストラリアにも出店するほか、 中国で大型店を展開します。 09年8月期の売上計画は5580億円で、 うち海外は370億円にとどまります。 13年8月期をメドに、 内外売上高をそれぞれ8000億円程度引き上げる想定です。 本日は、ユニクロでお馴染みのファストリを取り上げます。 これまでの同社の経営状況はどうだったのでしょうか? それでは、直近期08年(平成19年9月1日~平成20年8月31日)まで 5年間の財務状況を基に分析を行います。 株式会社ファーストリテイリングの決算・財務分析について ※無料会員登録すると全銘柄を閲覧することができます。 ■ファーストリテイリングの損益計算書P/Lの視点 順調に増収増益を続けています。 08年の各指標と伸び率は以下の通りです。 売上高 5900億円 (12%増) 営業利益 870億円 (35%増) 純利益 440億円 (37%増) 07年の営業利益が多少落ち込んでいますが、有報でさっと確認すると、 これは販管比率が32%から35%に上昇したためで、 国内新卒採用の拡大やブランディングのための広告・販促が主な要因です。 株式会社ファーストリテイリングの決算・財務分析について ※無料会員登録すると全銘柄を閲覧することができます。 次に、実際のキャッシュの流れを見てみましょう。 ■ファーストリテイリングのキャッシュフロー計算書C/Sの視点 営業CFが1年おきに上昇額を伸ばしており、波打った推移となっています。 投資CFは店舗に係る設備投資 (有形固定資産の取得、敷金・保証金、建設協力金)は増加傾向に、 また、06年07年は関係会社への出資にて、投資額が増加しています。 FCFは営業CFが増進した年に、大幅な増加を示しています。 財務CFは基本的にマイナスで、配当金、返済を続けています。 08年の営業CFは870億、投資CFはマイナス150億円、 財務CFはマイナス220億でした。 営業CFの波打ちの様子と、ROICの運転資本回転日数の推移が似ていますが、 特にたな卸し資産の増減に強く相関しているようです。 売上・在庫の関係を調節して、上手に投資・回収を続けていることが窺えます。 株式会社ファーストリテイリングの決算・財務分析について ※無料会員登録すると全銘柄を閲覧することができます。 それでは、貸借対照表B/Sを見てみましょう。 ■ファーストリテイリングの貸借対照表B/Sの視点 総資産は07年の3600億円から13%増の450億が増加し、 08年は4050億円でした。 変化の内訳として、運用面では現金が40%以上増加して1700億円に、 調達面では仕入債務が40%以上増加して570億に、 株主資本が10%増加して2600億円になりました。 現金比率が42%、株主資本比率が65%と、潤沢にキャッシュを創造しています。 特に、上述の営業CFの増進年に呼応して、 現金・株主資本が増えており、内部留保を続けていることがわかります。 株式会社ファーストリテイリングの決算・財務分析について ※無料会員登録すると全銘柄を閲覧することができます。 ■ファーストリテイリングの分析まとめ 順調に増収増益を続けていますが、 07年は人材・ブランドにも積極的に支出しています。 (損益計算書P/Lの視点) 投資CFの店舗への投資額が増加しており、 営業CFは運転資本の調節により、1年おきに上昇額を増大させています。 (キャッシュフロー計算書C/Sの視点) 総資産が13%増加し、08年は営業CF増進の年のため、 現金・株主資本が特に増加しており、 総資産に占める双方の割合は40%以上となっています。 (貸借対照表B/Sの視点) メディアでも多く報道されているように、好業績を続けていることが分かりますね。 最後に、セグメントの状況については、 08年、「日本地域」の売上は5100億です。 そして本日の記事にあったアジアを含む、 「その他地域」は220億円です。 これからまさに、年100店のアジア出店を続け、 13年には日本以外で売上8000億円まで増進する予定ですから、 このグラフの右側に創造される各地域の売上の伸びに注目ですね。 株式会社ファーストリテイリングの決算・財務分析について ※無料会員登録すると全銘柄を閲覧することができます。 以上の分析でご不明な点等ございましたら、 是非シェアーズまでご連絡ください。 感想もお待ちしております! support@shares.ne.jp お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年07月02日 09時59分48秒
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