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カテゴリ:政治・政策・世相・犯罪・歴史
引きつづきJapanese Foreign Policy at the Crossroads: Challenges and Options for the Twenty-First Century第8章の危機的シナリオの部分を抄訳する。
台湾海峡 【想定される危機的シナリオ】 20YY年、選挙で選ばれた台湾の総統が台湾の独立を主張した。彼は中国が干渉しても、米国や日本が助けてくれるだろうと読んだ。 一方中国は、もしも台湾が独立を宣言すれば、ミサイル攻撃を含めたあらゆる軍事的手段を用いると宣言した。さらに米軍が台湾を支援すれば深刻な事態を招くだろうと警告した。東アジアが戦争状態になることによる経済的打撃が考えられるにもかかわらず中国は台湾の独立には妥協できないとの態度である。 米国は、沖縄を台湾防衛の基地として使用することを日本に要望する。台湾も日本に同様の要望をする。米国内では台湾への支持と中国への憤慨の声が高まる。 中国は、日本が基地使用を認めれば、日中関係を修復不可能なまでに損なうのみならず、事実上の交戦状態に入ったとみなすと激しい口調で日本に通告する。さらに、日本が基地使用を拒否し、台湾の独立が回避されれば、日中関係は経済的のみならず安全保障上も改善され、日米安全保障条約の重要性も少なくなるだろうと甘いささやきもする。 【川島裕のコメント】 川島裕は、このような状態になったことによる中国と台湾のダメージは非常に大きく、また米国が介入すれことになればその影響は世界規模になる。このような事態を招くことは中国または台湾の「計算違い」によるものであり、両者が紛争状態に陥らないようにするために日本は熱心に両者に働きかけ、現状維持にもっていくことが重要だとしている。 また、川島裕は中国と台湾の経済統合の進展によって、現状維持のメリットを両者が共有できれば紛争回避に役立つだろうと願い、さらに遠い将来ではあろうが中国が民主化されれ台湾との価値観の共有が進展すれば紛争の可能性は少なくなるだろうと述べている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 16, 2006 02:18:43 PM
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