「五鐵」は吉田町と福富町の間にある小料理屋。行灯が看板代わりで灯がともると店の名の墨文字が映え、入口の紺地の暖簾さえきりりとして見える。こちらもいくらか背筋を伸ばして店に入る。和服の女将さんとお嬢さんが笑顔で迎え入れて下さる。磨かれたカウンターが店の奥にすうっと伸びている。10人も入ればいっぱいだろうか。カウンターの中央に座り、まずは生ビール。お通しは大きな揚げの中に卵が入った煮物。隣りの御仁はぶり大根だ。じんわりとして懐かしい味がする。親子で営業して5年。女将さんの出身が長崎で、この辺りでは珍しい九州の地物が手に入るという。飲み物を詩仙李白に切り替え、宮崎地頭鶏の塩煮を作って頂く。スープまで完食。鶏の旨味が塩の甘さとあいまって独特の風味を作り上げている。身は箸を入れるだけで骨から簡単に外れるほどのやわらかさ。もう一品、鴨のつくねを頂いた。こちらも顔が綻ぶ味。次回は本場の皿うどんかちゃんぽんを頂いてみたい。
※注意:一見では入店できません。興味のある方はゴーヤに連絡を。
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