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2012年04月22日
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カテゴリ:歴史と絵画

五山の送り火「妙」「法」の山の麓を東西に延びる北山通りは、
緑にあふれていて、自然環境にも恵まれたところです。

最近では、ハイセンスなブティックや飲食店なども軒を並べ、
京都でも有数のおしゃれな町というイメージが、
すっかり定着してきています。

そんな、北山通りの一角、府立植物園の隣にある美術館が「陶板名画の庭」。
先日は、ここを訪ねてみました。



  • 陶板名画の庭.jpg




「京都府立陶板名画の庭」

コンクリートの通路が立体的に交差する建物の中、
その壁面に、陶板に描かれた世界の名画が展示されているという、
ちょっと、一風変わったスタイルの美術館です。

陶板画というのも、あまりなじみがないかも知れませんね。

これは、原画を撮影したフィルムから写真を製版し、
それをいくつもの陶板に転写し焼き上げたもの。
これらの陶板を組み合わせていくことにより、様々な名画が再現されています。

変色も腐食もしないので、永く保存することができるというのが、その大きな特長。

「屋外で鑑賞できる世界初の絵画庭園」というのが謳い文句で、
展示されているのは、全部で8作品。

もちろん、原画が素晴らしいということもあって、
とても、楽しめる空間になっています。

それでは、展示されている名画の数々をご紹介していきましょう。


まず、一際、目につく巨大な作品が、
ミケランジェロの「最後の審判」です。



  • 最後の審判.jpg



ミケランジェロが、たった1人で6年をかけ描き上げたといわれている大作で、
実物は、バチカン宮殿のシスティナ礼拝堂にあります。

中央のキリストを中心として、天国へ昇っていく人と、地獄へ堕ちていく人々と。
世界の終末と、それに対するキリストの審判の様子を描いたとされる、
ミケランジェロ渾身の力作です。

陶板による複製であるとはいえ、そのスケールは、かなりの迫力があります。


もう一つ、こちらも大作。
レオナルド・ダヴィンチの「最後の晩餐」です。



  • 最後の晩餐.jpg



キリストが捕まる前の日の夜。
12人の弟子たちと食事をとっていたキリストが
「汝らのうちの一人が、われを売らん」と、突然、告げたことにより、
弟子たちに広がった、驚愕と動揺の瞬間を描いたもの。

恐怖のあまり後ろに身をひいているのが、キリストを売ったユダで、
画面、左側に描かれています。



印象派の名画も何点かあります。



  • テラスにて.jpg



これは、ルノアールの「テラスにて」という作品。

豊かな色彩で知られるルノアールですが、
お母さんと、そばに寄り添う少女の表情が、何とも微笑ましいですね。




  • ラ・グランドジャット島.jpg



こちらは、「ラ・グランド・ジャット島の日曜日の午後」という作品。

新印象派とも呼ばれたフランスの画家・スーラの代表作で、
これにより、点描による絵画を確立したともいわれています。

この作品を見ていると、どこか19世紀のヨーロッパを感じさせる、
そんな雰囲気があります。




  • 睡蓮.jpg



印象派の巨匠・モネの睡蓮です。

晩年は睡蓮を描くことに没頭したという、まさに彼のライフワークともいえる作品群。

絵画人生を睡蓮に賭けた、彼のその情念とは、いかばかりだったのでしょう。




  • 糸杉と星の道.jpg



こちらは、ゴッホの「糸杉と星の道」

この作品にも、彼の独創的なタッチがいきています。

「糸杉が僕の頭を占領している。なぜなら、
いまだかつて僕の目に映じるようには、誰もこれを描いていないから」

ゴッホは、この絵について、そうした言葉を残しているのだそうです。

いかにもゴッホらしい、その人となりが伝わってきますね。



他に、東洋の作品が2点あります。



  • 鳥獣戯画.jpg



伝・鳥羽僧正作「鳥獣人物戯画」。

京都・高山寺に伝わる絵巻物の傑作ですね。

猿や犬などの動物が擬人化され、とてもユーモラスに描かれています。



  • 清明上河図.jpg



台湾の故宮博物院に所蔵されている「清明上河図」。

中国・清朝の頃に描かれたという絵巻物の名作です。


以上が、展示されている8作品。


実際の原画には、もちろん及ばないとはいうものの、
その迫力は、十分に伝わってきます。

この陶板画というのは、
焼物と芸術が複合した、新たな芸術ジャンルであるとも言われているそうで、
一見の価値はあると思います。

もし、機会があれば、一度、見に行かれてはいかがでしょうか。






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最終更新日  2012年04月22日 21時51分13秒
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