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2012年07月16日
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カテゴリ:歴史歳時記

♪コンコンチキチン コンチキチン

京の町が、一年のうちでも最高に盛り上がる夏の祭典、祇園祭。

今年の祇園祭は、宵山がちょうど海の日の連休にあたっていたので、
7/15の宵々山の日、祇園祭に行ってきました。



役行者山.jpg


祇園囃子が響く中、様々な山鉾が通りに立ち並んでいて、
多くの屋台も店を連ねています。

宵々山とは言っても、もの凄い人出です。


屋台.jpg


祇園祭というのは、実際には一ケ月の間続けられているという、長い期間のお祭り。

各鉾町で山鉾の収蔵庫が開けられる「吉符入り」という神事(7/1)に始まって、
八坂神社の疫神社で行われる茅の輪くぐり(7/31)まで、
その間、様々な神事が行われます。

でも、その中でのクライマックスは、やはり、宵山(7/16)と山鉾巡行(7/17)ですね。

日本三大祭りといいますが、今回行ってみて、
そのスケールの大きさと、歴史の深さと、文化としての質の高さにも、
改めて感銘を受けました。

まさに日本を代表するお祭りなのだと思います。



二階から.jpg



今回、烏丸御池を出発点にして、各鉾町をめぐりました。

室町三条から新町通を通って南へ向かい、
四条烏丸から四条通りを河原町方面へと向かって歩いていきます。

宵山の期間、それぞれの鉾町では、
山鉾に搭載する、ご神体や数々の装飾品などが展示されます。

それらを見ていきながら、また、それぞれの鉾町で用意されているグッズを購入するというのも、
宵山の楽しみの一つです。

山鉾に由来するお守りや、縁起物、厄除けのちまき等・・・。
見て歩くだけでも、楽しいものです。



グッズ.jpg



さて、祇園祭の発祥というのは、平安時代の初め頃のこと。
京の都を始めとして、全国に疫病が流行したことが、そのきっかけでありました。

この時、これを牛頭天王(八坂神社の祭神)の祟りであると考えた八坂神社の神官が、
当時の国の数になぞらえて66の鉾を建て、
さらに、神泉苑まで神輿を担いでいって、そこで疫病退散の祈願をしたというのが、
祇園祭の起源であるとされています。

最初は、疫病が流行った時にだけ行われるという神事でありましたが、
やがて、それが、毎年行われる祭礼となっていきました。

今のような山鉾の形に整えられていったのは、だいたい室町時代の頃。
その後、応仁の乱により、祇園祭は中断しますが、
この時、これを再興させたのが、当時、財力を蓄え始めていた、京都の町衆でありました。

それ以降、祇園祭は京都の町衆によって運営・持続されていき、
それが、現在の鉾町へと受け継がれています。



船鉾.jpg

 << 人気の山鉾のひとつ「船鉾」 >>


立ち並ぶ山鉾、その飾り付けが、本当に絢爛豪華です。


稚児人形(放下鉾.jpg

 << 「放下鉾」のご神体、稚児人形 >>


それぞれの山鉾は、日本や中国の歴史・逸話がモチーフとなっていて、
山鉾の内部には、それに因んだ人形などがご神体として祭られています。

そして、山鉾の外観を彩っているのが、前後左右に懸けられているタペストリー。
これは、意外とヨーロッパ伝来のものが多く、
特に鶏鉾と鯉山のタペストリーは、江戸初期、ローマ法王から贈られたというベルギー製のもので、
国の重要文化財にも指定されているのだそうです。

豪華でかつ緻密な装飾。
他にも重要文化財に指定されているものが少なくなく、
祇園祭の山鉾が、動く美術館とも呼ばれている所以です。


鯉とタペストリー.jpg

 << 「鯉山」のご神体・左甚五郎作とされる登り鯉と、ベルギー製タペストリー >>



もう一つ、祇園祭り宵山における見どころというのが、
鉾町の名家が各家に伝わる美術品を公開している「屏風祭」。

家の格子を外して秘蔵している美術品、調度品などを飾り、
祭り見物に来た人々に、通りから鑑賞してもらえるようにしているもので、
飾られるものに屏風が多いことから「屏風祭」というように呼ばれています。

町衆の流れを汲む京の名家が、鉾町の伝統を守り、
文化を大事にしていきたいとの思いで、毎年続けられているもので、
祇園祭宵山に合わせ、この期間にだけ公開されている見逃せない催しのひとつです。

山鉾が動く美術館と言われているのに対して、この「屏風祭」は静の美術館とも言われています。



屏風祭り.jpg

 << 「北観音山」のミニチュアと金箔屏風 >>



ところで、山鉾の巡行が行われるのは7/17。

現在、巡行は7/17の1日だけでありますが、
昔は、これを2日間に分けて行われていたのだそうです。

元々は、7/17が先祭りで、7/24が後祭り。

山鉾により、先祭りで巡行する鉾と、後祭りの日に巡行する鉾が決められていて、
先祭りと後祭りでは、巡行するコースも違っていたのだそうです。

それが、7/17に統合されることになったのは、意外と最近で、昭和41年のこと。

その名残は、先祭りの鉾の後に、後祭りの鉾が続く巡行順という形で、
今も継承されています。



長刀鉾.jpg


祇園祭を代表する山鉾「長刀鉾」です。

稚児さんが乗り込み、常に巡行の先頭を行くということでも知られている鉾ですね。

山鉾巡行の巡行順というのは、くじ引きで決められるということになっているのですが、
しかし、くじ引きによらず、毎回巡行順が決められている山鉾というのも8基あります。

それが"くじとらず"と呼ばれているもので「長刀鉾」は、その代表でもあります。


鉾に上がる.jpg



「長刀鉾」に登りました。

長刀鉾の装飾品が色々と展示されている2階の部屋から、
鉾の内部に入っていけるようになっています。

この「長刀鉾」もそうなのですが、
ほとんどの鉾が、宵山の期間、売店でグッズを買えば、
鉾に上がらせてもらうことが出来るのです。


祇園囃子.jpg



祇園囃子を奏でている様子も、間近かで見ることができました。

この鉦を叩いているのは、小学生くらいの子どもたち。
これも、ちょっと意外ではありました。


***


祭りの雰囲気に酔いしれた一日。

祇園祭の山鉾というのは、全部で33基あるのですが、
それぞれに、何百年という歴史といわれを持っていて、
しかも、それを町の人たちが大切に守り続けてきているというのは、凄いことです。

文化財としても貴重なものが数多くあり、
祇園祭というのは、本当に奥が深く、色々な魅力にあふれた祭典であるということを、
つくづく感じた、そんな一日でありました。





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最終更新日  2012年07月16日 23時15分35秒
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