心も枯れ果てて
「年老いて心も枯れ果てて」 今日の「中国写真ライフ」は、懐かしの「甘粛省蘭州」の写真を公開します。「黄河母親像」を見てより、黄河まで降りて行ったが、黄河を遊覧する羊の皮を膨らませた筏を見た後、私はガイドと一緒に河川に造られた歩道を歩いた。歩きながらも歩道両脇の柳の木より綿状の花が、ふわりふわりと飛んで来て歩道の隅や芝生の上に落ちて来ていた。その光景はまるで雪が積もったかのよう。ガイドからも、今年の柳絮(りゅうじょ)は例年より多いですよと口を押さえながら言った。柳絮が一杯に飛び乱れるのも温暖化が進んでいるのかもと・・、私は、呼吸するのも支障を来たすような柳絮を見たのは、初めてであるが、訪れた観光客にとっては情緒溢れる光景で何よりの贈り物だった。6年ほど前は北京へ出張に行く機会があり、5月初め、出張の合間を見ては北京の紅楼夢大観園へ行き、そこで柳絮を見かけた。だが、これほど沢山の柳絮を見たのは初めてだったが、蘭州黄河の歩道でも柳絮が飛び交い風情が感じられた。中国では古来より歓迎や旅立ちに際して柳の枝を輪にして手渡す習慣がある。柳には歓迎や別れのイメージがある。ましてや柳絮(りゅうじょ)のように花が舞うような折には、その歓迎や旅立ちの思いに拍車をかけているようだった。中国の唐代の詩人「白居易」が柳の詩を作っているが漢文なので訳してみよう。私の思いも込めて訳しているので、かなり感傷的になってしまった。「年老いて心も枯れ果てて、昔遊んだ跡を訪ねると、至る所で魂の消えいるような思いに駆られるが、柳の長い枝やその花が、昔馴染みのように棉を降らせ、私の頭を優しく撫でてくれることは有りがたい事だ」