カテゴリ:真空管
実はフィリップスのQE08/200という真空管を1本だけ持っていて、
なんと先日残りの1本を秋葉原で発見し、もちろん速攻で買いました。 これで2本揃いました! \(^o^)/ シアワセー!! で、こんな真空管なのです。 分厚いカーボン系のプレートが2枚向かい合わせに付いています。 脚は...3-500Zなんかと同じかな。 裏から見て5角形の左下から右回りに、 1番:ヒーター 2番:カソード(ビーム電極接続) 3番:コントロールグリッド 4番:スクリーングリッド 5番:ヒーター トップ:プレート なんとヒーターが横方向に3本通っています。 かっちょいい!!!! ちょうどこんな構造です。 ======= □◎□◎□◎□ ======= =:プレート □:ビーム電極? ◎:内にカソード(ヒーター)、外にコントロールグリッドとスクリーングリッドかな? 規格ですが、 Frank氏の真空管データシートのQE08/200を見ますと、 ヒーターは6.3Vの3.9Aです。意外と控えめな感じですね。 たとえば4D32とか6.3Vの3.75Aでほぼ同じですし、以前ブログにてご紹介した327Aは10.5Vの10.7Aという凶暴な電力ですから。 規格表ではビーム管と書いてあります。 3本のヒーターとグリッドの両脇に板があるので、これがビーム電極になるのでしょうか...。 規格表では100V以下の低電圧領域でダイナトロン特性が出るので、そこを使わないか三結で使う感じになりそうです。 オーディオアンプの記事を見つけました。 偏ったアンプ道楽「4B20・G2ドライブシングル実験」 QE08/200は4B20という別名もあるようですね。 etracerに掛けて測定してみましょう。 ビーム管接続の特性はこちら。G2=100Vです。 オーディオ用途でしょっぱく使いますからこんなもんで十分ですし、G2電圧が高いとプレート電流が流れすぎて使いづらそうな印象です。 1本目 2本目 2本目はダイナトロン特性の癖が強く大電流領域まで影響があります。 ビーム管接続はG2電圧を変えて測りましたが、とにかくG2の電圧が効きます。ここは安定させないと演奏がブレてしまうと思います。 低いところはダイナトロン特性(Ipのへこみ)が出ますのでプレート電圧100V以上で使いたいですね。 G1が数ボルトの変化もでガツンと電流が流れますから、かなりの高感度です。 三結ですが、 そのままプレートとG2を同じ電位にすると、G2電流がドバッと流れました。(G2がかなりG1に近寄った設計なのでしょうか...私は電気の素人なのでわかりませんが) ですので、G2をEpの40%として測定しました。 1本目 2本目 良い感じですね。 1本目は、 Ep=400VでEg1=-21.0Vのとき Ip(+Ig2)=96.53mA Eg2=0.93mA rp=945Ω gm=14522μS μ=13.7V/V 2本目は、 Ep=400VでEg1=-22.0V(1本目の電流値にあわせて1Vだけ深くしました)のとき、 Ip(+Ig2)=96.43mA Eg2=0.97mA rp=919Ω gm=13369μS μ=12.3V/V 高感度な球にしては揃っていると思います。 そてにしても猛烈に高感度です。下手に繋ぐと発振しそう。 rpは低いので3.5kΩのトランスでいけます。その代わりガッツリ電流を流せる大きなコアを持ったトランス(許容が150mAで通常で100mAくらい流せる20Wクラス以上)が前提。 ところがG2電流を見ると、 なぜかG2が突然流れ始めるところがあります。 放電のような気がしますが、放電だったらもっと急に流れてグラフが縦になりますので、違うかも。 ただ、40%三結A級で400V100mAを中心に使う動作の場合は、たぶんこの領域に入らないと思いますが...。 後日談 etracerのプレート損失設定を下げて、電流の上限を下げたところ、安定して動作しました。 しかもEp=Eg2の三結でうまくいきましたよ!! Ep300Vで100mAくらい流すと何とrpは600Ω以下です!!凄い!! この手の送信管は大がかりになる割にオーディオ領域でのパワーはあまり期待出来ません。(10Wいけば良いほう) しかし、こういうものは出力を狙うためで無く「送信管で音を出す事」のみが重要なので、3Wも出れば十分です。 我が家のスピーカーはEMS社の励磁型30cmフルレンジで95dB以上の能率がありますので、全く問題がありません。 しかも私はルネサンス~バロック時代の音楽を静かに聴くのがメインですので普段は0.5W出てるかどうかです。 とりあえず、Eg2を100Vくらい(VR105で安定化するとか)のビーム管接続か、300Vで100mAくらいの動作(出力5W~7Wくらい)の三結あたりがオーディオ用として十分実用になりそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 4, 2023 05:52:34 PM
コメント(0) | コメントを書く
[真空管] カテゴリの最新記事
|
|