【夏休みの自由研究】6WC5という真空管のオーディオ用途への転用の可能性とその問題点について
6WC5という真空管を紹介します。これはラジオ用の周波数変換用(スーパーラジオの発振・混合の用途の)七極管です。因みに似たような型番の6CW5は普通の出力管ですのでお間違いなく...。「波研」という表示。001と003はシリアル番号でしょうか。電波研究所(現・情報通信研究機構(NICT))に納入したものと思われます。この6WC5についてはいとしの真空管たち「6WC5」に概要が記されています。それと、JA2RMじじいのBLOG「真空管回顧録11: 7極管の歴史と周波数変換管の出現」が興味深いですね。JA2RM氷室OMのラジオの話は大変レベルの高い情報で、私のような素人には一寸難しいものも多いです。ラジオ工房・資料室ミラーサイト「受信用真空管応用回路 6WC5」も興味深いです。nobuの雑記帳「+バイアスを少し」【 6WC5シングル・ミニワッター 】のように三極管接続でオーディオアンプとして実用化している記事もあります。6WC5はオクタルベースのGT管6SA7、あるいはMT管の6BE6などが同等だと云われていますので、Frankさんの資料室の「TUNG-SOL 6SA7」規格表が参考になりそうです。ピン配置は、以下の通り。1. H2. P3. G2、G44. G35. K、G56. G17. H規格表で気になるグリッド抵抗20kΩの制限は「発振が可能な範囲としての20kΩではないか?」というのが私の考えです。話が逸れますが、同じ7極菅でも6A7とは各グリッドの接続や役割が違うんですね。etracerで特性を測定しましょう。プレート損失は取り敢えず1Wとします。発振・混合で使いませんから、G3は一定の電位でG1を信号入力として使います。【三極管接続①】・G2,G4(3番ピン)をPに接続・G3(4番ピン)をPに接続Ip+Ig2,Ig4+Ig3が赤、そのうちのIg2,Ig4+Ig3が緑です。びっくりした。グリッド電流めっちゃ流れますね。とりあえずプレートとグリッドの電流を分けて表示してみますIp+Ig2,Ig4+Ig3が赤。このIp+Ig2,Ig4+Ig3の合計値が出力トランスを流れる電流となります。そのうちIg2,Ig4+Ig3が緑です。焼き切れそう。(笑)因みにIpのみはこんな感じでした。実際にはG2,G4+G3の電流も足されて出力トランスを流れます。今回の測定結果のようにG2,G4+G3で電力を食いますが....規格表ですとG2,G4の損失は1Wまで許されています。なので、三極管接続の総合としてのPdを取り敢えず1.5W程度に見立てます。(1W+1W=2Wでもいいのですが)もう、そこに希望を見いだすしかありません。とりあえずそこでロードラインを引くとこんな感じです。Ep=175VEg1=-11.3VIp+Ig2,Ig4+Ig3=7.42mAIg2,Ig4+Ig3=4.86mArp=5033Ωgm=2266μSμ=11.4V/V20kΩのトランスを付けて7.5~8mA流して...0.27Wくらいでしょうか。【三極管接続②】・G2,G4(3番ピン)をPに接続・G3(4番ピン)をKにに接続Ip+Ig2,Ig4が赤。そのうちのIg2,Ig4が緑です。G3が0V電位になって電流が減った印象ですね。それならG2,G4に加えG3も全てプレート側に接続するのが三極管接続としては有利な印象です。因みにG3は0V以下の負電圧を掛けるとプレート電流が不安定になり測定を中止したので測定結果は載せませんでした。【五極管接続①】・G2,G4(3番ピン)を90V固定・G3(4番ピン)を90V固定Ipが赤。Ig2,Ig4+Ig3が緑です。【五極管接続②】・G2,G4(3番ピン)を90V固定・G3(4番ピン)をKに接続Ipが赤。Ig2,Ig4が緑です。なかなか立派な電圧増幅管として動作しています。①より綺麗に見えますね。五極菅として使うにはG3はK電位にするのがよさそうです。これって...中華アンプの6AK5を挿すソケットに6BE6を入れても動くというウワサは、この接続の動作によるものかもしれませんね。さて、題名後半の「その問題点について」ですが....定格動作から外れているということです。(笑)三極管接続ではG2,G4に大して明らかに過大な電圧をかけるわけで。そして、アンプに組み込む場合、G1には250kΩくらいが入りますし...。まぁ、難しいことは置いといてとりあえず音は出そうということが確認できましたので、これでよしとします。真空管は枯渇の一途を辿ります。動きそうな物を試しておく価値はあります。(言い過ぎか)