カテゴリ:真空管
6CW4という真空管を紹介します。
ニュービスタ(Nuvistor)管です。 とても小さく可愛らしいメタルキャンパッケージです。 オーディオ界隈では小柄なほうな5654(6AK5)と比べてみると... 更に小さいですね。 規格に関しては真空管(Electron tube) 規格表データベース「6CW4」規格表が参考になります。 日立の技報「日立評論1962年5月号 ニュービスタ 2B-H5 6CW4」も興味深いです。 また、ニュービスタ全体の情報に関してはケンさんのホームページ「真空管ニュービスタ物語」が参考になります。 ここに書かれているように、製造の困難さゆえに不良率が高かったようです。 実際に私は20個買って2~3個の不良(とりあえず通電するが、全然性能が出ていない)がありました。 そこから更に選別するのですが、本当に特性がバラけています。同じ品番の球とは思えないくらい。 20個買って3ペア取れたらいいほうで、完璧なマッチドペアは1ペア採れるか採れないかです。 ただし、双三極管(12AU7、12AT7、12AX7とかね)も双極マッチは殆どありませんので、ある程度合っていれば合格かなと思います。 そして特性のバラツキに加えて問題となるのは、 そう、特殊なピンアサインです。これが泣き所。 私は運良くソケットを入手できました。 アダプタを作ってみました。 因みにベース部はebayで買った7ピン真空管セーバーの下側(ピン側)を流用しています。 「基板連結用端子オス/メス シングルライン 1P」で代用出来ると言いましたが、すみません、ピン間が近すぎて代用できませんでした。 etracerで特性を測定しましょう。 ちょっと高すぎますが、130Vで3.5~4mA流れるところを探ります。(一般的な回路に組まれたときの状態はこれくらいかと思います) なお、プレート損失のラインは1.5Wとしました。 耐圧的に100V以下で測定するのが良かったかもしれません。 【1本目】 Eh=6.3V, Ih=0.14A Ep=130V Eg=-1.9V Ip=3.88mA rp=9832Ω gm=5653μS μ=55.6 【2本目】 Eh=6.3V, Ih=0.15A Ep=130V Eg=-2.0V Ip=3.98mA rp=9586Ω gm=5627μS μ=53.9 とても素直なIpカーブを描いています。 実際の動作電圧・電流を想定した測定結果ではμが55前後です。規格より低目に出ます。 rpは10kΩ。高μ管としては十分に低いrpと思います。 6AK5の三結よりrpが高くμも高いですが、「まぁ動くかな」という範囲には入っているかと思います。 TUBE-01Jに挿してみましたが、とりあえず動きます。 動作点とか音質とかどうでもいいんです。動けば。 動かすことが目的です。(煤けた6BQ5も動いているからOKです) 真空管は枯渇する一方ですので、このような使われない球も視野に入れて遊ぶのも良いかと思います。 というのは冗談です。(笑) 「当たり外れの多いニュービスタを大量に買って選別して更にアダプタまで作らなないとオーディオを楽しめない」なんて時代が来るとは、とうてい思えません。 普通に現行の定番真空管で遊んだ方が安上がりです。 皆さん、どうか道から外れませんよう....。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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>普通に現行の定番真空管で遊んだ方が安上がりです
同感です ロシアのウクライナ侵攻以降、ロシア製を中心に真空管も一段高です 私が使っているプリアンプは前段に2本、バッファー段に2本の6SN7を使用していますがペア×2セットだと2万円くらい掛かるようになりました あまりにバカらしいので最近は6SJ7を2in1のアダプター&三結接続で使っています これだと4本のIPを±2%以内に納めることが出来ます(24本買って4本マッチ×3セット取れた) 前段の6SJ7を6AU6に差し替えたら更に好結果が得られましたよ 東芝、NECの比較的新しい球を使っています 6AU6だと1本400~500円で購入可能ですから銘球にこだわる意味が無くなりました (Dec 24, 2023 08:11:15 PM)
プリマさん、こんにちは。
真空管、高騰気味ですね..。 特にヤフオクは一寸名の売れているメーカーは殆どが転売屋に持って行かれます。 6SJ7は三結にすると丁度6SN7くらいのμになりますね。 6AU6は7pinのMTなので、コンパクトにまとまるから使い勝手が良さそうです。 (Dec 24, 2023 09:00:11 PM) |
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