カテゴリ:真空管
以前紹介しましたWestern Electricの271Aを無謀にもTU-8200Rに挿してみようと思います。
オークションを通じて比較的安価に譲っていただいたもので、コンディションは大変良いです。 刻印ではない1960年頃の製造で、この頃は保守用で製造されていたのでしょうね。 まずはアダプタを作りから...。 完成するとこんな感じです。 準備としてはUY5ピンソケット、オクタルのピンプラグ、降圧DC/DCコンバータ、あとスペーサや線材等です。 前回紹介したPEN46のアダプタ同様の作り方をします。 UY5ピンソケットはアンフェノールにしました。 中国製はソケットの向きと取り付け穴位置が45度ずれているので、271Aを挿したときに見栄えがよくありません。 また、グリッドの3番ピンを後ろに向けてしまうとWestern Electricの印字が見えないため、前後向きを逆にします。配線がクロスしてしまうことになりますが我慢です。見た目優先です。 DC/DCコンバータの電圧調整VRを回して5Vに設定します。 とりあえずetracerに挿してみましょう。 良い感じですね。 ヒーター電圧も安定しています。 では、TU-8200R(魔改造品)に挿してみましょう。 (以前も書きましたが、私のTU-8200Rは左右独立6.0V4Aのスイッチング電源を内臓していますのでDC点火です。) (アダプタのDC/DCコンバータでDC5Vに落としているわけです) 271Aはrpが高いので、TU-8200R裏のスピーカーインピーダンス切り替えを4Ωにして出力トランスを見かけ上7kΩ程度にします。 それでも整合が完全に取れているわけではなく、以前紹介した4624シングルアンプのようにインピーダンスが合っていないトランスを見かけ上合わせる方法は特に低域がスカスカになります。(インダクタンスが全然足りてないので) しかし、ここでは、音質や最適動作が重要ではなく、「動くかどうか」が重要です。(笑) リュートなどの低音成分があまり入っていないものであれば遜色なく聴くことができます。 プレート電圧280Vで電流は40mA程度ですので、この球の動作の場合は0.3Wも出ればよいほうだと思います。 私のスピーカーは励磁式の30cmフルレンジで能率93~95dB程あるので、0.3Wもあれば十分です。聴く音楽もリュート音楽やルネサンス時代の宗教曲で静かにかけているので..。 ただ、注意点として、古典管は基本的にグリッドリーク抵抗の値は高くするとグリッド電流によってIpが増える方にバイアスが変動するので危険度が高いです。 TU-8200Rは100kΩです。271Aの規格表には特に指定は無いですが100kΩは結構高い数値であると思います。 今回はテスト運用ですし-30Vまではオートバイアスが効きますし、あくまで自己責任でやるお遊びとお考え頂ければと思います。 専用のアンプを作ろうとすると時間と労力とお金が掛かります。 人間の寿命は限られていますので、「とりあえず」「手っ取り早い」使い方も真空管の楽しみ方のひとつかなと思います。 真空管の正しい使い方に拘って真空管を使わずに人生を終えてしまうのは少々勿体ない気もしますよね..。 銘球を玩具のように扱うのが良いか悪いかは何ともいえませんが、使う権利は所有者にあると私は考えています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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エレキットの魔改造品というのが、面白いですね。
コンバータもスッキリ収まって、良い感じ。 どんな球でも挿せてしまう技はスゴいです。 WE-271Aですか。 真空管はとにかく灯を入れてみろってことですね。 ところで、今年もよろしくお願いします。 (Jan 7, 2024 01:33:37 AM)
真空管の達人さん
あけましておめでとうございます。 よくヤフオクで古典管を譲って頂くのですが、その前オーナーから「歳を取ってアンプ作りを断念しました。よろしくお願いします。」と、まるで私に託すようにそう仰られます。 「ああ、次は私の番なんだ」と思い、とりあえず「いつかアンプを作る」で温存せずに「とりあえず鳴らしてみる」とうようになった次第です。 高価な球だからちゃんとしたアンプにしなきゃという想いが足かせになるのかもしれません。 (Jan 7, 2024 07:59:25 AM) |
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