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イカタロウのぐーたら日記

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2006.03.20
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先週、娘の高校の卒業式がありました。
卒業証書を渡し終えた校長先生からの、お祝いの言葉のときです。
校長先生がこんなことを言われました。

「私は、卒業式で泣いたことは今まで一度もありませんでした。
なのに、今日は卒業証書を渡しながら取り乱してしまいました。
なぜなら、卒業証書を受け取る女子生徒の手が、なぜかマジックでよごれていることに気づいたからです。

最初は、卒業式なんだから、手ぐらいちゃんと洗ってきなさい、と思っていました。でも、次々だされる手がみな汚れている。そしてある瞬間気がついたのです。
生徒の手には、ボクに対するメッセージが書かれていることが。
『観ちゃん(先生の名)、ありがとう』『これからも元気でね』はては、『観ちゃん愛してる!』というものまでありました。
もう、ここでどうにも動揺を抑えきれなくなってしまいました。
卒業式という、こんなときでもユーモアと温かい心を忘れない○○高校の生徒は、本当にすばらしい……」

娘の高校は美術系の私立女子校で、確かにいわゆるフツーの高校とはずいぶんちがっています。校則ももちろんあるけど、みんなかなり個性的でのびのびとしています。学校側も、それぞれの個性をいかに表現し、のばしていくかということに重点を置いていたように思います。

なので、運動会にしても文化祭にしても、本当に生徒たちが主になって、
美術系らしい創造力を思いっきり発揮した、熱のこもった行事になっていました。

そんな中で、かなり著名な画家でもある校長は、生徒から絶大な人気を得ていました。そんな校長先生が、実は娘たちと同じにこの春で校長を退官されることになっていたのです。
同じときに、卒業!ということもあって、なおさら生徒たちは日ごろの親しみと感謝をこめて、このようなメッセージを考えついたようです。

長男が公立高校を卒業するときには、国公立大学に何人合格させたかということにのみ終始していた学校に、本当に失望しましたが、
(気の毒な息子の担任は、まさにノルマにしばられる営業マンそのものでした)
娘の卒業式はその全く対極。
本当に、これまでの学校生活を惜しみつつ、それぞれの門出を祝う式でした。

美大の付属高校であるため、いわゆる普通の受験をしなくても大学進学ができるという、ある意味甘い高校生活ではあったものの、
子どもたちは決して進路をいい加減に考えているのではありませんでした。
娘の友達の中にも、映画作りを本格的に勉強したいとか、CGを実践的に勉強したいからと、あえて専門学校を選択した子もいました。
また、クラスメートの中には高校の途中で和裁をやりたいからと、転校した子もいたのですが、卒業アルバムには、みんなと一緒に笑顔のその子の写真もちゃんと入っていました。

卒業式の夜には、某ホテルで謝恩会も催されましたが、
これまたやはり○○○高校!
生徒に先生の余興まであっておおいに盛り上がりました。
なかでも感心したのが先生へのプレゼント贈呈。
各クラスごとに担任の先生にプレゼントを渡したのですが、
「○○先生は、いつも地味な色のものばかり着ているから、
たまには、こんなカワイイのも着てみたらいいのでは、と選びました」と
オシャレなカットソーを選んできたクラス、
また「先生は1人暮らしだから、この鍋でぜひ鍋パーティをして私たちを呼んでください」とお鍋を送ったクラス。

ありきたりの記念品ではなく、本当にそれぞれの先生が好きで、先生が一番喜んでくれるものをと考えて選んでいることがよくわかりました。

誰に言われるからするのではない、自分たちで何をしたいのか、そのためにはどうしたらよいのかを自分で考え行動できる教育とは、こういうことなのではと、目からウロコの気分でした。

もう○十年前のことながら、フツーの公立高校でフツーに受験に追われた?!私には、つくづく娘がうらやましくさえ思えました。

人気者の校長が「今日こうして巣立っていくあなたちにとって、○○○高校は母校です。でも、私は『母校』は『母港』でもあると思っています。あなたたちの行く手には、うれしいこと楽しいこともあるけれど、それ以上につらいこと、悲しいこともあるかもしれない。そんなときには、いつでも帰ってきなさい。先生たちはきっといつでもなにかしら力になれるよう、待っていてくれるはずです」と最後にスピーチをしめくくったときには、
私も、つい涙腺がゆるんでしまいました。

どうか、こうして巣立っていく子どもたちの未来が、素晴らしいものでありますように!!






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最終更新日  2006.03.20 18:49:22
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