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『犬の鼻先におなら』

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2010年03月30日
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(1)の続き。

 『ゴルディーニ車にのった男(L'HOMME LA GORDINI)』監督:ジャン=クリストフ・リー 10分00秒
 アニメ。タッチは欧州のカトゥーン(時事風刺一齣漫画)のザックリ荒削り感。内容も風刺物。バカパワーの疾走感が溢れています(誉め言葉)。
 ここはオレンジ一色の町。オレンジ色以外の色を身につける事は許されていないファシズム社会。その町を失踪するブルーの車。その車の人物は密かに青い服飾品を配っているのでした。
 主人公はその禁断の青い服飾品を身に付けるも、当局に発見され、身包み剥がされ、おっぽり出されます。
 しかし、懲りない主人公とその彼女、そして青車の男は再び抵抗運動を続けるのでした。

 この映画の馬鹿馬鹿しさ。
 この町では「オレンジ色」を身につける事のみが重要なので、他は関係ないのです。
 登場人物は何故か全員フルチン(^O^)(オレンジ色云々より先ずそっちだろうが(笑)。

 バカパワーは好きなので、こういう映画は結構ツボに嵌ります(決して「フルチンが好き」なのではない)。
 しかし、込められたテーマの「全体主義批判」は古いスタイル。「一握りの悪の独裁者が嫌がる民衆を無理やり強制して管理する」というファシズム像は、曲がりなりにも民主主義的政体である先進諸国では、もういい加減改められるべきでしょう(フロムの『自由からの逃走』ってもう古典だと思うがな)。
 案外フランスは“古臭いインテリさん”の多い所なのかも知れません
 いや、もしかするとこれ、「俺達フランス人は偉いんだぞ。ドーダ」映画なのかも。「ナチスと闘った」というのがフランスのウリですからね(もっとも、この「ナチスと闘った」という「フランスの偉大さ」は多分に神格化されている面が多いようです。)


『ジル・コーポレーション(GILLES CORPORATION)』監督:ヴィアネイ・ムルヴィル 7分30秒 
 劇映画。ギャグ系、ブラック系の笑い。
 田舎の農夫の親父、ジル爺さんは「商売考えるなら、これからは中国だ(どこにあるかは知らねぇけど)」と考えた。そこで、彼は中国人に人気のある「パリっ子」の輸出を企む。牛や鶏のように「パリっ子」を捕獲し、飼育するのだ。養殖で増えた「パリっ子」の中にはグレる奴もいる。パンと射殺。「仕方がないんだ。他のパリっ子に伝染しちまう」。その他、iPodを餌にしておびき寄せ、ストンとプレス。100%パリっ子のパテの出来上がり。ジル爺さんの商売は大当たり。

 描写はベタです。「パリっ子のパテ」などガラス瓶になにやら内臓系の物が入っている物が示され、ちょいとグロ。全体的に大味の演出。バカギャグの世界(笑)。
 フランス人ではないので、どの辺に風刺の要点があるのか、掴み辛いですね。中国の経済的影響力の拡大。実はフランス人自身もそれに迎合しているんだ(つまり、自分達で自分達を売っているんだ)という皮肉なのか。それとも単純に、なんか威張っている、軽薄な「パリジャン」を動物扱いしたら面白かろうというギャグなのか(フランスって実はお百姓さんが多い国)。
 さらに制作者にも予想できなかっただろう感想。見てるのは今回、日本人。
 日本で「パリジャン」はもてるでしょ。「おフランス」というだけで後光効果抜群。「輸出品」という言い方はストレート過ぎますが、おフランスの「輸入国」側の日本人としては、ギャグというより、「輸出側」の商魂逞しい“本音”を覗き見ちゃったような、そんな“リアル”感。

 純粋に“ロジカル”な笑いは、民族、国家、いや時代すら超越して、哄笑を呼びますが、社会、政治風刺物はなかなか、そうは行きません。これは、本質的に「社会」「政治」といった領域は、(しばしば“ロジック”に立脚した議論が行なわれるにも関わらず)実は“ロジカル”なものではないからではないでしょうか。


 『ドンデ エスタ キム・ベイシンガー?(DONDE ESTA KIM BASINGER?)』監督:エドワール・ドリュック 30分00秒
 モノクロの劇映画。ユーモラス且つメランコリック。第35回セザール賞ノミネーション(短編映画賞)だそう。
 いとこの兄弟を祝う為、アルゼンチンを訪れた兄弟。しかし、弟の方は彼女に振られ、自殺も考える欝状態。弟を励ます為、二人で「キム・ベイシンガー似の子もいるよ」のポン引きについて行くも、そこは酷いぼったくりバーであった。ワッと逃走。人生なかなか難しい。

 兄弟はスペイン語は喋れないという設定の割には、まあまあ喋れている。日本人が台湾旅行をして、全然喋れないという設定ながらも筆談でなんとかするようなもんですかね。
 なお、女の子とカラオケ歌っただけの、ぼったくり金額は500ユーロ。6万円以上ですね。私も逃げ出します。


 『行くぞ!アロンゾー!(ALLONS-Y! ALLONZO!)』監督:カミーユ・ムラン・デュプレ 7分52秒
 演出が凝ったアニメーション。ウィットとスピード感溢れる作品。
 ジャン=ポール・ベルモンド似の初老の紳士が、美女を追って駒割漫画の中に飛び込む。展開されるハードボイルドの世界。
 漫画の駒自体を使ったギャグ(他の駒から銃撃されたり)などが多用されていました。ジャン=ポール・ベルモンドへのオマージュ作品だそうです(『リオの男』『カトマンズの男』の世界だな)。 


 『血のつながり(DANS NOS VEINES)』監督:ギヨーム・セネズ 16分00秒
 暴力的な糞ゲームに熱中している17歳の少年。傍らには妊娠している彼女。どうもこの少年はニートらしい(フランスのニートには彼女がいるのだ)。自堕落な生活を送る毎日。彼女からいよいよ出産すると電話が来ても、病院に行きもしない。外で喧嘩をして帰ってくる始末。全く父親の自覚なし。しかし、病院で自分の赤ん坊を抱くと、彼には心境の変化が訪れたようなのであった。その後の幸福を予感させるエンディング。
 
 「頑張れ、幸多かれ」と思いますが(現実に世界中にこうした少年は多いと思う)、甘い気もします。
 “コドモ”が子供を生んで、生んだだけで、育てない。育てないどころか虐待して殺す。珍しい事件じゃなくなりました(日本だけではないと思います)。
 これじゃぁ、結末を“情緒”に逃げただけだよな(虐待親だって、赤ん坊を始めて抱いた時は、やっぱり厳粛で幸福な気持ちになったと思うのだ)。せめてこの先、この少年がちゃんと父親になる為には、前途多難だという事ぐらい暗示しておくべきじゃないのか。
 もう一歩、踏み込んで制作してくれたならなぁ、と少し残念。

 「人口増に転じたフランスの政策に見習おう」式の発言をする識者いますが、どうなんでしょうか。ヒトが増えても“人間”が増えるとは限らないのじゃないでしょうか(ヒトデナシが増えるだけだったりして)。もし見習うとすれば、その先の「フランスではヒトを如何にして“良きフランス人”にしているのか」まで見据えないと駄目でしょうね。


「ラ・フランス」初めて食べた時は「形も妙だが、香りはもっと妙」と思ったもの。今は結構好き。





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最終更新日  2010年03月30日 07時04分53秒
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