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雀坊の納戸~文鳥動向の備忘録~

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2015年05月24日
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 2月2日に脳幹出血で緊急搬送されたタヌキ(父)について、行きがかり上記録しました。とりあえず、四十九日の法要及び納骨が済み、香典返しも送り届けて、一連の「非日常」が終わりましたので、その後の経過を、備忘の書き留めから抜き出して編集しておきます。

2015年2月

 9日、痰を取るためか、右顎下あたりから穿刺されている以外は、土曜日から変わらず。金曜日よりも目が開かず、呼吸音がやや激しいので、衰弱している印象を受けるが、薄目でも見えているらしく、コピー用紙の印字(「 」部分)にも一部で反応を示した。
 1枚め「今日は、2月9日(月曜日) 一昨日(土曜)は、面会中熟睡 昨日(日曜)は、雨で休み 一般病室ではないので、面会は家族のみ10分間」 これには、ほぼ反応なし。
 2枚め「病名は、脳幹出血(のうかんしゅっけつ)・・・頭の奥のほうの出血 【脳みその略図】」 これにも、ほぼ反応なし。
 3枚め「◎糖尿病や高血圧で血管はボロボロ→出血しやすい ◎ワーファリンなどの薬で血がサラサラ → 出血が止まらない →首から下の左半身と頭の右側が麻痺飲み込んだり話したりが難しい」 これを見て、口をモゴモゴ動かしだし、左腕を揺すろうとしていた(肩のあたりは動く)。
 4枚め「なるようにしかならないので、静かに寝てなさい!」 動作を止め、静かになった。

 本人としては、目も見える耳も聞こえる、声も出せるし体も動く、ダイジョウブだから、家に帰ってコタツで麻雀のテレビゲームしたい、といったところだったかと思う。せっかく、何もせず、食べることも大小便の心配もいらない状態になったのだから、次から次に、哲学的命題や、学問的考察や、人生の節目での行動の反芻や、いっそファンタジーの脳内創作にでも励めば良いものを、と私は思った。


 11日、血圧が高いとのことで、治療中であった。高血圧なら脳出血して不思議はなく、まして糖尿病でありながら、血糖の「数値はいい」などと、免罪符を手にしたつもりになり(私はこれを愚かな患者に言った医者は、臨床医として軽率にすぎると思っている)、なぜか漬物などを作っては、麻雀の際につまみ食っていたらしいので、これも必然であり、苦しくても自業自得としか思えなかった。
 薄目しか開かず、肌は荒れ、手はむくみ、衰弱した印象で、左手をカバーしていたものも外されていた。もはや拘束の必要もないようで、見えるのかどうかもは怪しいが、いちおう印刷物を見せる。
 1枚め「今日は、2月11日(水曜日) 建国記念日で休日  昨日、母は、書道教室 【私の名】は、前川図書館へ行き返却」
 2枚め「病名は、脳幹出血(のうかんしゅっけつ)・・・頭の奥のほうの出血  脳幹は、はちゅう類脳ともいって、基本的な身体活動をさせている部分 → 部分的に出血したので一部が麻痺→ 回復にはリハビリが必要 勝手に手を動かすと、暴れてると思われる。お医者さんたちの話を聞いて、それに、しっかり反応するように」
 3枚め「ものを考えたりする大脳は、無傷→ 開く左目は見えるし、左耳も聞こえる。 ◎ ゆっくりいろいろ考えて、くたびれたら寝る(素敵な生活)。◎ 片手でも動くようになれば、テレビを見て時間をつぶせる」
 4枚め「明日は、【姉の名】と【姪の名】が、見舞いに来る予定。 いびきをかいて熟睡していると、意識不明の重体と思われるので、注意」
 あまり本当のことも書けないのだが、嘘も書く気はないので、悩ましいところであった。反応は特になし。
 
 
12日、姉が2人の娘と見舞いに来たとのこと。
 夜になって、病院より、明日の午後6、7時に担当医より説明をしたい旨、電話連絡有り。
 
 
13日
 前日、看護師さんより、フェイスタオルとお尻ふきを持ってくるように指示があったそうなので、スーパーでその類を用意し、早く夕飯を済ませ、文鳥の放鳥準備をした上で、午後5時45分、自転車で病院へと向かった。夜間に足弱の母を連れて行く場合は、タクシーとなってしまい、やたら無駄な時間とお金が必要になるので、一人で行く。
 タオルなどを病床の横の棚に入れ、病人の様子を見る。左目はしっかり開いているが、見えていないかもしれない。手は一層むくみ、口は何やら音を立てているが、総じて弱々しい。特に印刷物は用意していないので、バイバイ、と観察はさっさと切り上げ、看護師さんに呼び出しを受けている旨を告げ、ナースセンター前のイスに座って目をつむって寝てしまう。
 しばらくして、寝ぼけ眼で見上げた先に俳優の谷原章介さんに似た感じのお医者さんがいて、向かいに腰掛け、病状をご説明になった。出血は止まっているものの脳幹部の損傷は進み、両手足が動かせず、呼吸も弱々しい・・・。要するに、いつ心臓が止まってもおかしくない状態、と言うことであった。前回の説明時は、まだ元気がありリハビリの話もしていたので、病院側としては、亡くなる前に、家族に危篤状態を告げる必要性を感じたものと解釈した。
 

15日
 午後3時すぎ、自転車で病院に行く。自分のことなのに、知らされないのも、かえって不安だろうから、この際、あまり気は進まないが、引導を渡してやろうと思い、コピー用紙に印字をして持参した。困った時などに、立ちすくんで、誰かの指示をひたすら待って動かないタイプは多く、この永遠の指示待ちスタンスに対しては、自分で考えて対処しろと言ったところで、どうしようもないのだ。
 父の場合は、健康麻雀クラブを創った時も、自分では「麻雀がしたいなぁ・・・」と思うだけなので、まったく興味のない私が(引越し前後の混乱で身も心も疲労の極)、事務的な必要事項を調べてアレコレソレコレと指図しなければならなかったが、そういった経験上、おそらくこの期に及んでも、私からの指示を待っているように思われた。
 最近、休日に電設工事をしているらしく、院内は薄暗く工事関係者が所々にいる。病人は何やら吸引中だったためか、起きており、左目がしっかり開いていた。これ幸いと、一層大きく印字したコピー用紙を見せた。
 「2月15日(日曜日) 13日に、医者の説明を聞いた」
 「脳幹部が損傷して、手足はすべてマヒ呼吸も弱々しい」
 「日本の男の平均寿命80歳 【父の名】さんは77歳」 
 「糖尿病・高血圧なのに、塩分の多いもの、甘いものを食べれば、」 
 「3歳たらないくらい当たり前だよ」
 「せっかくの時間だから、楽しいことだけ考えるといいよ」
 文字を目で追っている気配で、何やらもごもご言っている。これは、多少でも自覚したものと判断して、ポンポンポン、と肩をたたき、「難しいことは、考えないように」言い置いて帰った。難しいことを考える頭は、元からまったく無い人物で、およそ哲学から程遠く、食べ物、それも近所の図書館に行った際に、家族に内緒で数皿つまんでくる回転寿司やら、私が希に夕食の際に飲むお酒のおこぼれの味、麻雀クラブで役満であがった程度の妄想で、脳内が幸福な状態になって、フワフワ意識が混濁していけるはずで、そのお手軽さ加減を、少々うらやましくも感じられた。






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Last updated  2015年05月24日 15時55分58秒
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