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ジルコニアの気まま日記

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ジルコニア5519

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天衣無縫傍若無人なトークで、リスナーをはじめ、スタッフと相方すらも圧倒する噛み様『風音様』と風音様をはじめ、ゲストやスタッフが投げかける、どんな球も打ち返すそのトーク力で番組を牽引する『荻さん』がメインパーソナリティーのインターネットラジオステーション『音泉』でNO.1の人気を誇る番組っす↓


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2017年08月05日
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「う・・・うぅ・・・」
 ギリギリと締め上げられる頭に激痛が走る。
 「ゼロスさん・・・やめ、やめてよ・・・」
 彼がその手の力を緩める気は全くないようだ。
 「ふん、もう少し遊べるとは思ったが、やはり所詮は人間。これくらいか」
 「ゼ、ゼロスさん・・・お願い・・・やめて、私達。本当に貴方と戦うつもりも、傷つける気もないんだよ・・・」
 「まだそんな事をいうか、そんな戯言を言う口を今から塞いでくれる」
 ゼロスさんの私の頭を掴む力がドンドンと強まっていく・・・
 「うぅ・・・駄目・・・」
 ギリギリと締め上げられ、それによってだんだんと私の意識も遠のいていく感じが自分でもわかる。
 こ、このままじゃ・・・このままじゃ本当にウリエルさんが言った通りになっちゃう・・・
 何か・・・何かないの?
 「とどめだ、貴様のその綺麗な顔を潰してやる」
 も、もう・・・駄目。ここで私の冒険は終わっちゃうの?
 自らの死を覚悟しなきゃ駄目なのかな・・・まだ、まだ諦めたくない。
 まだ私はここで死ぬわけにはいかないんだよ!!
 「!?」
 と、その時だったよ。急に私の頭を握るゼロスさんの力が弱まった。

 ドサッ!!

 「うぅ~・・・痛い、痛いよぉ・・・」
 今まで全力でゼロスさんに握られてたこめかみ部分を涙目になりながらなでた私の方へと、驚愕の表情を浮かべながらゼロスさんが詰め寄ってきたんだよ。
 「お、お前!?その、その腕にあるものは・・・」
 ただ、そのゼロスさんにさっきまでのような圧倒的な破壊の衝動だったり、敵意を感じることはない。
 そして、彼は私の左腕を掴んで、持ち上げその腕についてるモノを驚きの表情を浮かべながらも、懐かしいモノを見るように慈しむ表情で眺めてきた。
 その彼が眺めてきたのは、お母様から貰った天使の装飾の施されている魔法のブレスレッドだった。
 「お前・・・このブレスレッド・・・一体どこで!?」
 「これはお母様から去年旅に出る時にザイート家に代々伝わるものだ、って言って渡されたモノだよ」
 「そうか・・・まさかお前、本当に俺の子孫・・・ザイートの血を引く者だったというのか・・・」
 「うぅ~・・・だから最初にそう言ったのにぃ・・・」
 ゼロスさんの表情を見てみると、そこにはもうさっきまでの狂気の色は完全に姿を消し去り、そこに見える彼の表情はとても穏やかなモノに見える。
 「あぁ、確かに良く見てみればスローネの面影が・・・」
 そう言った彼の瞳には涙がうっすらと見えていた。
 「すまなかった・・・いくら気がたっていたとはいえ、このような荒事をしてしまって」
 「よ、よかったです・・・何とかウリエルさんの言った最悪の結末にはならずにすんだみたいですね」
 「いっててて・・・でも本当に死ぬかと思ったぜ」
 「うぅ~・・・ひどいですわ」
 彼は申し訳なさそうに皆に謝罪をしていたんだけどね?
 「ゼロス、正気に戻ったのですね」
 ゲティンの姿を改めてみた彼はさっき私が子孫だと気付いた時よりも更に驚きの色を濃く、本当に信じられない。この世に存在してはいけないモノでも見たかのような表情を浮かべたんだよ。
 「なっ!?な!!」
 「どうしたのです、ゼロス?」
 「母上!?母上!?い、いや・・・でも、まさか・・・母上はあの時死んで・・・」
 あぁ、そうか。そういえばゼロスさんのお母さんはゲティンのお姉さんだって言ってたっけ。
 似ててもそりゃ当然か。
 それに気付いたゲティンは申し訳なさそうな表情を浮かべたよ。
 「いえ、残念ながら私は貴方の母ではありません。ですが、貴方の母であるサレスの妹のゲティンといいます」
 「そ、そうか・・・母上に妹がいたと聞いてはいたが、まさかこんなにも似ているものとは思ってもいなかった」
 「ゼロス?話は聞いています。色々と辛かったでしょう。でももう大丈夫です」
 「う、うぅ・・・」
 ゼロスさんの方へと近付いたゲティンは、そのままゼロスさんをギュッと強く抱きしめた。
 そして、ゼロスさんの方も今まで塞き止めていた何かが崩壊したんだろう。大粒の涙を流しながらゲティンを強く抱き返していた。
 暫くの間、そうして抱き合ってたんだけど、落ち着きを取り戻し、それを解いたゼロスさんはこっちに振り返るとばつの悪そうな顔をして頬を搔きながら声をかけてきた。
 「このたびは本当にすまなかった、皆はここへは何をしに来たんだ」
 「そうそう、それで今日はゼロスさんにお話があってきたんだよ」
 「そうか、なら俺の家に来てくれ。そこで話を聞こう」
 私達はゼロスさんに連れられて、広場から少し離れた場所にある木で出来たログハウスに招き入れられた。
 簡単に自己紹介をした後、ここに訪れた本題をゲティンの口から話始めたよ。

 第45話   聞く耳なしか  その2.終わり
 第46話 ゴッド・オブ・デス その1.へ続く





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最終更新日  2017年08月05日 02時44分28秒
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