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カテゴリ:ドラゴンクエスト4 導かれし者達
コンコンコン。
「どちら様ですかな」 「あたしは力試しの旅をしてる旅人で、旅の途中でこの村に立ち寄ったんだけど、気になる話を聞いたもんだから、詳しく聞かせてほしいと思ったのよ」 「はい、私たちで何かお力になれることがあれば」 「お話だけでも聞かせてはくれませぬかな」 あたし達の言葉を聞くと村長さんは手をこまねいて中に迎え入れてくれた。 「すでに村のモノから話は聞いているとは思いますが、村の為に娘のニーナをいけにえに差し出さねばならないのです・・・本当はそのようなことはしたくありませんが、怪物たちは強く我々には抵抗する力がないので従うしかないのです……」 そういった村長さんの表情はなんともやりきれないように見えるのがつらい。 「どこかに怪物を退治してくれるような強いお方はおられないものか・・・」 そう言いながらチラチラとあたし達を見てるんだけど・・・w 「まぁ、そのためにここに来たようなモノだし?もちろん受けてあげるわよ」 「なんと、あなた方が!?」 あたしの返答が意外だったんだろうか。村長さんはきょとんとした表情を浮かべたわ。 「見たところあまり強そうには見えな・・・」 ・・・は?何?この村長はこの村を助けてほしくないわけ??? 「あ゛?」 ちょっとイラっとしたから睨みつけてやったら、慌てた様子を見せてきたわ。 「あ、いやいやいや!気を悪くされたなら申し訳ない」 「平民風情が・・・姫様になんて口を!!あぁ、これがお忍びの旅でなければこの場で姫様の素晴らしさを説いていたというのに・・・」 「姫様になんとご無礼な口を・・・」 ぼそぼそと呟く2人だけど、とくにクリフトの表情がやばいわねw 神官にあるまじき凄い顔してるわよ。 「今は藁にもすがりたい気持ち・・・やってくださるというのであればお願いしたい!」 「まかせときなさいよ」 「怪物たちへのいけにえに関しては協会にいる神父に一任してあるので、是非神父さんに会ってくだされ」 村長さんの家を出た後、あたし達は教会へとやってきていた。 「迷える子羊よ、教会へはどのような御用で?」 「この村が悪い怪物たちの被害を受けて困ってるって聞いたのよ。それで、その怪物をあたしが退治してあげようと思ってきたの」 「なんと、怪物退治を!?本当にですか!!」 「この地に立ち寄ったのも何かの縁、困っている人たちを放っておくわけにもいかないでしょう」 「我々でお役に立てるのであれば、それほど嬉しいことはありませぬ」 「ありがたいことです。ですが怪物が姿を見せるのはいけにえが捧げられた時のみ。はっ!?まさか貴女方がそのいけにえの身代わりになっても良いと申されるのですか!?」 「怪物がいけにえが捧げられた時にしか出ないっていうならそうしないわけにはいかないでしょ?」 「おぉ・・・神よ。なんとありがたいごとじゃ」 神父さんは嬉しそうに両手を胸の前で組み天を仰いだ。 「では早速いけにえの籠を呼ぶとしよう。準備はよろしいか?」 神父さんが近くにいた村人の元へと駆け寄っていくと、その村人は驚いた様子を見せながらも教会の外へと駆け出していった。 そして、じきに教会の中に籠が運び込まれた。 「さぁ、どうかあの籠の中へお入りください」 あたし達は早速籠の中へと入った。 「おぉ、神のごカゴがありますように!!」 「ちょっと神父さん?シャレを言ってる場合じゃありませんよ」 「う、うむ・・・そうであったな。それでは頼みましたぞ。旅のお方たち」 あたし達を乗せた籠は村の奥へと移動を始めたのだった。 第10話 呪われし村 その2.終わり 第11話 怪物退治! その1.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年11月11日 06時28分07秒
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