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カテゴリ:ドラゴンクエスト4 導かれし者達
あたし達が村を騒がせていた怪物を倒した翌朝。
「う~ん・・・良いことをした後の朝っていつも以上にすんごい気持ち良いわね」 「そうですね、昨日この村へ来た時と比べると村の民の皆さんの様子もだいぶ明るくなりましたし、それを見るだけでも良いモノです」 「そうですな、理由はどうあれ。このようにご自身の統治される村の1つを救われた。その事実はきちんと残りますしの」 宿屋を出た後、あたし達は怪物のいけにえとして捧げられ犠牲となった娘たちのお墓へと向かった。 すると、昨日そこで暗い表情を浮かべながら墓前で手を合わせていたお母さんが瞳に涙を浮かべながら嬉しそうにこちらに振り返った。 「お嬢ちゃん達、今回は本当にありがとう・・・死んだわたしの娘もようやく安らかに眠れるよ」 「死んでしまわれた方たちはもう戻っては来ませんが、それでもこれから産まれてくる命を村全体でしっかりと守ってあげてください」 「えぇ、もちろんよ」 「それじゃ、あたし達はそろそろ行くわ」 挨拶もそこそこに、お墓を離れたあたし達の視界の中に村長さんが入ってきた。 彼は誰かを探しているんだろうか?キョロキョロと落ち着きなく辺りを見回して・・・と、その時だったわ。 あたし達の姿を見つけると彼は駆け足でこっちに向かってきたのよ。 「おぉ、皆さまお早いですな。探しましたぞ」 「おはよう、どうしたの?」 「いえ、改めてお礼をと思いましてな。それでお探ししていたのです」 「そんな別にお気になさらずとも」 「はい、我々は神の導きの元、当然のことをしたまでですので」 「うんうん、そうよ」 「いえ、しかし昨日あのように失礼なことを言ってしまいましたので、そのお詫びもしたいと」 昨日失礼なこと???なんかあったっけ。 「私の娘・・・いえ、この村を救ってくださった英雄に対して、最初失礼にもあまり強そうでないと言ってしまったことをお詫びしなければと」 「あ、あ~・・・」 「すっかり忘れてたわ。そういえばそんなこと言われたわね」 「確かにパッと見た目だけでしたら、姫様は可憐な女性ですからね」 「クリフト?ちょっと何その引っかかる言い方」 「あ、し、失礼いたしました」 「それで、確かお嬢さんは力試しの旅をしている最中とか言われていましたな、確か」 「えぇ、そうよ。それでこの後はここからぐるっと東の方へと向かおうかと思ってるのよ」 「それでしたらお嬢さんに耳よりは話があるのですよ」 耳より?何かしら 「この国の南東にある祠からエンドールに行けるということはご存じですかな?」 「もちろん、そこを通ってエンドールにも足を運ぼうかと思ってる最中よ」 「実は今、そのエンドールでは武術大会というモノが催されているようで、世界各地より腕に覚えのある猛者たちが集まっているとか。お嬢さんほどの腕前なら優勝も夢ではないのではないですかの」 (武術大会などとんでもない……全く、村長さんもいらんことを言いおってからに・・・ぶつぶつぶつ) 「エンドールで武術大会ですって!!」 世界各地から腕に自信のある猛者たちがわんさか!? あぁ、もうその言葉だけでテンションあがるわ。 「エンドールが、まだ見ぬライバルたちが・・・あたしを、呼んでる。エンドール・・・エンドールに是が非でも行くわよ。あぁ、武術大会」 正直もう村長さんの話なんて耳に入ってなかった。 もう気持ちはエンドールでの武術大会でいっぱいだった。 今すぐにでも行きたい、一刻でも一秒でも早く行きたい! 「ありがと村長さん!!それじゃ、あたし達早速エンドールに行ってくるわ!」 村長さんに軽く挨拶をしてからテンペの村を後にしたあたし達。 「はぁ・・・エンドールの武術大会もそうですが、今回の怪物退治で姫様が調子に乗らないとよいが・・・」(ぶつぶつぶつ 「今回の怪物は案外大したことなかったから実際のとこ消化不良だったのよねぇ。まぁ、あたしが強すぎるだけなのかもしれないけど。でも、そんなあたしの欲求不満を解消してくれるエンドールの武術大会、あぁああああああああああああああ、今から楽しみだわぁ!」 第11話 怪物退治! その4.終わり 第12話 偽物出現? その1.へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年11月25日 20時57分19秒
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