よく出来ているけれど二度と見たくない映画 『ファニーゲーム』
ファニーゲーム(DVD) ◆20%OFF! 昨夜が久しぶりの外食で、おなかがすいていないので今朝は林檎だけ。 最近、荒木飛呂彦の『奇妙なホラー映画論』でほめられていた作品を中心にDVDを観ています。最初の項目が「ゾンビ映画」になっているなど、私の好みとはかなり異なるのですが漫画という実作者の視点で描かれたホラー映画論。やはり面白いです。 もともと、同じ視覚と言葉による作品ということで映画が漫画に与えてきた影響ははかりしれないものがあります。漫画家に映画通が多いのも頷けます。 で、ジャンルとしてはホラーでないものもたくさん取り上げられているのですがその中で興味を持ったものを観ています。これもその一つ。 いろいろな映画祭で賞を取っているハネケ監督の作品。今のところ、もっともメジャーな作品かもしれません。なんといってもハリウッドリメイクも監督自身で行っているし、配給が違いますからね。 別荘にやってきた裕福な三人家族。それがいきなり侵入してきた二人の若者によって、ひどいことになっていきます。 かなり理不尽。なぜなら、怨恨でも物欲や性的な欲求にかられたわけでもなく、ただただ「ゲーム」として被害者を蹂躙していく様が淡々とした演出で描かれているからです。 もう、背筋が凍り付きます。暴力シーンは見せない、などいわゆるハリウッドサスペンスやスリラーとは逆の手法。それでもとても怖いです。 犯人の表情とか。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、とても不快な映画。そうなるように計算され尽くして作られています。 相変わらず、この監督の映画は観たあとしばらくずしーんときますね。 完成度が高く、終わってからもう一度最初の場面から数分だけ見直したのですが全部見ることは出来ませんでした。 精神的につらすぎます。この監督、かなりサディストというか、携帯電話の扱い方とか本当に残酷です。 よく出来ているけど、二度と見たくないなあと思った作品。