123721 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

素敵な旅をしよう♪

素敵な旅をしよう♪

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

天鳥そら

天鳥そら

Calendar

Category

カテゴリ未分類

(38)

☆はじめに☆

(1)

☆お知らせ☆

(2)

☆☆一斉ヒーリング記事☆☆

(26)

つれづれ

(57)

夢話

(8)

不思議体験

(43)

【物語】竜と人魚

(26)

【物語】Starting Is Beautiful

(40)

【物語】幸福のひと

(32)

【物語】幸福のひと:ルエラとリク(番外編)

(7)

【物語】幸福のひと:遺品(番外編)

(13)

【物語】幸福のひと:王様とマリー(番外編)

(27)

【物語】はじまり

(74)

【物語】はじまり:はじまりのひと(番外編)

(14)

【物語】桃源郷

(29)

【物語】桃源郷:桃月

(10)

【物語】桃花幻想記

(49)

【物語】桃花幻想記:秘密の小瓶

(8)

【物語】桃剣幻想記

(21)

【物語】桃源郷:龍水湖

(11)

【物語】桃源郷:来訪者

(16)

【物語】祈りの人

(11)

【物語】祈りの人:癒し人

(12)

【物語】祠

(17)

【物語】祠:異世界

(9)

【物語】祠:泉

(10)

【物語】祠:喜び

(16)

【物語】祠:青鷺

(14)

【物語】祠:ティータイム

(16)

【物語】祠:蓮華

(12)

【物語】祠:檜

(7)

【物語】祠:森

(11)

【物語】祠:灯台

(8)

【物語】祠:命

(15)

【物語】祠:黄金

(14)

【物語】過去世:三兄妹(長編)

(19)

【物語】過去世シリーズ(短編)

(14)

【別ブログ】☆夢風船☆

(6)

【別サイト】おとぎの国

(1)

読書

(11)

絵本

(17)

映画

(3)

健康

(4)

神社・仏閣

(10)

おでかけ

(1)

アート

(33)

アートのお申し込み

(1)

オーラソーマ

(13)

スピリチュアル

(4)

伝授の感想(受けたもの)

(6)

楽天旅ノート

(11)

英語学習

(4)

マンガ

(2)

楽天アフィリ

(1)

ネットビジネス

(1)

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

地球という多次元宇… たんたん4531さん

【楽天ポイントモー… 楽天ポイントモールさん

のんびり、やさしく。 さつきのひかりさん
なにが見えてる? umisora1897さん
尚さんの気まま暮らし Naoさんさん

Comments

天鳥そら@ Re:一人暮らし(12/15) 背番号のないエース0829さん はじめま…
天鳥そら@ Re[1]:本の紹介(05/25) pyoさん >こげぱん旅日記、沖縄編を持…
pyo@ Re:本の紹介(05/25) こげぱん旅日記、沖縄編を持ってますよ~…
天鳥そら@ Re:きれー(04/30) ジゼルさん 綺麗に撮れて、嬉しかった…
ジゼル@ きれー 光と影と緑のコントラストがきれい(^^)
2012.06.23
XML

祈りの人:癒し人 11

 ~地蔵菩薩~


小さな島の、小さな村の片隅に、これまた小さな
教会がありました。
古く崩れ落ちてしまいそうな建物に、赤や黄色のステンドガラスが
はまった窓。
そのまま、まっすぐ天に向かってのびる三角の屋根のてっぺんには、
鈍い黄金色の鐘が、大きく音をたてて揺れています。

リンゴーン…リンゴーン…

村中に、いえ、島全体に、響き渡る鐘の音に、
村の人は顔をあげて微笑みます。

「そろそろ、お昼にしようかね」

鐘の音を聞いた一人の老婆が、そばにいる夫に尋ねます。
夫はしわくちゃな顔をほころばせて、うなづきました。

老齢の二人の夫婦は、農作業をしていましたので、
畑から街道にあがり、そばの大きな木の下に座りました。

包みを開いて、中からお弁当箱をとりだしたところで、
街道に視線を向けました。
老爺も黙って、老婆と同じ方向を眺めます。

「あの子だよ」

「久しぶりだねぇ」

「一人じゃないよ」

「ありゃ、僧侶だね」

老夫婦の視線の先には、二人の男女が仲良く歩いてくる姿が
見えました。
僧侶の姿をした男性は、隣にいる女性に、とても穏やかな表情で
微笑んでいます。
老夫婦が、じっと二人の様子を伺っていると、二人は、
街道から外れて、老夫婦のそばへとやってきました。


「結構、距離があるんですね」

「あの坂をのぼっていくのよ、信さん」

すっかり大人の女性に成長したリィが、やっぱり大人の男性へと
成長した信に微笑みます。
リィと信は、薬草園でまる2年過ごした後、町に出て一軒の
診療所を任されることになりました。

『二人は、良い癒者になるでしょう』

大天使ラファエルは、にっこり微笑んで、二人を送り出しました。
結婚して町に出る前に、二人はお互いの故郷を訪問することにしたのです。

二人は、老夫婦の前にやってくると、そろってしゃがみこみました。
信が荷物の中から、線香とろうそくをだし、リィが火をつけます。
老夫婦の前には、お供え物のいなり寿司がおいてありました。

ろうそくとお線香をたてて、二人は、一緒に手を合わせます。
老夫婦は、何も言わず、二人の様子をじっと眺めていました。
しばらくしてから、信は顔をあげ、リィににっこり微笑みます。

「とても素敵な地蔵様ですね」

「いつも、手をあわせたいと思っていたの」

リィと信の前では、穏やかな微笑を浮かべた二体の地蔵菩薩が、
じっと立っていました。
しばらくお地蔵様を眺めてから、二人は立ち上がります。

「行きましょうか」

「ええ」

リィと信が仲良く老夫婦の前から立ち去った後、老爺が楽しそうに笑いました。


「良い人をみつけたみたいだね」

「すっかり、綺麗になって」

にこにこ笑って、お弁当箱から、いなり寿司をひとつ取り出しました。



つづく









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.06.23 09:40:31
[【物語】祈りの人:癒し人] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.