カテゴリ:政治・社会・ビジネス
10年以上経過した法律を改正したものが、国会で可決された。 公的資金で、企業救済を行うのは、金融機関には既になされてきたことだが、 大手電機・機械製造業などでも、この法律を”頼ろう”とする動きが出てきた。 分かりやすいスキーム解説が見当たらなく、結局、総務省のHPで内容を確認 してみたのだが、何とも釈然としない。 結局はリストラ(いまでは、単なる人減らしと同義語になってしまった)を推進し、 さらには、「経営トップの責任は問わない」など認定基準が緩くされたことから、 ますます経営自己責任から世間の目が離れてしまうなど、何のために税金を 投入するのか、意義がわからないのだ。 例えば私が勤務する企業は、先期の業績悪化に関して言えば、リーマン破綻 の影響は、ほんの3割程度と私は分析している。 もともと、調子に乗って多角化~安易なM&Aや海外直接投資を無軌道に行った ツケが回ってきただけで、事実、兆候は10年も前から見られた。 他の製造業にしても、バブル崩壊後、一度は真剣に改革に取り組んだものの、 アメリカの好景気(これもバブルに近いものだが)に飛びつき、自動車産業など、 どう考えても、現状の製品、産業構造ではやがては立ち行かなくなるものに 頼りすぎた結果が、今回の惨状ではないかと思っている。 ここに来て、さらに「経営責任は問わない」と、公的資金で延命されたら、不況で 経営者が鍛えられることもなく、また、真の意味で産業構造が改革されることは 期待できないように思うのだが。 大手であれ、「舵取りの失敗は、経営者の責任」と、しっかり責任を取らせ、潰す べき企業は潰した上で、新しい企業・産業を育てていく覚悟がなければ、産業 立国でしか生きられない日本に、未来はないと思う。 公的資金は、その新陳代謝の最中に大量に発生するであろう、失業者などへの 手当てに回せばよいことである。 どうせ株式会社の社長の責任は、有限責任なのである。 また今回の公的資金注入が、「民間企業」の本来の活力をスポイルし、国営企業 のような「似非民間企業」を生み出し、産業構造自体を歪めてしまうことが非常に 恐ろしい。 世界有数の経済大国である自覚を持って、今回の不況を、しゃぶりつくすような 気持ちで立ち向かわなければ、また「失われた10年」の繰り返しではないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/04/28 02:23:54 PM
コメント(0) | コメントを書く
[政治・社会・ビジネス] カテゴリの最新記事
|
|