トランプ大統領の対日貿易宣戦布告第1章
一帯一路構想で、米国への対抗心を剥き出しにした中国の世界制覇野望に対して、米国のトランプ大統領は輸入関税強化で対抗して、対中貿易戦争を仕掛け、中国も報復関税で応じていて、未だ落とし処が見えません。貿易赤字の最大国である中国ばかりでなく、第2位のドイツに対しても関税強化を仕掛けましたし、第4位のメキシコには北米NAFTA改定交渉で妥協させることになりました。其処で、次なる目標は第3位の日本となることは必定で、自由貿易を堅持する世界貿易機構(WTO)に対しては、脱退も視野に入っているとされています。この秋に、想定される貿易交渉では、かなり強硬な要求がされる懸念もあり、予断を許しません。製造産業が競争各国に押されて衰退、代わりにIT産業、GAFAとされるGoogle, Apple, Facebook, Amazonの業績で、国力を高めて、安い海外製品を輸入して、快適な生活を享受して来たのです。トランプ大統領は製造業復権を声高に掲げ、一部国民の熱烈な支持を得ている様ですが、これでは輸入品が割高となり、品質の劣る国産品を推奨されようが、購買力が減少するだけで、米国の明るい未来が見えない気がするのですが、如何でしょう?ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙のコラムニストの内部告発発言に、トランプ大統領は「日本とは良き関係を築いて来たが、彼らが私達にどれだけ払わねばならないかを語れば直ちにそれは終わるだろう」とした。市場が神経質になるのは、メキシコとの通商交渉で「為替条項」が入ったとされていて、これが前例となり日本にも提示される可能性が危惧されている。一般的に、米財務省による「為替操作国」の基準は以下の3点とされている。① 貿易収支の規模が、年間の対米黒字額が200億ドル以上② 経常収支の規模が、年間黒字額が対GDP比で3%以上③ 継続的な為替介入による外貨の買い入れが過去1年間でGDPの2%以上日本は貿易収支と経常収支の2点に抵触して「監視対象国」と認定された。9月5日に米商務省が発表した7月貿易収支では対日貿易赤字が前月比2.9%増の54億6千万ドルになり、11月には財務省が議会に「為替報告書」を提出する予定とされ、外電とのインタビューでは「為替操作の判定基準を検討中」とも語っている。トランプ政権現職高官が匿名で米紙に寄稿して「内部告発」。その後、各幹部の「私ではない」との否定発言が相次ぐおり、火消しにやっきになっているトランプ氏が選挙民の目を外に向けさせる意図も透ける。