素浪人ブログ

「１１日午後９時半ごろ、三重県大台町の紀勢線滝原―阿曽（同県大紀町）間で、名古屋発新宮行き特急「ワイドビュー南紀」（４両）が線路内のシカと衝突した。約１０分後に運転を再開したが、約４キロ先で再び別のシカと接触した。けが人はいなかった。安全を確認して出発したため列車は約１９分遅れ、乗客６０人に影響した。
　ＪＲ東海によると、１列車が２回シカと衝突したケースは紀勢線で半年ほど前にあったという。６月に入って、東海地方のＪＲ線では、６列車が７頭のシカと衝突している。

　上の記事はasahi.comだ。

　紀勢線を利用する事が多いから、何度も経験したことのある鹿と列車の衝突だ。列車が停まっても鹿に怪我をしたと聞いたことはない。動けないくらいの重症でもない限り、鹿は逃げていくから、死ぬどの重症ではなく、軽傷と言うことになりそうだが、列車に衝突して軽傷は、さすがと思うが、怪我の程は定かではない。鹿が線路に飛び出し、衝突する場所も殆んど同だ。と言うことは、線路が鹿の通り道にあると言うのか、鹿の通り道に線路が出来たと言うのか、兎に角、線路は鹿の通る道だ。
　
　鹿は増え過ぎているというのが通り相場だ。獣害の中でも、鹿の被害が最も多いような気がする。伐採後の山は、ネットで囲ってある。植林した若芽を鹿から守るためだ。農家の被害も多く、ネットで囲まれた畑はよく見かける。獣害は鹿だけではないが、鹿が最も多いような気がする。

　夜中、車で山間部を通ると時々車の前に飛び出してくる。車にぶつかる鹿もいるし、ストーンガード用のネットと、岩壁の間に落ちて動けなくなっている鹿もいた。それにしても、一日何度も鹿のために列車が停まることは滅多にないだろう。田舎の和やかな話題には違いないが、鹿のその後が気になる。衝突の後遺症はないかと、気になる。衝突後の鹿の事は誰も知らないだろう。


　人間と動物の関わりは単純であり、複雑である。

　二日前に近くの林道を歩いていると、何処からともなく、三匹の中型犬が現れた。三匹ともまだ成犬ではない。人間で言えば少年で、悪戯好きでやんちゃな感じだった。一匹は甲斐犬だが他の二匹は分からない。一匹がまだら模様で、アニメに出ていた犬だが、そのアニメは何だったか思い出さない。

　三匹の犬は、首輪もしてないから、捨てられた犬だと思った。明らかに腹を減らして食べ物を探している風であった。人見知りしないと言うか、人懐っこいと言うか、人慣れしていると言うか、纏わりついてくる。甲斐犬が三匹のリーダーは明らかで、他の二匹ほど纏わりつくことはしない。並んで歩いても、他の二匹は足元が邪魔になり、足を踏んづけそうだが、甲斐犬は何度か身体をこすり付け、指を舐めた後は間隔をとって歩いていた。話しかけながら歩いていると、通り過ぎる車の運転手は、飼い犬と勘違いして、不快な目を向ける。二匹の犬は車が来ると、車の方に走っていくから、車はスピードを落として、運転手は私を一瞥して通っていく。

　紅葉マークの小父さんが「鉄砲か」と訊く。
　
　「何処の犬で、何処から来たか知らない。行く方向が同じみたいで、一緒に歩いているけどね」立ち止まって返事をすると、三匹も待っている。結局1時間近く、三匹の犬と散歩した。分かれる時は、車のドアの前に立っていた。走り出すと少しの間はついてきたが、直ぐに立ち止まり、そして、引き返して行った。引き返したと知ったら寂しくなって、車を停めて見ると、三匹の犬も立ち止まってこっちを見ていた。手を振ったら走ってくるので、急いで車を発進した。その後、三匹がどうしたかは分からないが、鹿の衝突のニュースで、三匹を思い出した。野良犬のわけはないが、首輪のない三匹は、野良犬だ。野良犬なら食べ物を探すのに苦労するだろう。ドックフードで育ったに違いない犬が、山の中で暮らすのは大変だと心配するし、そして、列車と衝突した鹿もやっぱり気になる。