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カテゴリ:おはなし
「あれを調査するならS山に登らなくてはなりません」 「山登りは苦手なんです。足元に気を取られて、見たい景色を見る余裕がない」 「立ち止まればいい」 「まさかね」 「どうかしましたか?山登りは苦手なんでしょう?」 「まさかエレベーターがひらいたところが屋上だったなんて、まさかそんなことはないでしょうね?」 「屋上がどうかしましたか?」 「まさかね」 『人生のそれぞれの段階で自分が何を考え、どういう理由からその時々に目前に迫った問題を判断し、選択し、行動してきたか、後になるとわからないものだ。』(池澤夏樹:本の題名がわからない) その時々の私はかなりな程度でそれぞれ別人なので、なぜあのときあのように振るまったのかわからない。 それに、たった今私がなぜこのように振るまっているのかもわからない。 なぜここにいてパソコンに打ちこんでいるのかわからない。 わかるとかわからないとか、わからない。 「わかる」も言葉だし「わからない」も言葉だ。 「わかる」も文字だし「わからない」も文字だ。 意味を追わなければ「わからない」も「わかる」も線だ。 日常生活における興味はこの枝からあの枝へと移ってゆくのだが、おおきな変化としては映画や本をつづけて見たり読んだりできなくなって、そのかわりと言ってはなんだが、台所に立っていることがずいぶん増えた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年01月27日 04時46分25秒
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