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テーマ:☆詩を書きましょう☆(8332)
カテゴリ:散文詩
桃色の花びらが
また こうして この空を 一斉に染めはじめた 今 いくつもの こぼれ落ちそうな想いや 途切れそうになる心を あなたは 何も言わずに 桃色の柔らかな 優しいぬくもりで 包み込んでくれた それだけで 癒される ひととき あなたは あなたのままで あなたらしさを 大切にして…と 耳もとで ささやいてくれた気がした やがては 桃色の花びらが 桜雨となり 舞い落ちていくように 僕の中の 抱え込んできた 数々の想いが 解き放たれていくような気がした そして鮮やかな緑に塗り変わっていくように 捨てさって はじめて輝き出した 心の中の光 他の誰でもない この自分が心から信じていく こぼれ落ちた透明な雫と 桜雨が融けあうように絡み合い 吹きすさぶ風を この肌で感じ ただ あなたとともに この場にたたずむ 次々に落ちてくる花びらのひとつが ふと差し出した手に ふわり…と舞い落ちた 願いは叶う…とその一瞬はっきりと感じた 途切れることのない生命の巡りの中で この僕も また 生きている… ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 季節はずれの散文詩ですが(^^; 4月のアナログ版「光透波の泉」の通信に掲載したもの。 桜の散文詩って、振り返ると何個か書いているのですが、今回は、別れと出会いをイメージして、書き綴ったように思います。 ちょうど、知り合いの方の「死」があり、そのときに、桜の花びらの舞い散るさまを重ねて、どこか、はかなさを感じたのがひとつ。 あと、自分の中の何かを、捨て去り、また、新たに芽生える想い、といったこと、今を生きることの大切さ、そんなことを、この散文に込めたのかなと、今思い出しながら書いています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 16, 2009 12:59:43 AM
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