愛染祭(あいぜんまつり)
6月30日から7月2日までの3日間、大阪の四天王寺夕陽丘の勝鬘院(しょうまんいん)では恒例の「愛染祭」が実施されます。この勝鬘院は聖徳太子ゆかりの寺院で本尊を愛染明王(秘仏)とする古刹で、桃山時代に建立された多宝塔(重文)が境内に古色蒼然と聳えます。本尊の愛染明王像の御開帳が正月(元旦~7日)と、夏の愛染祭の期間だけなのです。御本尊の愛染さんには、昨年のお正月に初めて参拝し、その際お寺の許可を得て、それ以降講演でよく使わせていただいています。桃山時代の作なのですが、秘仏であるが故に愛染明王の本来の色、赤がよく残り「ラーガ・ラージャ(赤い王)」たる姿ですので、非常に説明がしやすく重宝しています。今日は初日、宝恵駕籠(ほえかご)に乗った愛染娘達10人が谷町通などで、その笑顔を振りまき、夕方になりますと、境内の多宝塔で四天王寺の僧達も入堂し法要が行われるそうです。その直後、多宝塔の初層がこの時だけ拝観できるという話です。境内には浴衣姿の男女が大勢詰めかけ、子供達も露店を目当てにやってくるそうですが、カップルの姿が多いらしく、やはり愛染明王に恋愛成就を祈願にくるのでしょう。「あいすみません。」これは大阪の夏祭りを言い表したフレーズで、大阪の夏祭りは6月末の「愛染祭」に始まって、8月初めの「住吉(大社)祭」で終わるという語呂合わせなのです。