最近のよんだ文庫
少し前に読んだ文庫本です。『美女いくさ』(諸田玲子著/中公文庫)2007年に読売新聞に連載されたものです。主人公は、織田信長の妹、市の三女、小督(おごう)です。いまの大河ドラマは「江」。同じ人物です。美女いくさの方が先に世に出たので、当時、所々読んでいました。この本の督と、テレビの江とは、共通点もあれば違うとこもあります。織田信長の姪で、幼い頃に父をなくし織田信長という大きな伯父を失い柴田勝家と再婚した母、市を失い夫と離縁され、二度目の夫を亡くし徳川に嫁いでたくさんの子供と世継ぎを産むのですが、まさに戦国時代のヒロインです。その人生はあまりにドラマチック。姉である淀君と、豊臣対徳川の敵と味方に別れてしまった事も。女のいくさは、日々起こる不幸や運命のいたずらに泣いたり悩んだりしながら、運命を受け入れること。それに負けず自分の持ち場でベストを尽くすこと。女は強いですね…。『海辺のカフカ』(村上春樹/新潮文庫)これは息子が15歳になったときに主人公が15歳の少年だから、読みかもと思い買いましたが、うーん、読み応えはあるけど、漫画みたいな内容でした。劇画的というかね。何故、家出した少年が会いたい人に会えたのかが解せませぬが。複雑な人間のキャラクターが印象的。平成17年の発行です。村上春樹さんの小説は解説がないから解説になれてる私には少し、消化不良気味です。もう一度細かく読み直すには長すぎます。