ナチュラルクリーニングの本質
前回の記事で、合成洗剤にも石けんにもメリットもデメリットもあることをお話しました。今日は、ナチュラルクリーニングの本質について、私が考えていることをお話をします。【どこまできれいにしないといけないの?】我が家では、服は汚れたら洗うことにしています。当然のことだと思っていたのですが、尋ねてみると、1度着たら洗う人が、今もまだ大多数のようです。汚れていなくても洗うのは、もったいない。水や洗剤だけでなく、服そのものも、やはり洗濯のたびに磨耗します。色は合成洗剤を使うとてきめんに褪せてしまいますが、ゼオライトなどが添加されているものは、布の傷みもひどくなります。毎日お風呂に入る人なら、たぶん、石けんを使う必要はありません。特に、動物性タンパク質をあまり摂取しない人ならば、汗の臭いも気にならないので、お湯をかけて、手でなでるように洗うだけで十分だと思います。髪を洗うのは、お風呂に入る回数が少ないほど間隔が空いても大丈夫になります。それは、お風呂に入るとどうしても汗をかいてしまうので、新陳代謝が活発になって体内から出てきた老廃物が頭皮に残ると、痒くなってしまうからです。そのため、毎日お風呂に入るのなら、頭も一緒に洗った方が良いと思います。ただし、洗う時は、お湯で頭皮を優しくマッサージするだけで十分だと思います。特に空気の汚れがひどい所で過ごしたり、ほこりをかぶってしまった時などは、髪をよくすすいだ後、髪の表面だけに、少量の粉石けんを十分に泡立てて軽くなで、すぐに洗い流してから、全体をお湯でよく洗うと、きれいになります。これは、美容院などで指導される洗い方とは正反対になりますが、「少量の粉石けんをよく泡立てて」短時間使用するならば、汚れだけを落として、キューティクルへの影響を最小限にすることができます。石けんシャンプーを使い始めて髪がぎしぎしするというのは、たぶん、石けんシャンプーだと安心してつい使用量が多くなったり、発泡剤が添加されていないため、泡立ちを求めて、使用量を多くしたり、石けんだと汚れ落ちが悪いという先入観で、長時間石けんを良くもみこんで使ったりするからだと思います。石けんはアルカリ性なので、髪のキューティクルの成分であるタンパク質を溶かしてしまいやすいので、長時間&大量使用は危険です。逆に、ほんの少しでも効果があるので、まずは洗面器にお湯を大匙3杯程度入れ、粉石けんを小さじ5分の1以下入れて、よく泡立てて使ってみてください。上手に泡立てると、この量で、大人の髪も顔も体も全て洗えてしまえます。少量の石けんで頭を洗うならば、すすぎ後のリンスは必要ありません。洗ったあと、髪がキシキシする時は、石けんの使用量が多かったために、キューティクルが開いている状態だと思うので、リンスを少量使うことで、髪を酸性にし、キューティクルを閉じることができるそうです。リンス、、、酸性の果汁でも良いのですが、、、を使うと、水に溶けた石けんが再び脂肪酸となり、髪に付着して、潤いをもたらすという効果もありますが、よく石けんを洗い流してから使用しないと、脂肪酸が多すぎて髪がべとべとになってしまいます。汗をかいて頭皮の汚れが気になる時も、たいていはお湯で十分です。ただし、、、やはりタンパク質を過剰に摂取していると、どうしても皮脂がべったりとしてしまい、頭皮も泡立てた石けんを使って洗う必要がでてきます。べったりした皮脂の場合は、1度の石けん洗いではおちないかもしれません。かといって、必要以上に洗浄してしまうと、皮脂の分泌のバランスが崩れ、フケが出やすくなったり、逆に皮脂が足りずに痒くなってしまうことがあるようです。また、「とくに動物性タンパク質を摂るわけでもないし、合成洗剤のシャンプーは洗浄力が強すぎるから石けんのみ使っているのにフケが出る」という方の場合、石けんかすが髪に付着、とくに、キューティクル内部に多く入り込んだ状態である可能性があります。この場合は、髪の洗い上がりはゴワゴワした感じになるはずです。そのため、石けんの使用量を減らしつつ、リンスをしっかりするようにすると、症状が見られなくなると思われます。石けんも大量に使用すれば、環境にも体にも良くありません。ナチュラルクリーニングというのは、汚れを必要最小限の道具で必要最小限に落とすことなのかもしれないですね。【環境に優しいことはお財布にも優しい】我が家では純粉石けんは2年に1箱、1kgの重曹や500mlの酢は5年経っても使い切れていません。洗濯に使う粉石けんには、以前は環境の点から米ぬか石けんを使用していましたが、あまりに長い間なくならないので、買い換える時に、すべての用途に使用可能な、パーム油を原料とした純粉石けんに切り替えました。そして、必要な時以外は、以前書きましたように、水と湯を使って洗うようにしています。また上に書きましたように、必要のないものは洗いません(*^_^*)汚れ物をためておくと憂鬱になるので、洗濯物の量が少ない時は、バケツで手洗いをします。洗剤を使わなくても、とても綺麗になりますし、溜めた湯を使って洗うので、これが一番の水の節約になりますよね。洗い物でもお風呂でも、水は、できるだけ流し水を利用せずに、溜め水で洗うようにしています。今の借家にはお風呂がなく、シャワーしかありませんが、子ども3人が立っては入れるぐらいの大きなバケツにお湯を溜めるようにし、残り湯を洗濯物の予洗いに利用しています。それでも余ったお湯はシャワールームとつながっているトイレの水洗代わりに使うこともあります。雨が降らない日が続く時は、庭の水遣りに使うこともあります。そのため、水道料金も、基本料金に含まれる水の使用量を超えることはめったにありません。粉石けん1箱は市販の洗剤と比較すると高価に思われるかもしれませんが、ナチュラルクリーニングの本質を理解していれば、これだけで家庭内のクリーニングが全てでき、また使用頻度自体が減るために、高い買い物でなくなります。【何も使わないのが一番】私は、大前提として、環境のためであっても、体のためであっても、人工的に作り出したものを何も使わないのが一番良いと思っています。つまり、石けんや酢・重曹・塩さえも、使わない方が良いと思うのです。水は使いますが、その水もなるべく使わない方が、環境のためには良いでしょう。。。しかし、そんな極端なことをして、衛生的に問題はないのかしら?たぶん、問題はありません。外から帰ってきたときの手洗いにも、基本的には石けんは必要ないと思っています。それよりも、天然のものから作っているから、、、自然界にも存在するから、、、と、気兼ねなく贅沢に使うことの方が、体にも環境にも良くないと思うのです。例えば、石けんを使うと、体に付着している皮膚を守っている常在菌まで洗い流してしまいます。お酢や塩の殺菌効果も同じです。ポイントで使うように心がけないと、ついつい安全だからと思って使いすぎてしまいます。衛生について疑問がある方は、寄生虫の研究で有名な藤田紘一郎先生の著書を1冊読んでみることをお勧めします(*^_^*)ちなみに、インドを旅行していた時に、現地の人に、体を洗う時はぬるま湯で、、、石けんは使わずに、なでるように洗うように言われました。理由は、石けんを使ったり、こすったりすると、体を病気から守る常在菌まで洗い流してしまうから、、、だそうです。また、インドを旅行中に胃腸の病気にかかるのは、現地の水を飲む飲まないに関係なく、先進国の旅行者、、、特に日本人が多いとも聞きました。【結論】合成洗剤を使う、石けんを使う、、、いずれにもメリット&デメリットがあるので、結局個人のライフスタイルに合わせて選ぶしかないのだと思いますが、大切なのは、使う量をできるだけ減らすということではないでしょうか。また、洗剤を使う時点だけでなく、原材料はどのように作られているのか、作られるためにどれだけのエネルギーが使用されているのか、添加剤の環境や人体への影響は、、、その他もろもろの条件を考えて、自分のポリシーに合うものを選ぶ必要があると思います。私の住んでいるところでは、排水が合併浄化槽の後は地下浸透式のため、その場合は、石けんの方が環境に優しいということなので、粉石けんを選択しました。いずれにしろ、清潔志向が強すぎることは、人間の体を弱くするだけでなく、環境にも良くないですよね。体にも、環境にも、優しいナチュラルクリーニング、、、やはり追及すればするほど、お財布にも優しくなります。そして家の中に余計な洗剤が無くなり、1つで全てをまかなえるようになると、見違えるほどすっきり&安全になります。お子さんのいる家庭にはおすすめです(*^_^*)また、ナチュラルクリーニングを実践することで、毎日の生活の中で、どの汚れは、どのような成分なので、何を使うと落ちるのか、、、自分で考えて掃除をするというのは、エコロジー商品を選んだりする時に、セールスの文句にだまされずに済むというメリットもあります♪すでにナチュラルクリーニングを実践中の方は、ぜひ、ご自宅で工夫なさっていることなどを教えてくださいね☆