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テーマ:お勧めの本(7221)
カテゴリ:小説 ミステリ
世界の終わり、あるいは始まり
歌野晶午の小説を初めて読んだ。あー面白かった。 小学生ばかりを狙った連続誘拐殺人事件が始まり。犯人は少ない身代金を要求するが、子供は発見されたときはみな銃で撃たれて死んでいる。 会社員の富樫修は、小学校6年の息子の部屋で、事件にかかわるある物を目にしてしまう。 その後も息子の部屋を家捜しするたびに「息子が犯人では?」と思わせられる物証を見つけてしまう。 小説後半は、富樫修の苦悩が中心。想像の世界ばかりを何パターンも書いていて、「あれ?事実じゃなかったの?」と単純な私は何度も肩透かしを食らったけれど、文章には強くひきつけられた。 少年犯罪の親。今テレビドラマでも「アイシテル」でやっているらしいけれど、(夜遅いので見てません…)赤ちゃんだった、かわいかった子供が犯罪者になるというのは恐ろしい。 自分の人生も、他の兄弟の人生も、めちゃくちゃになる。しかも、どうして子供がそんなことをしたのかと、ずっと自分を責め、問い続けていかなければならない。 父親の苦悩とか、葛藤とかがリアルに描かれていて、小説の手法としては実験的?って感じなんだけど、読んで損した感はない。(最後はすっきりしないけれど) 小説って結論ではなくて、過程の面白さが大事なんだよなあーと思わせてくれた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年06月04日 09時42分02秒
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